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変わった雛人形もいっぱい!奈良・壷阪寺「大雛曼荼羅公開」

2025-02-19

女の子の健やかな成長と幸せを祈る年中行事「雛祭り」。その雛祭りに欠かせない存在が、華麗な時代衣装を身にまとった雛人形です。奈良県高取町の壷阪寺では、毎年春になると「大雛曼荼羅公開(だいひなまんだらこうかい)」というもよおしがおこなわれ、堂内にたくさんの雛人形が飾られます。その光景は圧巻そのもの!
今回は細部にまでこだわったユニークな雛人形が登場する壷阪寺の「大雛曼荼羅公開」をご紹介しましょう。

壷阪寺でもよおされる「大雛曼荼羅公開」

写真:乾口 達司

「大雛曼荼羅公開」のもよおされる「壷阪寺(つぼさかでら)」は、奈良県高市郡高取町にある寺院。本尊は十一面千手観世音菩薩で、眼病に霊験あらたかな仏さまといわれています。『南法花寺古老伝』によると、白鳳時代の703年(大宝3)、ここで修業をしていた元興寺の僧・弁基が愛用の水晶の壺を坂の上の庵におさめ、観音像を刻んでまつったのがはじまりであるとされます。その故事にちなんで「壷阪寺」と呼ばれるようになりました。
平安時代以降は、西国三十三所霊場の一ケ寺(第六番札所)として、多くの参詣者を集めています。浄瑠璃に詳しい方であれば、盲目の夫・沢市とその妻・お里の夫婦の物語を描いた『壺坂霊験記』ゆかりの寺院として、ご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
大雛曼荼羅公開は、本堂前に位置する写真の礼堂(国の重要文化財)がメイン会場となっています。

写真:乾口 達司

礼堂の内部は、ご覧のとおり。三方に設けられた雛壇におびただしい数の雛人形が並べられています。その数は約3500体!圧巻の光景ですよ。

写真:乾口 達司

礼堂の北面は、ご本尊が安置された本堂とつながっています。したがって、雛壇を通してご本尊を拝することも可能。
雛人形とご本尊との組み合わせは「大雛曼荼羅公開」ならではの光景です。

じっくり見よう!風変わりな雛人形の数々

写真:乾口 達司

雛壇には、お馴染みの男雛・女雛・官女・五人囃子・随身などが、その部類ごとに整然と並べられています。しかし、よくご覧になると、それだけではない風変わりな雛人形も混じっています。
たとえば、こちらは「スナックひな」でくつろぐ雛人形たち。マイクを握り、「スナックひな」のママさんとデュエットをしている雛人形や、拍手をしている雛人形たちの様子が表されています。

写真:乾口 達司

こちらはお寿司や酒類を持ち込み、「左近の桜」を肴に、お花見をしている場面が表されています。
楽しそうですね。

写真:乾口 達司

かと思えば、一団の片隅には、一人、お団子を食べようとしている雛人形がいます。この方はお酒よりも甘いものがお好きなのでしょうか。
顔を赤らめたお隣の方が、その方をとがめようとしてにらみつけている様子、ユーモラスですね。

こんなところにあの方々が!有名人の姿

写真:乾口 達司

有名人を模した雛人形も置かれています。
こちらは平安時代の女流作家・清少納言。しかし、なぜ、壷阪寺に清少納言の雛人形があるのでしょうか。それは清少納言が『枕草子』のなかで「寺は壷阪、笠置、法輪」と記し、壷阪寺の名を第一に挙げていることにちなみます。
こういった歴史上の有名人とのつながりを知る手掛かりとしても、雛人形は安置されているのです。

写真:乾口 達司

かと思えば、こちらには『ウォーリーをさがせ!』の主人公が!雛壇をじっくり見てみましょう。思わぬ人たちが隠れているかも知れませんよ。

細部までじっくり見よう!隠れたオモシロ雛人形

写真:乾口 達司

雛壇をじっくり見ていくと、ほかにもおもしろい演出の雛人形が随所に見られます。
たとえば、こちらの雛壇には、プリンを食べようとしている雛人形がいます。その喜びの表情に注目しましょう。

写真:乾口 達司

アンパンを食べている雛人形もいます。左の方はアンパンを横取りされたのでしょうか。あオオレのアンパン!そんな表情をしていますね。
よく見ると、右の方の口のまわりには、アンパンのあんまでついています。細部にまでこだわった演出、脱帽です。

写真:乾口 達司

五人囃子もビックリ!グランドピアノをひいている方までいらっしゃいます。

大講堂の雛壇

写真:乾口 達司

写真は、弘法大師像を本尊としてまつった大講堂堂内の雛壇。やはりおびただしい数の雛人形が並べられています。

写真:乾口 達司

大講堂の雛壇に並べられた雛人形も、遊び心にあふれています。
「ひなブギウギ」と題されたこちらの雛飾りは、2023年度後期に放映されたNHKの連続テレビ小説『ブギウギ』を題材にしたものでしょう。その年にちなんだものや出来事を題材にした雛人形が見られるのも、大雛曼荼羅公開の特色です。

写真:乾口 達司

雛飾りといえば、雛人形がメイン。しかし、大雛曼荼羅公開では、脇役である御輿入れ道具もご覧のように活用されています。牛車を平安時代のタクシーに見立てるアイデア、秀逸ですね。

奈良・壷阪寺「大雛曼荼羅公開」おもしろ雛人形を見つけよう

壷阪寺の「大雛曼荼羅公開」がいかに楽しいもよおしであるか、おわかりいただけたでしょうか。もちろん、今回、ご紹介した雛人形はほんの一例にすぎません。実際に壷阪寺に参拝し、ご自身の目で細部にまでこだわった風変わりな雛人形を見つけ、お楽しみください。
2025年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

【トラベルjp・ナビゲーター】
乾口 達司

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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