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幸せな女の人生、その答えはフランスにあった!フランス婚の夢と現実
パリ在住皮膚科医がズバリ答える!Dr.MANAのLOVE+WEDDING

 初婚年齢が年々上がりつつある現在、女性の20代後半の未婚率は59%、男性30代前半の未婚率は47.1%と、結婚は誰もが経験する人生のイベントではなくなりつつある。
 社会的地位もお金を手に入れてシングルライフを謳歌する女性が増える一方で、このままずっと一人かもしれないと不安を募らせる独身女性も多いのでは。  
 そこそこに稼いで、結婚、そして出産と、王道を歩んでいる人も、いろいろいる。そして、思う。女の幸せって、なんだろう。  
 幸せになりたいあなたのために、Dr.MANAがズバリ答える!!

7つのQuestion
Dr. MANA Profile

岩本 麻奈(Dr.MANA)

東京女子医大卒。国内の病院勤務を経て1997年に渡仏。レーザー治療や自然医学の研修を積む。現在もパリに在住し、皮膚科専門医としてフランスの大手製薬会社やクリニックの美容アドバイザーを務める傍ら、美容ジャーナリストとしても活躍。日仏の美と健康に関する情報を収集し、健康的な肌作り、美肌に止まらないトータルの美しさを提唱している。昨年、化粧品「トゥシェナ」のプロデュースも手がけた。
『Dr. MANA 南仏通信』

引っ込み思案で彼氏ができません。フランス女性のように恋愛を楽しみたいのですが・・・。

自分だけの「キレイ」に気づき、それを最大限にプロデュースすること。

 恋愛に積極的になりたければ、引っ込み思案をまず乗り越えなくては。女にとって、自信のなさは確実にマイナス。美というものには多様性があるのだから欠点さえも長所にすることができるのです。『私には私のキレイがある』。フランス女性が造作の良し悪しを超えてエレガントに映るカラクリは、これ!ではどうすればいいのでしょうか?

あなたの個性=魅力はどこにあるの・・・?

 まず、自分を徹底観察して分析することからはじめましょう。センスのいい友人や従姉妹に訊いてみるのもいいでしょう。和み系なのか、天然不思議ちゃん系なのか・・・もしかしたら、かくれメス豹系かもしれません。自分が何モノなのかを知り、それを最大限に際立たせるのです。自己演出や自己プロデュースは、あざといことではないのですから。 流行やファッションリーダーの物マネをするのではなく、あくまで自分に似合うヘアやメイク、スタイルだけを徹底して追究するのです。

「キレイ」は造作だけじゃ決まらない!

 大切なことなのでもう一度いいますね。美醜はパーツが決め手ではなく、表情、姿勢、身のこなしなどの集大成。トータルでオリジナルな自分を表現して、自信を持って生きること!あなたにはあなたしか持っていない『私のキレイ』があるんですからね!ここまでできたらあと一歩。家の外に出てみるのみ。なぜなら出会いの場は、なにも合コンやパーティや友人の紹介だけとは限りません。
 フランス流にいえば、レストランやカフェ、道端、移動中の電車、駅、貸し自転車ステーションなどなど、あらゆる場所が出会いのステージ。日常のありとあらゆるシーンに、あなたを待って恋は息づいているのです。 あとはアイコンタクトと微笑みと、しゃれた会話。これらはヤル気をもって経験を積めば自然に会得できます。

日本男性には日本女性らしい思いやりも──。

 最後に日本仕様のプチアドバイス。日本の男性は慣習的に男性優位であるべきと無意識に思っているケースが多いもの。イニシアティブをとらせるほうがスムーズに進みやすいかも。

もっと他にいい人と出逢えるのでは? と思って結婚に踏み切れません。どうしたらいいのでしょう?

無理して決めなくてもいいのです。しばらく心を自由にしてみて。

 迷いがあるのでしたら、結婚しなくてもいいのではないかしら?夏木マリさんが婚姻届を出さない事実婚を「フランス婚」と呼んだようですが、法律婚をしないで共同生活をするのはフランスのカップルにとってごく普通のこと。これをフランス語ではユニオン・リーブルといい、近年では税制においても結婚に準ずる優遇を受けつつ、別れる時の契約解消は簡略なパックス(連帯市民協約)という制度が人気。
  その結果、カップルだらけの社会ではありますが、非婚率は実は高いんです。形式から解放されて、大半は同居人との子でありながら婚外子が50%を超え、出生率も2.0を上回るようになって、フランスは少子化を克服しました。
  フランスと日本は──制度的なインセンティブもあり、これを言い始めるとあまりに深くてキリがないのですけど──国民性が根本から違っている、というわけですね。

結婚前の“お試し”は、あっていいのかも。

 ちなみに、ほとんどのフランス人にとって、友だち以上恋人未満から“この人だけ”になるまでの課程には、必ずモラトリアムの期間があります。この間にカラダやキモチなどの相性を比較検討するのです。良し悪しはともかく二股三股も当たり前、恋人どうしになってからも最終ゴールが結婚ではないから、いったいいつまでがモラトリアムの時期なのかは人それぞれ。
 お試しの意味でも、結婚前に一緒に暮らすというのは、あって然るべしなのかもしれません。家がうるさくてどうしても無理だったら、せめてちょっと長い旅行くらいには行きたいものですね。

周りの友達がバタバタと結婚退職しだしました。負け犬にはなりたくない、このままずっと一人かもと不安です。

そんな無意味な考え、今すぐ捨てるが勝ち。

 「私は負け犬」と自分自身にレッテルを貼った時点で、あなたは負け犬です。自分だけの大切な“人生”。犬にみたてて勝ちだの負けだの言うことほどナンセンスなことはありません。焦って妥協しようと考えてるとしたら、それは愚の骨頂です。深刻な悩みをかかえている『一見幸せそうな家庭』がいかに多い事か。
 国民性として他人との比較をしないフランス人にとって、人生に多様性はあっても、勝ち負けはありません。自分の幸福は他人のモノサシで計るものではなく、自分自身が決めること。焦る理由なんてどこにもないのです。

「女」であることに年齢制限なんてない。

 フランスでは、結婚は人によって異なるライフスタイルの形態のひとつにすぎず、もはやそれが女の目指すべきステイタスとはされなくなりました。
 また、恋愛や結婚に年齢制限をつくることは自分の可能性を放棄することであります。
 「女は灰になるまで女」のフランス人、若いボジョレーはただの流行りもの、熟成したヴィンテージワインにこそ価値があるのです。
 負け犬になる? あなたはきっと、キャリアもあり経済的に自立しているはず。誰かに依存してしか生きられない女性より、それは圧倒的なアドバンテージではないですか。
 将来的に一人ぼっちになることを不安に思う人がフランスにはいない、なんて言っているのではありません。結婚しても独身でも、あまりかわりがないのです。
 徹底した個人主義であることと確固とした社会保障制度があるなどの違いもあるでしょうが、老後は夫婦世帯や一人暮らし(大抵街中に住んでいます)、または老人ホームが一般的です。
 実の子供であれ、義理であれ、気兼ねしながら一緒に暮らすよりかは、自由をとるのが、なんともフランス的ですね。

大好きな彼はいるのですが、お金持ちの息子からもプロポーズされました。お金で苦労したくない。でも相性がよくなさそう。割り切ろうかなぁ・・・。

お金でかえない幸せについて、この際考えてみましょう。

 あなたはいったい、何のために結婚するのですか?『日本では、つきあう男の優先順位は1=性格、2=顔、3=趣味で、結婚する男は1=性格、2=経済状態、3=顔というのが標準的なんだけど、フランスではどうなの?』と尋ねられることがあります。
 フランスでは、男は1=セクシーな知性(必ずしも学歴ではなく)、2=性格、3=SEXの相性で、その順番は優先順位ではなく絶対。とりわけ3は重要です。それに「つきあう」と「結婚する」の違いは何もありません。恋愛至上主義のフランスでは、愛がなければ「つきあう」ことはないし「結婚する」こともあり得ません。この日本とフランスの違いの理由はどこにあるのでしょう?
 由緒正しきブルジョワ階級とやんごとなき家柄の方は少し事情が違いますが、フランスの一般庶民にとっては、相手の経済事情は特に恋愛に介在しません。女性側が経済的な自立を確立しているからです。

人生を選ぶのはあなた自身。

 パリジェンヌの友人に話したら、その程度の経済状態で愛がブレる日本のマドモアゼルって、家庭がよほど不安定なのか、自分になんの誇りもないのか、と驚かれました。
 たいていのものはお金で手に入るというのは確かに事実です。感情(性愛)を理性(金銭欲)で抑えこめるという自信があれば、結婚を契約として貫徹することも可能かもしれません。
 大好きな彼との愛のあるSEXにあたたかな幸せを感じるのも、あなたの人生。生理的な嫌悪感を覚えるかもしれない“未来のダンナ”とのそれにずっと耐えていくのも、あなたの人生。選ぶのはあなた自身なのです。

めざすは楽チンな専業主婦。家事は得意じゃないけど、愛があれば大丈夫ですよね?

愛を永続させるには努力が必要なんですから。その為の努力も忘れずに。

 一部のブルジョワ階級か、実は仕事したいのに失業中か、フランスにおいて専業主婦は2割の少数派であることは間違いありません。バブルの前の世代までは、日本でも「専業主婦(学歴あっても)」という選択肢が女性にありました。けれどここまで少子高齢化が進んで、移民の労働力まで求められる状況になってくると、時代錯誤といえるかもしれませんね。政府も企業も、出産育児後の女性の「勤労者としての社会復帰」を真剣に追求するようになってきているのです。
 家族の紐帯に経済的基盤をもってくるのは日本の特徴です。結婚のことを永久就職といった時代もありました。結婚相手の条件の中に「経済的に豊かな人」が上位で入っていたわけです。
  ちなみに結婚を「互いに自立した個の結合」と考えるフランスでは「性的魅力のある人」が一番。自分も働くのなら夫婦での家事の分担は当たり前。技術的・時間的な問題があればプロに外注すればいいでしょう。いずれにしてもフランスのお台所は常にピッカピカ、土足なのに床もピッカピカ、アイロンがけは下着まで。かなりストイックです。

三食昼寝付きなんて甘すぎる。

 専業主婦で時間だってあるのに「家事はしないでいい」という旦那様もいるでしょうね。それは個人間の問題だから誰が文句をいう筋合いのものでもありません。
 でも、ちょっと考えてみてください。夫婦の愛は永続的で、そんなに強固なものでしょうか?
 妻の座は法律でガードされていますが、相手の心まで縛ることはできません。経済的な自立がないと、往々にして社会的な自立も難しいといえます。もしも夫が浮気ではなく他の人に本気になった時、法を盾に居丈高に脅迫しても、内心ではそういう相手にしがみついているのかと思うと、自分が惨めになるとは思いませんか?ならば夫の心が離れないように自分はどういう行動をとればいいのか、常に頭を使い、全方位で考えるしかないでしょう。
  役割のプライオリティを探り出し、面倒でも手を抜かずにきっちり成し遂げることが必要だと思います。ちなみに役割のプライオリティとは、この場合ではSEXではありません。たとえば夫が家庭で心地よく過ごせるよう料理を工夫するとか家の中を常に綺麗に整頓するとか、そういうことです。昔の武士の妻を見習えとまではいいませんが、三食昼寝付きなんて甘すぎます。愛を永続させるには努力が必要なんですから。

フランス人のように結婚してからもずっとラブラブカップルでいたいです。何かコツはありますか?

コミュニケーションとスキンシップ、そして何より思いやり。

 パリの街角には、確かにラブラブな老夫妻(正確には老カップル)をたくさん見かけます。
 “ラブラブ”という表現にはとろけるような甘さで満ちてる印象がありますが、実はこれ、緊張感の伴う互いの努力の賜といえるでしょう。
 フランスの女性は、8割が社会に出て働いています。どこにどんな出会いが待ち受けているかわかりません。ましてやラテン民族。相手を失う危険は男も女も関係なしに、無尽蔵なのです。
 結婚してるかしていないかなど、ほとんど何の意味もなしません。裁判所は破綻した婚姻を手慣れた手順で解除するだけですから。ちなみに日本でも、近頃は有責主義ではなく、破綻主義で離婚を認めるようになってきたようですね。

「女」であることを、いつまでも忘れないで。

 お金持ちであるとか、家柄がいいとか、そんなのがラブラブの条件になるわけもありません。人間性やSEXなど、その人自身に惚れていることが前提として、長持ちカップルに秘訣を訊いてみると――。
 第一は、コミュニケーションの重視。あらゆることを徹底的に議論すること。時には喧嘩だってOKです。毎日あったことを隠さずに報告しあうことも必要です。
 第二は、愛情表現の習慣を崩さないこと。「愛してる」「大好き」と照れずに言葉をかけ、スキンシップを絶やさない。ダブルベット死守で満足度のあるSEXを堪能すること。50歳以上のフランス女性は更年期障害などをものともせず、9割の女性が月平均7〜8回のSEXを楽しんでいるといいます。もちろん子どもができても、ゆめゆめ互いに「パパ」「ママ」なんて呼びあってはいけません。
 第三は、二人の世界をロマンチックに演出していくこと。上級編では嫉妬をも軽いスパイスに変える“ジェラシーの変格活用”を駆使、これもマンネリ防止に大切なことです。
結論。年齢も子どものありなしも関係なく、男と女のセクシーさをいつまでも捨てないこと。何より相手を思いやる気持ちを大切にする。そういったところでしょうか。

もう相手に愛情はないのですが、世間体が悪いので離婚はしたくありません。毎日が苦痛です。

離婚はお互いの幸福を求めるための誠実な行為

 他人の価値基準に人生を委ねて感情を押し殺して生きるか、真の意味での幸福のために生きるのか、ですね。
 世間体をとるのなら、「単なる共同生活者なのだ」と割り切ってやっていく選択もあるでしょう。「結婚は契約」という概念が根底にあるので、それが良いか悪いかは別にして、フランスにだって仮面夫婦は存在します。夫婦合意のもと、それぞれが愛人を持っているケースも少なくありません。
 けれど、どちらかに愛情(=ほとんど性愛)がなくなれば離婚するのが一般的です。フランスでは半数以上の夫婦が離婚に踏みきり、多くは女性の方からから切り出しているといいます。フランス人の3分の1が離婚経験者、パリでは2分の1にのぼります。
 日本では「子はかすがい」で、夫婦関係が冷え切っても子どものために離婚しないということがままありますが、フランスではまったく違います。調査によれば、女性の7割以上が離婚を選び、子どものために踏みとどまるのは2割にもなりません。ほとんどの場合は次のパートナーを得ることになるので、子どもたちはその後、複合家族という新しい形態に組み込まれていきます。ただ、元夫や元妻との付き合いに関しては、じめっとしがちな日本よりも遥かにドライ。
 離婚はお互いの幸福を求めるためには時に誠実な行為であり、誰かから責められるべきこととはされません。体裁を取り繕おうとするために、愛のない結婚形式を続け、自己を偽ることこそ、恥ずべき行為とされています。
  さて、あなたはどうします?苦痛な毎日(ストレスは健康を蝕みます)を続けますか?毅然と決別し、未来に向かいますか?

「女の幸せ」は映画が教えてくれる!
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