ひな人形、大人女性の需要高まる
2015-02-22 09:20 eltha
「少子化が進んでいますが、販売数についてはそれに比例せず維持をしており、祝う方の率が上がっていると推測されます」と語るのは、日本人形協会・広報委員長の倉片順司さん。その一端を担っているのが、大人の女性たち。「子育ても仕事もひと段落した60歳前後の方が、自分への労いとして購入されていくことが多いと思います」(同)。
人形製造の「久月」でも、5〜6年前から大人女性たちの動きが目立ってきたという。「戦争で焼けてしまったり、持っていなかったという60代以上の方が主で、ほかには、インテリアとして飾るという20〜30代の方もいらっしゃいます」(広報部)。初節句用の明るい現代感覚のものよりは、「(男雛と女雛がペアになった)親王飾りは、伝統的で古典的なものが売れているようです」(同)。中でも、木製の木目込人形の立雛は人気が高いという。
日本橋三越本店でも、インテリア感覚でひな人形を購入していく40〜70代女性が増加している。「作家作などの特別感がある一点物や、コンパクトで収納しやすい物、落ち着いた色彩で高級感のある物などが人気です」(リビング営業部)。売れ筋の価格帯は5000〜50万円とさまざま。値段にはこだわらず、気に入ったデザインを選ぶ傾向にあるようだ。ちなみに初節句用はというと、最近は“大人になっても飾りやすい”デザインやサイズの商品が人気だという。
近年のひな祭りは、桃の節句をイメージしたスイーツや、ホテルで楽しむ女子会プランなどの充実で、年齢を問わず祝う行事として親しまれている。“オンナの節句”として、今後さらに多方面で盛り上がりをみせていきそうだ。