はちみつはおいしいだけではなく、美容や健康にいいということは多くの人に知られています。でも、種類によって使い方や効能が違うことをご存知ですか? 身近なはちみつだからこそ、その魅力をもう一度、見直してみましょう。
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■抗菌作用に疲労回復、はちみつは働き者はちみつにはミネラル、ビタミン、カルシウム、カリウム、鉄を多く含みます。これ以上は分解されないという、単糖類である果糖とブドウ糖が主成分。体にすんなりと吸収され、エネルギーを素早く得ることができます。だから疲労回復にいいといわれています。
整腸作用があるので便秘によく、ダイエットにも適しているとか。カリウムは体内の余分な塩分を輩出するため、高血圧にもよいとされています。
また、甘味が強いので、結果として砂糖よりも少ない量で満足感を得ることができます。ダイエットをしているけれど、どうしても甘いものが欲しいときにいいかもしれません。
さらに成分として含まれるグルコン酸には殺菌力があり、咳にもいいそうです。
保湿力もあり、美容用のパックとしてよく利用されますね。軽いピーリング効果もあり、お肌を整えてくれます。
■花の種類ではちみつの個性が変わるこのように、はちみつの魅力はたくさんありますが、実は種類によって、使い方のコツがあるのです。
はちみつの色の濃淡は含まれるミネラル分に関係し、ミネラルが多いほど色も濃くなります。色が薄いはちみつはさっぱりしているので、料理に向いています。一方、色が濃いものは、クセがある上、味や香りも強いので、そのまま食べるか、はちみつパックなどの美容に利用するといいようです。
そもそも、はちみつに含まれるミネラル量は、蜂が採取する花の種類によって異なります。ラベルにどの花のはちみつか明記されているので、ぜひチェックしてみましょう。
ただ、量産的に出回っているものは、有効成分をろ過して精製してクセをなくしたり、加熱処理をしたものが多いのですが、それらはあくまでも飲み物や料理、お菓子に合うように処理されたものなので、今回のお話とはちょっと別のものとなります。
■種類によって成分や効果が変わる採取する花によって、色や味、成分も変わってくるはちみつ。代表的なものの中から、健康・美容によいとされるものをいくつかご紹介しましょう。
●ジャラ(ユーカリ)ハニーオーストラリアでヒーリングハニーといわれるはちみつ。高い殺菌能力のある万能はちみつとして重宝され、傷の手当、美肌、鼻炎などにいいとされます。
●レンゲのはちみつあまりクセがなく比較的に食べやすいです。とくに肝機能、二日酔いにいいとされています。
●マヌカハニーややスパイシーな味で、高い抗菌活性力を持ち、腸内の悪玉菌の活動を抑制。虫歯を予防したり、皮膚炎、咳、のどの痛み、風邪の予防、傷の治療にもいいそうです。
●アカシアのはちみつ熱を冷ましたいときや便秘にとくにいいのだそう。
●ソバのはちみつかなり黒く、味も黒糖のよう。レンゲのはちみつの約50倍といわれるほど鉄分が豊富で、貧血によく、咳止めにいいという研究結果も。
●栗のはちみつ濃い茶色をし、ミネラル分も豊富。
はちみつは食べたりパックに使う以外にも、石鹸とブレンドしたり、お風呂に入れてみるのもアリ。最近はオーガニックと表示されたものも増えてきました。
ママは美容、パパは疲労回復、そして子どもには風邪の予防のために使うのもいいですね。種類によるはちみつの特性を知って「これは料理用」「これはパック用」などと数種類、手に入れておいてもいいかもしれません。ただし1歳未満の子どもは、「乳児ボツリヌス症」を引き起こす危険があるため、与えないように注意しましょう。
(平野智美)