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珍しい“桃”の神紋!和歌山・有田のパワースポット「須佐神社」

2023-05-20

有田(ありだ)みかんの産地として知られる和歌山県有田市にある「須佐神社(すさじんじゃ)」は、全国的にも珍しい“夏桃”を神紋とした神社です。御祭神は、八岐大蛇(やまたのおろち)を退治したと伝わる素戔嗚尊(すさのおのみこと)で、古来より海上安全守護の神として、また災難除の神として崇められてきました。有田で唯一の延喜式内社をお参りして、様々な御神徳をいただいてみませんか?

“夏桃”を御神紋とする「須佐神社」とは

写真:モノホシ ダン

須佐神社は、和歌山県有田市千田(ちだ)にある、由緒ある式内社(名神大社)で、鎮座地名にちなみ「千田宮」とも呼ばれています。創建は713年(和銅6年)で、大和国吉野郡西川峯より勧請されました。
御祭神は、武勇に優れた素戔嗚尊で、海に近いことから海上安全や災難除の神として、戦後は、交通安全の神としても人々から信仰されています。

写真:モノホシ ダン

二の鳥居から階段を上る途中には御神馬「須佐駿馬 瑞光」の像があり、胴には須佐神社の御神紋である“夏桃”が描かれています。
桃は、もともと魔除け・厄除けの果物といわれており、日本神話では素戔嗚尊の父君である伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が、妻である伊邪那美命(いざなみのみこと)を訪ねて黄泉の国へ行った帰り、黄泉の鬼に襲われたところを、桃の実を投げて撃退するという逸話が伝えられています。
つまり、神道では桃は鬼を祓う存在であり、かつ災いを祓うものです。この故事により須佐神社の紋は、全国的にも珍しい夏桃となっています。

写真:モノホシ ダン

御神馬像の近くにある歌碑は、江戸時代の1794年(寛政6年)に、国学者の本居宣長(もとおりのりなが)が須佐神社を訪れた際に詠んだものです。碑には「いたけるの 神のしきます 紀の国と いはふかぶろの 神の宮これ」と宣長の真筆が刻まれています。
紀の国を治めた五十猛命(いたけるのみこと)の親神の素戔嗚尊を祀っているのはこの宮であるとの意味で、「かぶろ」とは御親のことです。
五十猛命は日本神話に登場する神で、素戔嗚尊の御子とされ、日本の古称である“大八洲”に木を植えてまわった神であることから、「木の神」とされています。このため参道には、五十猛命を祀る県内の伊太祁󠄀曽神社(いたきそじんじゃ)の遙拝所もあります。

季節の花で彩られた須佐神社の「花手水」

写真:モノホシ ダン

本居宣長の歌碑を過ぎて、三の鳥居をくぐると絵馬堂の手前に薬医門形式の「裏門」が建っています。裏門の屋根にも神社の紋を模した桃瓦の装飾があります。

写真:モノホシ ダン

その裏門の脇には季節の花を浮かべた花手水があり、SNSなどで話題の須佐神社のインスタ映えスポットとなっています。

写真:モノホシ ダン

撮影を楽しんだら、一旦、視線を外して反対側を見てください。西側に視界が開けており、ここからは有田地域で生産されている温州みかん園の絶景が望めます。有田では、傾斜地のみかん園のほとんどが、石垣階段型の畑となっています。

“蛇”をイメージした太い鈴の緒が印象的な「鈴門」

写真:モノホシ ダン

花手水や絶景を満喫したら、大きな割拝殿風の「絵馬堂」を通って拝殿へ向かいましょう。

写真:モノホシ ダン

絵馬堂の内部には、その名のとおり、多数の絵馬が掲げられています。船を描いたり、船の模型を取り付けたりした絵馬も多く、海上安全守護の神として、漁業や航海に携わる人々からの崇敬が篤いことが窺えます。

写真:モノホシ ダン

拝殿の前にあるのが「鈴門(れいもん)」です。鈴門にも、桃を彫った扇形の扁額や桃を描いた提灯が掲げられています。なお、際立って太い鈴緒は“蛇”をイメージしています。
その姿から忌み嫌われることもある蛇ですが、神道では蛇は、十二支の一つであり、長寿でもあることから縁起の良い生き物とされています。

徳川吉宗の命により造営された「本殿」

写真:モノホシ ダン

本殿の前方には、祝詞殿と一体になった拝殿があります。須佐神社は、江戸時代には紀州藩主・徳川家累代の崇敬の社として崇められ、現在の社殿は、寛永・正保の頃(1624年〜1647年)に藩主・徳川頼宣が復興を図り元の姿に戻したものです。

写真:モノホシ ダン

祝詞殿の後方には、平唐門の中門が建ち、さらにその奥には一間社春日造の「本殿」が建っています。この威光を放つ本殿は、第五代紀州藩主の徳川吉宗の命により1711年(正徳元年)に造営されたもので、有田市指定文化財となっています。
なお、社宝としては吉宗公奉納の太刀(重文)、「因州住景長拵糸巻太刀(いんしゅうじゅうかげながこしらえいとまきたち)」を保管しています。

写真:モノホシ ダン

ちなみに須佐神社は現在、中雄山の中腹に鎮座していますが、かつては山上に社があり、海を望む西向きに鎮座していました。
ところが、江戸時代に編纂された『紀伊続風土記』によると、海上を往来する船が敬意を示さないと転覆させるなどの神威が発動したため、元明天皇の時代(707年〜715年)に海から見えない現在地に遷座されました。
眺望絶佳の須佐神社の旧御鎮座地へは、神楽殿横の登山道から徒歩で約20分で行くことができます。だだし険しい山道のため足元には十分お気をつけください。

社紋の桃をモチーフにした「桃みくじ」が楽しい

写真:モノホシ ダン

須佐神社の授与品では、やはり桃の紋が入った「災難除御守」や「交通安全御守」がおすすめです。

写真:モノホシ ダン

おみくじでは「桃みくじ」が楽しい。社紋の桃をモチーフにした張り子と陶器の2種類があり、底からおみくじを取り出したあとは、お部屋に置いておくと、災難除や交通安全など運勢を良い方向に導いてくれます。

写真:モノホシ ダン

御朱印は、通常の御朱印(右)と季節限定の御朱印があります。どちらも桃の押印やイラストがあしらわれています。
ほかにも、月替わりの御朱印や、八岐大蛇を退治する素戔嗚尊のアートな見開き御朱印もあります。参拝の記念に授かってみてはいかがでしょうか。

須佐神社(千田宮)の基本情報

住所:和歌山県有田市千田1641
電話番号:0737-83-0195
アクセス:JRきのくに線(紀勢本線)「箕島駅」から徒歩約30分
車利用の場合は、阪和自動車道「有田IC」から約20分、専用無料駐車場利用。
2023年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
須佐神社(千田宮)(外部リンク)
https://www.susajinjya.com/
和歌山県神社庁・須佐神社(外部リンク)
https://wakayama-jinjacho.or.jp/jdb/sys/user/GetWjtTbl.php?JinjyaNo=5005
和歌山・木の神「伊太祁曽神社」で紀伊国のルーツに触れよう!
https://www.travel.co.jp/guide/article/43470/

【トラベルjp・ナビゲーター】
モノホシ ダン

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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