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PICKUP『おばさん未満』の酒井順子さんにインタビュー!

「未婚・子ナシ・30代以上の女性」を“負け犬”と定義したベストセラー『負け犬の遠吠え』から約5年。その著者、酒井順子さんが新たに切り出したのは、“おばさん未満”な女性たち。最新刊『おばさん未満』(集英社)は、若者と中年の間で揺れる女性たちを鋭く分析し、“老い”への心構えを明るく提案したエッセーで、アラサー・アラフォー女子必読の1冊ともいえるその内容に、同世代の女性読者から大きな反響を呼んでいる。自らも40代になり、「老化盛りのお年頃」と言いながらも、自分のスタイルで生きる酒井さんが、今の心境を話してくれた。
Photo:chihiro.

“負け犬”から5年後の姿は、“おばさん未満”!?

――ベストセラー『負け犬の遠吠え』に共感した世代が、今、「アラフォー」と呼ばれもてはやれているが、またもこの世代の女性たちに現実を突きつける一冊が誕生しました。

「私自身が40代になって、とりまく環境や体の変化に老いを感じる状況を中心に書こうと思って、集英社WEB文芸レンザブローに『はじめての四十代』というタイトルで連載していたものです。昔と比べると、日本女性が“おばさん化”するのは、うんと遅くなっていますよね。今は、老いてはならない時代ともいえる。若く美しい外見を保つ努力するのが当たり前の時代。いつまでも若々しくいる楽しさと、その辛さの両方を『おばさん未満』には込めました」

――今作では、服装に髪型に声、ITから性欲まで、日常生活のさまざまな場面にみる、若者と中年の間にいる女性のジレンマを、明晰に、ユーモアたっぷりに語っています。同世代の女性が共感するエピソードが満載ですね。

「自分自身と親しい友人、日常生活の中でせいぜい半径5メートルくらいにいる人たちの事例ばかりなんですけど、その中にある事実というのは、みんなと共通の事実だったというか。同じ思いの人がいる、それがわかるだけでも安心できるのかもしれませんね」

――酒井さんにとって、衝撃的な“おばさん未満”なエピソードは?

「屋久島に遊びに行って、シミを発見した時ですね。32歳の初夏、5月。生まれて初めて老化の兆候というのを見た瞬間です。それまで肌のトラブル知らずだった私にとって、エポックメイキングな出来事でした(笑)。ロクに日焼け対策もせずに、屋久島で紫外線を浴びまくっていたんですよ、その時まで。自分の顔にシミができるなんて、考えてもみなかった。だから、突如出てきたシミを見つけてショックでしたし、すごく怖くなりましたね」

――自分の中の「老い」に気付いた恐怖感というのは、いまも?

「いいえ。忘れっぽい性質でもあるので、もうすっかり薄らいでしまいました(笑)。0(ゼロ)から1(イチ)になるのは大きな変化ですが、1が2になっても、3になっても、あんまり変わらないでしょう。38〜39歳の時が、一番煮え切らない感じがして煩悶としていたかもしれません。“30代です”というのもおこがましい気がしていたし。40歳になって、“40代です”と応えられるようになって少し気が楽になったというか。ただ、40代になったらもうシミもシワも気にならなくなるかと思ったら、そういうわけでもないのだけれど・・・」

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酒井順子
Sakai Junko
1966年生まれ、東京都出身。高校在学中より雑誌にコラムを執筆。立教大学社会学部卒業後広告代理店に就職。3年間の会社員生活を経て退職、執筆業に専念。2004年『負け犬の遠吠え』(講談社)にて。第4回婦人公論文芸賞・第20回講談社エッセイ賞をダブル受賞。著書に『黒いマナー』『いつから、中年?』『ほのエロ記』など多数。現在、集英社WEB文芸レンザブローで「紫式部の欲望」を連載中。

『おばさん未満』
酒井順子
発売日:2008年09月30日
定価: 1,365円(税込)
発行:集英社
ISBN:978-4-08-771254-4
カバーイラスト:水森亜土 装丁:佐藤可士和
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