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“桜大仏”に“大雛曼荼羅”も!奈良「壷阪寺」は眼病封じの寺

2022-03-09

奈良県高取町にある「壷阪寺」は、御本尊十一面千手観世音菩薩の眼病平癒の信仰が厚く、人形浄瑠璃『壷坂霊験記』でもその霊験が説かれています。境内には堂塔伽藍に加え、天竺渡来の壷阪大佛や大観音石像、大涅槃石像などがあり、桜の開花時期には、まるで桜の衣を纏ったような「桜大佛」を見ることができます。さらに高取町の「町家の雛めぐり」とコラボした「大雛曼荼羅」も開催。壷阪寺で、大和路の春を満喫してみませんか?。

古来より眼病封じの寺として知られる「壷阪寺」

写真:モノホシ ダン

眼病封じの寺として知られる「壷阪寺」は、703年(大宝3年)、弁基上人によって開かれた霊山で、正式には「壷阪山南法華寺」といいます。西国三十三ヶ所観音霊場の第6番札所で、御本尊十一面千手観音菩薩は、眼病に霊験あらたかな仏として広く信仰され、説話『壷坂霊験記』のお里・沢市の話はあまりにも有名です。
桜のシーズンになると約300本の桜が、境内を包み込むように咲き誇ります。写真は、桜に囲まれた「壷阪大佛」です。

写真:モノホシ ダン

仁王門から本堂に続く階段の手前には、優美な姿の多宝塔、さらにその奥には、境内の建造物の中で最も古い建物のひとつである三重塔があります。三重塔は、室町時代の1497年(明応6年)に再建され、重要文化財に指定されています。
三重塔を建立したのは、当時、この地域を支配していた戦国大名越智氏で、その後、筒井氏との抗争で寺は猛火に包まれ、ほとんどの御堂は焼失しました。しかし、この塔は兵火を免れ、それ以来、火難除けの塔、塔内にある大日如来も火難除けの仏として信仰されています。

写真:モノホシ ダン

なお、壷阪寺には、インドで壷阪寺が行った奉仕事業の尽力に対する返礼として、天竺渡来の石像が数多くあります。写真の大石佛群もそのひとつで、中央の「壷阪大佛」と呼ばれる天竺渡来 大釈迦如来石造は、2007年(平成19年)11月に開眼したもので、身丈10m、高さ5mの台座の上に座っています。
ほかに、御前立として十一面千手観音菩薩石像(身丈3.3m、台座1.5m)、文殊菩薩石像(身丈3m、台座2m)、普賢菩薩石像(身丈3m、台座2m)が居並び、まばゆいばかりの輝きを放っています。

壷阪寺の春限定の光景「桜大仏」とは

写真:モノホシ ダン

また、壷阪寺で桜の時期だけに見られるのが「桜大仏」です。先ほどご紹介した「壷阪大佛」の周囲にも桜が植えられて、大仏様と同じ目線になれる位置に上がると、桜の花びらに埋まり、その間からちょうどお顔だけが現れます。まさに「桜大仏」の名にふさわしい春限定の光景です。

写真:モノホシ ダン

さらに高い位置に上がると、大石佛群と堂塔伽藍を見渡すことができます。壷阪大佛の左手に建つ「天竺渡来 大石堂」は、インド・アジャンタ石窟寺院をモデルとし、延べ12万人の日本・インドの人々によって組み立てられた総重量1500tにおよぶ壮大な石の御堂です。最奥部には納骨室があり、納骨永代供養を行っています。

写真:モノホシ ダン

ほかに、天竺渡来の石像でぜひ拝んでおきたいのが、寺域の山の斜面に建つ「天竺渡来 大観音石像」と「天竺渡来 大涅槃石像」。「天竺渡来 大観音石像」は、高さ20m、全重量1200tで、1983年(昭和58年)3月に開眼したものです。3億年前の古石を使い、7万人のインドの石工が製作に携わりました。
「天竺渡来 大涅槃石像」は、1999年(平成11年)同じくインドから招来された全長8mの涅槃像です。涅槃像は、すべての教えを説き終えて入滅せんとするお釈迦様の姿を顕しています。
はるばるインドから招来された、大釈迦如来石像、大観音像、大涅槃像などで、遥かインドとのご縁を感じてみてください。

お里・沢市の夫婦愛の物語『壷坂霊験記』

写真:モノホシ ダン

冒頭でご紹介した『壷坂霊験記』は、盲目の夫とその妻の夫婦愛を描いた明治時代の浄瑠璃の演目です。盲目の沢市は、妻のお里が明け方になると出掛けていくのを不審に思い、ある日、妻を問い詰めます。じつは、お里はこの3年間、沢市の目が治るようにと壷阪寺の観音様に願掛けに行っていたのでした。
自分を恥じた沢市は、お里とともに観音詣りを始めますが、自分がいてはやがてお里の足手まといになると考え、満願の日にお里に隠れて滝壺に身を投げてしまいます。そして、夫の死を知り悲しんだお里も、夫のあとを追ってやはり身投げします。
しかし、二人の夫婦愛を聞き届けた観音様の霊験により奇跡が起こり、二人は助かり、沢市の目も再び見えるようになりました。「お里沢市投身の谷」の前には、「お里 澤市の像」が建っています。

写真:モノホシ ダン

壷阪寺のご本尊が祀られているのは、本堂「八角円堂」で、繋がるように建っている「礼堂」(重要文化財)に入口があります。
八角円堂に祀られているご本尊の「十一面千手観音菩薩」は、「目の佛」として、広く信仰を集めています。古くは白鳳時代から壷阪観音として多くの人に親しまれ、桓武天皇などの皇族方の眼病も平癒されたと伝わります。
しっかりと眼を見開き、胸の前に手を合わせ法力を湛えた姿の十一面千手観音菩薩は、衆生救済の力強い意志を感じさせます。目に疾患を抱えている方は、眼病平癒を祈願して、ご利益をいただいてくたさい。

写真:モノホシ ダン

壷阪寺の祈願絵馬は、ご本尊の目の佛にあやかり「運のめが開くように」と2枚1組(1000円)になったものです。1枚は、御札に願い事と名前を記入して大絵馬に奉納し、もう1枚の御札は自宅に持ち帰る仕組みです。眼病封じのほかに、開運成就を祈願しましょう。

「壷阪寺夜桜ライトアップ」で幻想空間を満喫!

写真:モノホシ ダン

桜のシーズンの壷阪寺でもうひとつのお楽しみが「夜桜ライトアップ」です。

写真:モノホシ ダン

「桜大仏」のライトアップでは、思わず息を呑むような壷阪大佛の荘厳な姿を見ることができます。

写真:モノホシ ダン

さらに高い位置からは、漆黒の闇の中に浮かび上がる大石佛群と堂塔伽藍の眺めが見事です。この季節しか見ることの出来ない幻想的な夜桜の風景をお楽しみください。
<壷阪寺夜桜ライトアップの基本情報>
期間:2024年3月23日(土)〜4月3日(日)
※桜の開花状況により、日程が変更になる場合があります
点灯時間:18:00〜20:00
拝観料:無料(別途入山料)

高取町の「町家の雛めぐり」とコラボした「大雛曼荼羅」とは

写真:モノホシ ダン

また、奈良県内の同じ高取町の「町家の雛めぐり」(2024年3月1日〜3月31日)にあわせて、壷阪寺の礼堂・大講堂では「大雛曼荼羅(だいひなまんだら)」が公開されています。

写真:モノホシ ダン

2024年は、過去最高の4000体以上のお雛様。雛飾りの向こうには、御本尊「十一面千手観音菩薩」の姿が拝見できます。

写真:モノホシ ダン

さらに大雛曼荼羅が面白いのは、たくさんのお雛様の中にユニークなお雛様が何体も隠れていることです。会場には「左側雛壇 下から3段目」などと書かれたヒントがあり、それを頼りに探していきます。写真は、バックフリップするお雛様。
高取町の「町家の雛めぐり」とあわせて「大雛曼荼羅」も楽しんでみてはいかがでしょうか。
<壷阪寺・大雛曼荼羅の基本情報>
期間:2024年3月1日(金)〜4月18日(木)
会場:礼堂・大講堂の2ヶ所
拝観料:無料(別途入山料)

壷阪寺の基本情報

住所:奈良県高市郡高取町壷阪3番地
電話番号:0744-52-2016
入山料:大人800円(18歳以上)、小人200円(高校生以下)、幼児無料(5歳以下)
開門時間:8:30〜17:00 年中無休
アクセス:近鉄「壺阪山駅」下車、バスまたはタクシー利用
車利用の場合は、壷阪寺有料駐車場利用
2024年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
壷阪寺(外部リンク)
https://www.tsubosaka1300.or.jp/
江戸時代の風情が残る街並み!奈良・高取町「土佐街道」を歩く
https://www.travel.co.jp/guide/article/45766/
第18回 町家の雛めぐり(外部リンク)
https://sightseeing2.takatori.info/hinameguri2024/

【トラベルjp・ナビゲーター】
モノホシ ダン

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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