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【Brilliant Woman】尾野真千子、バイタリティーの秘密

2016-03-11 eltha

【Brilliant Woman】尾野真千子、バイタリティーの秘密

エベレストでの撮影は毎日が刺激的

――映画『エヴェレスト 神々の山嶺』(3月12日公開)では、伝説の登山家である元恋人・羽生(阿部寛)や彼を追う深町(岡田准一)の身を案じ、帰りを待ちわびるヒロイン・涼子を演じています。登山に命を懸ける男たちの物語の中で、涼子が女性目線を代表しているように思いました。
【尾野】 涼子はもともと山が好きだと思うんですが、自分の兄をはじめ関係が深い人はいつも山で死んでしまう。山を嫌いになりそうだけど、嫌いになっちゃいけないという感情もあるなかで、ひたすら待っているんですよね。私は最初、涼子としては待つことはつらくて良いことなんてひとつもないと思っていたんです。でもつらさを抱えながら待っているからこそ、帰ってきてくれたときの“嬉しい”という言葉だけでは表現できない素晴らしさと美しさを感じることができる。待つことで生まれる美しさと悲しさを、涼子を通じて感じ取ってもらえたら嬉しいです。
――今作では実際にエベレストに登っての撮影が行われましたが、過酷な撮影に対して迷いはなかったですか?
【尾野】 不安はありましたがめったにないチャンスですし、そういう環境で自分は役者としてどういう芝居をするんだろう?という楽しみがありました。迷いよりも楽しみの方が大きかったです。
――実際のお芝居はどうでした?
【尾野】 涼子が山に向かって叫ぶシーンは、台本を読んだだけだとすごく恥ずかしくて、芝居くさくなるんじゃないかと心配だったんです。でもエベレストを10日かけて登っていくなかで、セリフを繰り返し口にするうち、いつの間にか涼子の気持ちに寄り添えるようになって。“クライマーズ・ハイ”という言葉がありますが、それに近いものが実感できました。過酷な場所でのお芝居は呼吸することも苦しくて、ほんの一歩進むだけでもゼーゼー、ハアハアして大変。でも、その苦しさによってアドレナリンが出て、もっと苦しくしてほしいという感覚もあって…。精神的にも強くなった気がします(笑)。

大自然の中で育った経験が仕事に還元されている

――エベレストにいるときはどんな感覚でしたか?
【尾野】 毎日、毎日、感動がありましたね。トイレひとつとっても感動するんですよ。大自然の中でこれも大地の肥やしになるんだと思ったり(笑)、雪解け水がおいしかったり。東京では体験できないこと、感じられないことが本当に楽しかったです。また、晴れているとエベレストに太陽の光が当たってキラキラ輝いたり、風が吹いたり、雪が降ったり。山の表情がどんどん変わっていくところにも感動していました。

──現場では、尾野さんが一番元気だったと伺いました(笑)。
【尾野】 日に日に元気になっていたかもしれないです。頂上に近くなると気圧とか過酷な状況が重なって、体重は3キロくらい減ると聞いていましたが、私はたぶん3キロ増えました(笑)。山なので食事を残してはいけないと思ったり、今食べておかないと何かあったときに困ると思ったりして、お腹いっぱい食べちゃったんです(笑)。

――すごいですね! 奈良の大自然の中で生まれ育った尾野さんのたくましさを感じます。
【尾野】 自然児ですからね(笑)。遊具や公園がない環境だったので、木でのぼり棒や鉄棒を作ってもらったり、畑の土を触ったり。大自然の中で遊びながら育ったんです。

――そういう経験は、女優として活きていると思いますか?
【尾野】 ロケに行ったとき、危険な場所を危険と感じたり、風を感じて気持ちいいと思ったりとか、そういう感覚はすごくリアルです。もしかすると、それが芝居にも活かされているかもしれないですね。

――本作でも、自然の力を感じましたか?
【尾野】 エベレストの土地を踏んだからこそ出せる声や感じ方、息遣いがあったと思います。つらかったらつらい、楽しかったら楽しい。そういうことを芝居に出せたんじゃないかと思っています。

(文:加藤 恵/写真:鈴木 一なり)

Profile

尾野真千子 ― Machiko Ono ―
 1981年11月4日生まれ、奈良県出身。中学3年生の時に河瀬直美監督に見出され、1997年公開の映画『萌の朱雀』で女優デビュー。初主演を飾った同作は、カンヌ国際映画祭カメラドール賞(新人監督賞)を受賞し話題に。河瀬監督と再びタッグを組んだ主演作『殯の森』(07年)はカンヌ国際映画祭グランプリに輝いた。2011年後期のNHK朝ドラ『カーネーション』でヒロインを演じると、その人気は一躍全国区に。その後もドラマ『Mother』』(日本テレビ系)や『最高の離婚』(フジテレビ系)、映画『クライマーズ・ハイ』、『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』、『そして父になる』、『きみはいい子』など数々の話題作に出演し、演技派として存在感を発揮している。

作品情報

『エヴェレスト 神々の山嶺』
 1993年、ネパールの首都・カトマンドゥ。山岳カメラマンの深町誠(岡田准一)は、立ち寄った骨董屋で1台の古いカメラと出会い、それが1924年にエヴェレストの初登頂を目指しながらも行方不明になったイギリスの登山家、ジョージ・マロリーのものである可能性に気付く。これは山岳史の謎を解くカギになるかもしれない。スクープを追う深町は、その過程で数年前に消息を絶った孤高の天才クライマー・羽生丈二(阿部寛)に出会い、いつしかその男の生きざまに翻弄されていく…。“映像化不可能な小説No.1”と言われ続けてきた、夢枕獏の世界的ベストセラー『神々の山嶺』(集英社)が待望の映画化。

監督:平山秀幸
出演:岡田准一、阿部寛、尾野真千子、ピエール瀧、甲本雅裕、風間俊介、テインレィ・ロンドゥップ、佐々木蔵之介ほか
2016年3月12日(土)全国ロードショー
公式サイト:http://everest-movie.jp/

(C)2016「エヴェレスト 神々の山嶺」製作委員会

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