先生とのコミュニケーション、心に突き刺さる呪いの言葉「なぜそんなことを言われたのか、今でも分からない」
2023-05-06 08:40 eltha
■先生の何気ない一言…カラコンを手放せなくなるほどのコンプレックス
小学生時代、面白くて生徒からも人気のあった先生の話を聞いているときに目が合い、「あはは! ○○さんに睨まれちゃったよ」と言われたハクボタンさん(@hakubotantan)。その瞬間、心臓がキュッとなり、驚きや悲しさが込み上げ、なぜそんなことを言われたのかと混乱し、言葉が出ない状態になってしまった。
その先生の一言が心に突き刺さり、それ以降、「もっと目が大きくて可愛かったら、あんなことを言われずに済んだのに…」「もっと眉毛も整っていれば…」などと、見た目に関するコンプレックスがどんどん大きくなっていったという。
中学生になると、おしゃれ好きの同級生に“カラーコンタクト”の存在を教えてもらった。付けた瞬間に顔の印象が大きく変わり、「これになりたかったんだ!まさに救世主だ!」と歓喜したのだとか。
「逆に、印象が変わったことで、『ああ、やっぱり私は目つきが悪くてブスだったんだな』と、コンプレックスが確定される瞬間でもありました」
先生の一言の呪縛から解かれたきっかけは大学生活だった。実家から離れて一人暮らしを始め、高校までとはまったく異なる環境になったことが大きかった。
「高校までは少人数で固定されたメンバーと、同じ服、同じ生活。周りが自分のことを知っていてどう評価されているかで決まる、いわゆる“スクールカースト”などの『他人の目』に縛られ続けていた生活が一転したんです」
自分で決める講義、自分だけの生活リズム、好きな服、メイクなど、大学生活はとにかく自由で“個”だったそう。
「芸術大学だったので個性的な人がたくさんいて、自分のしっくりくる居場所を見つけて、初めて『なんだ、カラコンなんて付けても付けていなくてもいいんじゃん』と思えました」
その後、カラコン特有の目の乾き、痛み、重みに、集中する時間や楽しむ時間を邪魔されたくないと思い始め、いつの間にかカラコンを手放せるようにもなった。
だが、まだ呪縛は完全には解けてはいないし、今でも周りの目を気にすることもある。だからこそ、気持ちに対する切り替えを決めておくことを大事にしているという。
「『周りは思っているほど自分のことなんて気にしていないし、1時間後には忘れられているから大丈夫!』と言い聞かせています。『正解なんてないから大丈夫!居場所は絶対にある!』と思うことが大切だと思います」
■「何が悪かったのかがわからない」先生に頭を叩かれ困惑をした思い出
結局、先生は叩いた理由を説明してくれず、なぜ「かわいそう」は良くて「痛そう」がダメなのかがわからないまま、ヒマ子さんはモヤモヤした気持ちを引きずることになった。
「叩かれた=怒られた=自分が悪いことをしたというのはわかりました。当時は悪いことをしない限り叩かれるわけがないと認識していました。だけど、『何が悪かったのか』が自分ではわからない。恥ずかしさ、叩かれたショック、悲しさ、恐怖など…いろいろな感情があり、ひたすら混乱、困惑しました」
この出来事を漫画にして投稿したところ、「痛そうと言われると痛みに意識が集中するからではないか」というコメントが届き、「そうかも!」と納得することができたそう。
「小学生の私は『痛そう』という言葉を同情の気持ちで発していましたが、『その面しか見えていなかった』と気がつきました。言葉について改めて考えるいいきっかけになりました」
とはいえ、「さっき先生が叩いちゃったのはこういう理由でね…」と、「“先生が伝えたかった本質”があったのなら言葉にして伝えてほしかった」とヒマ子さんは当時を振り返る。
「叩かれただけですべてを理解できるほど、私は賢くないです(笑)。叩くのはそもそも良くないですが、いい学びのタイミングだったと思うので、もったいなかったなとも思いました。幼い私は、先生の正解や常識を必死で探していたと思うので、『自分で好き勝手に解釈して意味をつけていいんじゃない?』と、大人になった今なら当時の私に声をかけたいと思います」