野菜ジャーナリストとして取材している中で、未来に伝えたい、と感じる
美味しい絶景に出会うことがあります。今回ご紹介したいのは、自然と人の知恵が作り出した天然の和菓子とも言える
干し柿づくりの現場です。
なかでも美しいことで知られる、山形県上山市にしかない
「紅柿」の
「柿のれん」が織りなす景色。その背景にあるストーリー、生産者さんに教えていただいた干し柿の意外な食べ方もご紹介しましょう。
紅色鮮やか&とろける食感の「紅干し柿」干し柿は、先人が編み出した渋柿を美味しく食べるための
知恵であり、
保存法のひとつ。食べたことがあっても、地域によって柿の種類や作り方に個性があること、その背景に計り知れぬ手間がかかっていることは、あまり知られていないのではないでしょうか。
山形県上山市は晴天の日が多く、「蔵王おろし」という寒風が吹く、干し柿づくりに絶好の気候風土に恵まれた土地。その上山市でしか育たないと言われるのが
「紅柿」です。名の通り、朱色がかった紅色が美しい柿で、葉も真っ赤に紅葉するのだそう。
また、日本でも一、二とも言われる
渋さをもつ渋柿で、その渋さゆえに干し柿にすると濃厚な甘さに。さらに繊維が細かいため、とろけるような食感で
極上の干し柿として知られています。