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色褪せない生命のエネルギー!万博記念公園「太陽の塔」内部見学

2019-02-14

大阪府吹田市にある「万博記念公園」は1970年の日本万国博覧会の会場跡地に造られた広大な敷地の公園です。その公園のシンボル「太陽の塔」は、大阪万博のテーマ館であり芸術家・岡本太郎さんがプロデューサーとして造り上げた壮大なパビリオンでした。
この「太陽の塔」の内部展示が半世紀ぶりに公開されているのはご存知でしょうか。内部には巨大造形「生命の樹」がそびえ立ち、圧倒されるような空間が広がっています。

「太陽の塔」ってなに?という方のために

写真:さち

「太陽の塔」は、1970年に開催された日本万国博覧会(大阪万博)のパビリオンのひとつとして建設されました。大阪万博のテーマ「人類の進歩と調和」を表現するパビリオンとして、万博のシンボルともいえる建造物です。
当時、万博史上最多の6421万人が訪れた戦後最大のイベントで、その盛り上がりは相当なものでした。当時を知る世代にとっては、今でも大阪万博と太陽の塔は懐かしくて誇らしい存在であるようです。

写真:さち

巨大な体に個性的なデザインで、現在でも圧倒的な存在感は健在です。太陽の塔は、万博会場跡地に造られた「万博記念公園」の顔として親しまれています。その大きさは高さ70m、基底部の直径20m、腕の長さは25m。高さ70mというと、ビルでいうと20階建ぐらいの高さに相当しますので、かなり大きいですね。
この太陽の塔には4つの顔があります。といっても、外側から見えているのは3つの顔だけです。
長い首の先には「黄金の顔」が光っています。そして胴体の中央にも顔、背中側にある顔。頂部の「黄金の顔」は未来を表し、背面の「黒い太陽」は過去を、胴体の「太陽の顔」は現在を象徴しています。
そして4つ目の顔とは「地底の太陽」と呼ばれ、内部展示されていたものになります。

2018年からついに内部見学が再開!

写真:さち

万博閉会後、多くのパビリオンが撤去される中、太陽の塔は永久保存されることが決まりましたが、内部は半世紀にわたって見学ができませんでした。大阪万博当時を知らない世代では、太陽の塔を巨大な彫刻だと思っていた方も多いのではないでしょうか。
その太陽の塔の内部を、再び一般の方が入場可能な展示施設として機能させる「内部再生プロジェクト」が2016年より始動します。安全性の確保として耐震補強工事がなされました。この耐震補強工事は、外観はもちろん内部からも全く分からないよう鉄骨や壁の補強が行われています。内部空間をなるべく当時の通り再現しようとする情熱を感じますね。
この耐震化の後、内部の壁や展示物の修復がされました。そして2018年3月よりついに内部の展示が再開されたのです。

いよいよ内部へ!復元された4つめの顔「地底の太陽」

写真:さち

いよいよ内部展示のご紹介に入ります。見学者がまず案内されるのが「地底の太陽」ゾーンです。先ほど少しご紹介した4つ目の顔「地底の太陽」をメインに展示しているエリアになります。この「地底の太陽」は、万博閉幕後に行方不明になり現在も見つかっていませんので、展示されているのは復元されたものになります。

写真:さち

「地底の太陽」ゾーンは、万博当時に地下に展示されていた「過去・根源の世界」の雰囲気を体感する空間です。「地底の太陽」を中心に、世界の仮面と神像が展示され、背景には当時の展示の様子やイメージ映像が投影されていますのでお見逃しなく。

圧巻の巨大造形「生命の樹」

写真:さち

そしていよいよ「生命の樹」へと順路は続きます。真っ赤な壁に覆われた内部空間の中央には、高さ41mの「生命の樹」がそびえ立っています。太陽の塔の内部はまるで胎内というのがピッタリで、この「生命の樹」は太陽の塔の血管のようです。まずはこのエネルギッシュな空間を全身で感じて頂きたいです。

写真:さち

この生命の樹には、“いきもの”がびっしりと貼りついています。1階フロアの単細胞生物からはじまり、上を見上げるとクラゲやアンモナイト、魚類、マンモス、恐竜など33種もの生物が樹を彩っています。
芸術家、岡本太郎氏が構想したこの巨大オブジェ「生命の樹」は、単に進化の過程を示しているのではなく、根源から未来に向かってふきあげる「生命のエネルギー」が表現されています。
「芸術は爆発だ」をはじめ多数の名言でも有名な、岡本太郎氏の著書には次のような言葉があります。
「全身全霊が宇宙に向かって無条件にパーッとひらくこと。それが『爆発』だ。人間は本来、瞬間瞬間に、無償、無目的に爆発しつづけるべきだ。いのちのほんとうの在り方だ。」(「自分の中に毒を持て」岡本太郎著)
実際に内部空間に立つことで、この言葉の意味の一端を感じることができるのではないでしょうか。

写真:さち

1階での見学を終えると、らせん状の階段を上りながら様々な生物の造形を間近で観ることができます。下から見上げていた生物の顔を正面から見られたり、細かい部分が見られたり、とても面白いです。階段の各ポイントには案内スタッフが立っており、解説を聞くことができます。
ほとんどの生物が閉幕後は撤去されて、別の場所で保管されていたそうですが、プロントサウルスは、ずっと樹の上に設置されたまま保存されていました。一本足で巨大な体を支え、阪神淡路大震災や2018年の北摂地震も耐え抜いて私達の前に姿を現わしてくれています。
内壁の突起はどういう機能があるのか。万博当時は生物が動く仕組みになっていたことなど、興味深い解説ばかりなので、目から入る情報ばかりでなく、耳からの情報も逃さないようにして下さいね。

写真撮影は1階のみOK。「EXPO’70パビリオン」もおすすめ

「太陽の塔」内部への入館は前日までの事前予約制となっており、「太陽の塔オフィシャルサイト」よりインターネットでの予約が可能です。当日券はありません。また無料対象の乳幼児も予約枠が必要となりますので気を付けましょう。見学は10数名ずつの団体行動になります。
また写真撮影は1階フロアのみ可能となっているのでご注意下さい。部品などの落下により展示物が損傷するのを防ぐためです。この1階での写真撮影も内部見学が可能になった当初は禁止されていましたが、2018年12月より1階のみ可能となりました。みなさんマナーを守って見学して下さいね。
車いすの方や歩行が困難な方、4歳未満の乳幼児をお連れの方はエレベーターを利用しての観賞が可能です。

写真:さち

内部見学は、腕の付け根部分のフロアで終了となります。裏側の通路を通って1階まで下りていく順路となっています。
万博当時は、1階から太陽の塔内部をエスカレーターを乗り継いで上り、そのまま腕部分からエスカレーター通って「大屋根」と呼ばれる建物へ順路がつながっていました。この腕の部分は、現在の観覧通路からも見ることができるのですが、内部の鉄骨がむき出しとなっており、光の演出により近未来を感じさせる空間となっています。テーマ館が根源の世界(過去)から現在、そして未来へと続く順路で構成されていたことが分かります。
お時間があれば万博開催当時の会場模型や写真が展示されている隣接の「EXPO’70パビリオン」も立ち寄ってみられてはいかがでしょうか。太陽の塔の周囲の建物が開催当時どうなっていたか、また会場全体の様子が分かり面白いですよ。

写真:さち

太陽の塔がある「万博記念公園」は、1970年の日本万国博覧会の会場跡地にできた広大な敷地の公園です。自然豊かな自然文化園、日本庭園は週末に散策や公園遊びをするファミリーで賑わいます。
また隣接する民族学博物館(通称みんぱく)や近隣にはJリーグ「ガンバ大阪」のホームグラウンドでもある吹田スタジアムや、水族館などが入ったエキスポシティーという総合商業施設があり、なんと温泉まであるという、一日いても飽き足らない一大レジャースポットです。
また春にはチューリップや梅、桜の名所にもなっていますので、「太陽の塔」の内部見学と合わせて旅行プランを立てられてはいかがでしょうか。

写真:さち

万博記念公園「太陽の塔」内部見学の基本情報

住所:大阪府吹田市千里万博公園
電話番号:0120-1970-89(万博公園全般のお問い合わせ)
アクセス:大阪モノレール「万博記念公園駅」「公園東口駅」
(「太陽の塔」へは万博記念公園駅下車、中央口利用が便利です)
入館料:大人700円、小中学生300円
※太陽の塔への入館は前日までの完全予約制です。
2019年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
「太陽の塔」オフィシャルサイト
https://taiyounotou-expo70.jp/
万博記念公園
https://www.expo70-park.jp/

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さち

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