「品格」本ブームが止まらない

 2006年に『国家の品格』(藤原正彦著/新潮新書)がベストセラーとなり、その年の流行語にもなって以降、「品格」という言葉がもてはやされている。昨年は、篠原涼子主演のドラマ『ハケンの品格』が高視聴率を上げ、最も売れた本は『女性の品格』(坂東眞理子著/PHP新書)で、240万部を突破。『男の―』『親の―』『会社の―』『横綱の―』etc.・・・と『○○の品格』と題した本が相次いで出版され、今年に入ってもその勢いが止まらない。




写真を拡大する
『女性の品格』(坂東眞理子著、PHP新書)


写真を拡大する
『腐女子の品格』(腐女子の品格制作委員会、リブレ出版)


写真を拡大する
『不倫の恋の品格』亀山早苗著、WAVE出版)



 オリコンが昨年12月発表した『年間書籍ランキング2007』で、昨年に最も売れた総合1位は、坂東眞理子著『女性の品格 装いから生き方まで』(PHP新書)だった。昨秋の初刷では1万4000部。1月現在54刷まで増刷を重ね、240万部を突破。読者の8割が女性で、「新書は女性には売れない」という出版界の“常識”を打ち破ったことも、驚きをもって受け止められた。

 「礼状をこまめに書く」「あいさつができる」「無料のものをもらわない」「恋はすぐに打ち明けない」など、ビジネスから装い、話し方、恋愛にいたるまで、女性としての振舞い方を具体的にアドバイス。「学校や職場でも、優秀で元気なのは女性ばかり。だからこそ、従来の男性とは異なる価値観、よき女性らしさを、職場や家庭に持ち込んでほしい」と著者は語っている。

 昨年12月には、続編『親の品格』が発売され、「悪口は言わない」「子どもの機嫌を取らない」など、親子のあり方を66例で示し、こちらも快進撃が続いている。

 2008年になっても【○○の品格】本の出版が相次いでいる。

 『ヤマダ電機の品格―No.1企業の激安哲学』(立石泰則著、 講談社)は、ヤマダ電機を業界ナンバー1に押し上げた山田昇社長の激安哲学を取材。山田社長の自伝的な内容ではなく、むしろ問題点を指摘して、“あるべき姿”を考えさせる。家電量販店業界の歴史も学べる一冊。

 『横綱の品格』(双葉山定次著、ベースボール・マガジン社新書)は、かつて日本国中の憧れの的だった屈指の大横綱・双葉山(時津風定次理事長)が、自分の人生を振り返りつつ相撲求道の軌跡を示した。朝青龍の言動や序ノ口力士の死亡事件など、問題続きということもあって関心を呼び、売れ行きも好調だ。でも、実は約30年前の1979年に出た『相撲求道録』の改題改訂。

 「女の人生は良妻賢母だけじゃないんじゃないの?」と、オタクの女性版ともいわれる『腐女子(ふじょし)の品格』も登場。「腐女子」とは、主に男性同士の恋愛を描いた作品を好む女性を表す言葉で、そういう女性たちがなかば自嘲的に使い始めたもの。恋も萌えも楽しみ、自分らしく社会に適応している腐女子の実態を、エッセイマンガや投稿ネタなどを交えて紹介。腐女子ライフを理解するための入門書にもなっている。

 2月中旬には、『不倫の恋の品格』(亀山早苗著、WAVE出版)が発売予定。「会うときにマリッジリングはつけたままでいいのか?」「不倫はプラトニックな関係のほうが『上品』か?」など、実例を交えて「品格」を語る。自由になれない不倫の恋こそ、試されるのは「品格」とのこと。

 なぜ、今、こんなにも「品格」なのか。

 女性として、男として。親として、子として。会社員として、社長として。どんな風に生きたらいいのか、基準がない今の時代、“あるべき姿”を示すと同時に、“あるべき姿”に近づくための手だてを示してくれる【○○の品格】本の数々。

 本読んで、思わず我が身を振り返る。現実はそんなに簡単ではない。腐女子な一面を持っていたり、不倫の恋をしていたりもするわけで・・・。「品格」とは、ありのままの自分を否定しないことから始まるのか。自分自身のプライドを保つためのものなのか。結局は本人の心持ち次第?個人の数だけ「品格」があるのなら、ブームはまだまだ続きそうだ。

タグ
シェア Google+
美女賢磨 モデルや女優の日常には“美の秘訣”が満載

注目★トピックス


おすすめコンテンツ


P R
FOLLOW US eltha最新情報をチェック
  • facebook
  • twitter
  • Youtube

オススメ記事