オトコとオンナ、頭皮のニオイはどちらが臭い？

　シンガー・ソングライター星野源の代表曲「くだらないの中に」の中で、男女が髪の毛のニオイを嗅ぎ合い、ふざけあう様子を描いた一節がある。仲の良い2人だからこその愛を感じる行為ではあるものの、そうでない人からはゲンメツしか感じないもの。“腐った油”のような独特のニオイを発する頭皮臭は意外とバレやすい。そもそも、どうして頭皮はクサくなるの？　男女で違いはある？　ヘッドスパ専門店「ワヤンプリ」のチーフヘッドスパニストで毛髪診断士の新井悠子さんに、頭皮のメカニズムについて伺った。

◆ニオイの元凶は汗と皮脂　オンナでもオヤジ臭を放つことが…

　頭皮のニオイの元凶となっているのは、汗と皮脂。もともと汗は無臭だけど、ケアを怠ると汗をエサにして細菌が繁殖し、ニオイ物質を放出する。「これが一般的に“汗臭”や“体臭”と言われているニオイが発生するメカニズム。細菌が繁殖するほどニオイ物質は多くなり臭くなるんです」（新井さん）。

　体の中でも皮脂腺が多い頭皮は、皮脂の分泌も活発。テカりやすい顔のTゾーンと比べると、約2倍もの皮脂腺があると言われているんだとか。皮脂は頭皮が潤いを保つために欠かせないものではあるものの、過剰分泌はニオイの原因に…。「この皮脂が酸化すると油が腐ったような不快なニオイになるんです」と新井さん。これはいわゆる“オヤジ臭”と同様のニオイなんだそう。

◆オンナには不快でもオトコは気づいていない臭いがある！

　頭皮のニオイに男女差はあるの？　という質問に新井さんは「男性です」とキッパリ。「皮脂の分泌には男性ホルモンが影響しているので、男性は女性に比べるとどうしても頭皮がベタつきやすく、臭くなる傾向にあります」。男性しか発さない“アンドロステノン”というニオイ物質もあり、これには“女性しか不快に感じない”という厄介な特性があるんだそう。

　ただし、女性だって油断は禁物。「女性は男性に比べて発汗量が少なく、汗を出す汗腺の機能が低下しやすい傾向があります。そのために、粘ついた臭い汗が出やすいという特徴があります」。自分でも気が付かないうちに、強烈なニオイを発していた…なんてこともありうるとか。

　頭皮のニオイを予防するには、正しいヘアケアはもちろん、十分な睡眠やバランスの取れた食生活、ストレスを溜めないといった精神面のゆとりもとても重要。恋人や気になる異性に、「く、臭い…」と幻滅されないように、健やかな頭皮を目指して。

2015-09-05