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黄金と祈りの場 ドイツ「シュヴェービッシュハル」コムブルク修道院

2021-01-08

疫病、飢餓、戦災。不幸が起きた時、中世ヨーロッパの人々は神に祈り、助けを求めてきました。助けを求めるなら、災いから守ってくれる城砦付きの修道院、心強いですよね。そんな俗世の心も反映した美しい修道院が、シュヴェーヴィッシュ・ハルの「コムブルク修道院」。争いに備えた頑強な城壁、塩の交易で栄えた美しい白亜と黄金の教会。戦災で焼かれずに済んだ立派な町並みと共に、神に愛された町をご紹介します。

塩と泉の街 シュヴェービッシュ・ハル

写真:藤 華酉

シュヴェービッシュ・ハルは、ドイツ南部。シュトゥットガルトやニュルンベルクから1時間程の距離にあります。中世の木組みの家が多く残る、川のほとりの可愛らしい町です。現在でこそ新幹線の止まらないこじんまりした町ですが、遥かケルト人の時代から、この場所は最重要拠点でした。

写真:藤 華酉

なぜならここには塩水が湧くため。人体に塩は欠かせないものですが、海の遠い土地においては、地面から湧く塩水はまさに神の恵みでした。シュヴェービッシュ・ハルで生産される塩は高額で取引され、町に莫大な富をもたらします。
現在においても塩を含む水は湧き続けており、健康に良い塩水浴場として、人々に愛されています。

コンブルク修道院と黄金の教会

写真:藤 華酉

塩で裕福になったのは、町に暮らす商人ばかりではありません。町からバスで10分程、町を見下ろす丘の上に建つ「コンブルク修道院」の威風堂々とした姿も、当時の富を想像させてくれます。

写真:藤 華酉

教会内は白亜の壁に、黄金の装飾。黄金のシャンデリアが下がる、夢のように美しい内装です。頑強なロマネスク風の建築ながら、内装はバロック式の、天上のような華やかさを鑑賞する事ができます。

写真:藤 華酉

また、この教会は二層に分かれています。白亜の教会は上の層。下の層は11世紀に作られた、完全にロマネスク様式の中世初期の教会です。
壁にはぐるりと保存状態のいい墓石が飾っており、そこに眠る人の彫像を眺めると、当時の人々の職業や服装から、自然と中世の暮らしぶりが浮き上がって来るようです。

頑強な要塞は何の為?眺め抜群の城壁

写真:藤 華酉

コンブルク修道院を訪れたなら、周囲をぐるりと巡る強固な城砦が目に留まる事でしょう。この屋根付きの城壁は今でも上に登る事ができ、自然豊かな風景を一眺する事ができます。
修道院にこれ程強固な城壁がある理由は、ここが11世紀以前は貴族の城だった為。元々は周辺国との戦争の為の場所だったのです。丘が修道院へと変わった後も、修道院の富を狙う人々、または町が攻め込まれた際の町人の避難場所として、城壁は拡張と補強が続けられていきました。
<基本情報>
住所:Comburg 5, 74523 Schwäbisch Hall
電話番号:+49-7919-3020-82

パリッと美味しいグルメ&ワインをお忘れなく!

写真:藤 華酉

修道院が栄えるドイツの町では、しばしば美味しいものが食べられます。宗派にもよりますが、修道院では食べる事以外に楽しみがないとか、断食期間があるので余計に普段の食事が楽しみなのだとか。
まずは手軽に食べられる、「フラムクーヘン」は外せません。これはドイツ風のピザで、薄いピザ生地の上にサワークリームを塗り、たっぷりのタマネギとベーコンを乗せた料理です。パリッパリ、サックサクの食感で、この地方で作られる爽やかな白ワインにぴったりの味わいです。

写真:藤 華酉

ドイツ修道院料理の代表、洋風餃子のマウルタッシェも日本人好み。もちもちした小麦の皮に、ひき肉やチーズが包まれた料理です。

白亜と黄金の修道院へ

ドイツには数多くの観光地がありますが、ひとたび地方へ出向くと、まだ世界に知られていない文化遺産が多くあります。塩が育んだ中世の街並み。白亜と黄金の修道院。遥か1000年前の建築と、今でも愛される素晴らしいグルメ……。ぜひ足を延ばして、ドイツ人が愛するドイツの歴史が残る中世の町をお楽しみください。
2021年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
コンブルク修道院公式サイト(外部リンク)
https://www.kloster-grosscomburg.de/start

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藤 華酉

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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