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龍神様を祀るパワースポット!奈良・室生龍穴神社と吉祥龍穴

2022-12-03

奈良県宇陀市の女人高野・室生寺の奥に鎮座する「室生龍穴神社」は、水を司る龍神を祀る古社で、室生寺よりも古い歴史をもっています。この古社からさらに山の中には、巨大な岩山の洞穴に龍神が棲むと伝えられる「吉祥龍穴」があります。古くから雨乞いの儀式が行われてきたパワースポットを室生寺とともに訪れてみませんか?

雨乞いの神として知られる「室生龍穴神社」

写真:モノホシ ダン

女人高野・室生寺から室生川沿いに約1qさかのぼったところにある「室生龍穴神社」は、創建年代がわからないほど古い歴史を誇り、神仏習合の時代には、室生寺とは鎮守社と神宮寺の関係でした。
室生龍穴神社の鳥居の前には、樹齢約600年以上といわれる二本の大杉が聳え立ち、あたかも龍穴神社の一の鳥居のようです。

写真:モノホシ ダン

室生龍穴神社の境内には、杉の古木が立ち並び神さびた雰囲気が漂います。龍穴神社は、平安時代にまとめられた『延喜式神名帳』にも記載された古社で、雨を司る神(タカオカミノカミ)を祭神としており、背後の渓流にある岩窟を龍王の棲む「龍穴」として祭祀したことが起源です。

写真:モノホシ ダン

室生龍穴神社に祀られている龍神様は、もともと奈良の興福寺の近くの猿沢池に棲んでいました。
ところが、奈良時代に帝の寵愛が薄れたことを悲嘆した采女(うねめ)が池に身投げをするという有名な事件があり、喧騒や穢れを嫌った龍は春日山の山中に潜み、さらに室生にやってきたと伝わっています。

大きさと神さびた雰囲気に圧倒される「連理の杉」

写真:モノホシ ダン

拝殿前に佇む阿形の狛犬の足元には、サッカーボールを連想させる鞠が置かれています。いっぽう、対をなす吽形の狛犬の足元には子獅子がおり、どちらの狛犬もとても微笑ましいです。

写真:モノホシ ダン

室生龍穴神社の拝殿は、室生寺の般若堂を移築したもので、扁額には、雨乞いの対象である龍王のうちの一尊「善如龍王社」の文字があります。
拝殿の奥にある、朱塗りの本殿(県指定文化財)は、江戸時代の1672年(寛文12年)に春日大社若宮の社殿を移したものです。

写真:モノホシ ダン

巨杉が林立する境内の中でひときわ目を引くのが「連理の杉」です。2本の杉の根元が一体化したもので、夫婦杉とも呼ばれています。その形状から、夫婦和合・家庭円満・家運隆昌などの御神徳がいただけるとして、広く庶民の信仰を集めています。
<室生龍穴神社の基本情報>
住所:奈良県宇陀市室生1297
アクセス:近鉄室生口大野駅からバスで約19分「室生龍穴神社」バス停下車すぐ
車利用の場合は、名阪国道針ICより約30分。周辺有料駐車場利用

豪快に2つに割れた巨石が佇む「天の岩戸」

写真:モノホシ ダン

室生龍穴神社を参拝したら、奥宮にあたる「吉祥龍穴」に行ってみましょう。龍穴神社からは、室生川に沿うようにして走る県道28号線を室生寺と逆方向に約500mほど進むと、吉祥龍穴と書かれた案内板と山道が見えてきます。
この分岐点から吉祥龍穴までは約800mの上り坂で、途中には「天の岩戸」とそれを祀る小さなお社があります。

写真:モノホシ ダン

天照大御神を祀る天の岩戸で、ぜひ見ておきたいのが豪快に2つに割れた巨石です。苔むした2つの岩の間には、注連縄が渡されていて、三重県の伊勢市にある二見浦の夫婦岩を連想させます。

写真:モノホシ ダン

天の岩戸を過ぎるとやがて「吉祥龍穴」と書かれた看板と白い鳥居が見えてきます。

龍神の息吹を感じられる「吉祥龍穴」

写真:モノホシ ダン

鳥居をくぐり、川の方へつづら折りの階段を降りて行くと、屋根のついた遙拝所があり、そこから川の対岸にある吉祥龍穴を拝することができます。なお遙拝所は、土足厳禁なので用意されているスリッパに履き替えましょう。

写真:モノホシ ダン

室生龍穴神社の奥宮「吉祥龍穴」の一帯は、火山岩の収縮によって作られた柱状節理(ちゅうじょうせつり)という地形です。
吉祥龍穴は、柱状節理の下、ぽっかりと口が開いた洞穴で、注連縄が掛けられた洞窟の奥からは、ここに棲んでいると伝わる龍神の息吹が感じられます。

写真:モノホシ ダン

遙拝所から右手に目を向けると、巨大な岩盤の上を流れ落ちる滝「招雨瀑(しょううばく)」が見えます。吉祥龍穴の付近は、古代から龍神への祈りが捧げられてきた場所で、神聖な「磐境(いわさか)」とされています。
<吉祥龍穴の基本情報>
住所:奈良県宇陀市室生
アクセス:室生龍穴神社から徒歩約15分
車利用の場合は、吉祥龍穴の入口付近の路肩に駐車

室生寺のシンボル「五重塔」と龍神の関係とは

写真:モノホシ ダン

室生龍穴神社と吉祥龍穴を訪れたなら、龍穴神社から徒歩で約10分のところにある「室生寺」にもお参りしましょう。
室生寺は、奈良時代に山部親王(のちの桓武天皇)が病に倒れた際に、龍穴神社で病気平癒を祈願した興福寺の名僧・賢憬(けんけい)が桓武天皇の勅命により創建しました。
また一説には、飛鳥時代に天武天皇の発願により役行者が草創、弘法大師空海の再興との説もあります。高野山と同じ真言宗で、空海の開いた女人禁制の高野山に対し、早くから女性の参詣を認めたために「女人高野」とも呼ばれています。

写真:モノホシ ダン

室生寺のシンボル国宝・五重塔は、平安時代に空海が一夜にして建立したとの伝承があり、屋外に建つ五重塔では、国内で最小のものです。
五重塔と龍神との関係では、空海が日照りの時に、請雨法(しょううほう)を修した際に、ライバルであった賢憬の弟子の修円(しゅえん)が、国中の龍神を集めて塔の頂点にある水瓶に封じ込め妨害しました。
そこで空海は、インドのアナヴァタプタ池に棲む龍王を招請し、見事に雨を降らせたと伝えられています。後に両者は同一神とみなされ、善き龍王すなわち「善如龍王」と名付けられ、龍穴を棲み処としました。

写真:モノホシ ダン

なお室生寺の納経所では、室生龍穴神社の御朱印をいただくことができます。拝観の記念に授かってみてはいかがでしょうか。
<室生寺の基本情報>
住所:奈良県宇陀市室生78
電話番号:0745-93-2003
拝観時間:8:30〜17:00(入山は閉門30分前)
入山料:大人600円 子供400円
アクセス:近鉄室生口大野駅からバスで約15分「室生寺前」バス停下車、徒歩約5分
車利用の場合、名阪国道針ICより約30分 周辺有料駐車場利用

宇陀市で水の聖地をめぐる旅に出かけよう

いかがでしたか。室生龍穴神社や室生寺のある宇陀市では、ほかにも水を司る龍神を祀る宇太水分神社や、深谷龍鎮渓谷の龍鎮神社などがあります。この機会に、古来より人々に崇められてきた水の聖地をめぐる旅に出かけてみてはいかがでしょうか。
2022年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
龍穴神社(外部リンク)
https://yamatoji.nara-kankou.or.jp/01shaji/01jinja/03east_area/ryuketsujinja/
妙吉祥龍穴(外部リンク)
https://www.city.uda.nara.jp/shoukoukankou/2018ryuuketu-tuukoudome.html
女人高野室生寺(外部リンク)
http://www.murouji.or.jp/
奈良・女人高野「室生寺」もみじ祭りと紅葉ライトアップを満喫
https://www.travel.co.jp/guide/article/47199/
 珍しいモリアオガエルと仏像の宝庫!奈良・女人高野「室生寺」
https://www.travel.co.jp/guide/article/35506/

【トラベルjp・ナビゲーター】
モノホシ ダン

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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