2025-03-05
3月も下旬になると、関西ではそろそろお花見の季節が到来します。京都では、東山や嵯峨野あたりにたくさんのお花見スポットがありますが、わざわざ郊外まで足を運ばなくとも、京都の市街地でお花見を楽しめるところもあります。「六角堂」の名で親しまれている「頂法寺」は、その代表格。
「京都のへそ」とも呼ばれる頂法寺の境内には大きな桜があり、訪れるものを楽しませてくれます。今回は頂法寺の桜をご紹介しましょう。
「へそ石」と呼ばれる石があることでも知られる「頂法寺(ちょうほうじ)」は、京都市中京区にある寺院。文字どおり、「京都のへそ」の位置にあるお寺です。
創建は飛鳥時代。淡路国岩屋浦に漂着した如意輪観音像を聖徳太子がみずからの念持仏としてまつったのが、そのはじまりであると伝わります。平安時代後期に入ると、観音霊場の一つとして知られるようになり、現在は西国三十三所第18番札所として、日々、多くの参詣者でにぎわっています。
華道に詳しい方であれば「池坊」ゆかりのお寺としてご存知ではないでしょうか。本堂の北側には聖徳太子が身を清めたと伝えられる池の跡があり、この池のほとりにあった僧侶の住坊が「池坊」と呼ばれることとなりました。池坊は頂法寺の住職を代々つとめ、ご本尊にお供えする花の意匠が発展して「いけばな」が成立しています。頂法寺はいけばな発祥の地でもあるのです。
そんな頂法寺は、京都の市中における桜の名所として知られています。お花見のシーズンになると、ご覧のように、たくさんのお花見客で賑わいます。境内の散策も自由。その点も頂法寺におけるお花見の魅力です。
本堂に当たる「六角堂」と桜との組み合わせは、頂法寺における桜の代表的な景観です。
頂法寺の本堂が「六角堂」と呼ばれている理由は、そのものずばり、お堂の形状が六角形であること。これは、如意輪観音像を念持仏とした聖徳太子が六角形のお堂を建ててご本尊を安置したことにちなみます。
現在の本堂は1877年(明治10)に再建されたものですが、再建以前のお堂もやはり六角形であったことが、近世以前の絵巻物に登場する本堂の造型からもうかがえます。
頂法寺の境内にある桜のなかでもっとも大きなものは、そんな六角堂の前に植えられています。樹高がかなり高いため、見る角度によっては、六角堂に重なり合うかのように枝を垂らしているように見えますよ。
こちらがその桜。うねうねと幹と枝を上方へ伸ばしており、何とも生々しい枝ぶりが見るものを圧倒します。
しかし、頂法寺の桜は、六角堂の前に生える桜だけではありません。境内の西側には、ご覧のような桜の並木もあります。こちらの桜は先ほどご紹介したものよりも赤みがかっています。
桜の足元には、石仏・石塔も居並んでいます。桜と石仏・石塔という組み合わせも、お寺ならではの光景ですね。
かと思いきや、シカも!もちろん、本物のシカではありませんので、ご安心あれ。しかし、シカと桜もマッチしていますね。
境内の東側にある桜の周囲に配置されているのは、十六羅漢像。羅漢とは、釈迦入滅の際、釈迦より仏教の保護を頼まれた弟子たちのこと。まさしくお寺の境内に配置されるのにふさわしい像であるといえるでしょう。
頂法寺といえば、桜以外に柳の木も有名です。頂法寺の柳は、嵯峨天皇とその妃となった女性との縁をとりもった木であることから「縁結びの柳」とか、地面すれすれまで伸びるその姿から「地ずり柳」とも呼ばれています。
桜と柳の組み合わせが見られるのも、お花見のシーズンならではの光景です。
頂法寺では、鳩がお寺のシンボルであるとされています。それにちなみ、絵馬にも鳩が描かれています。旅の記念に奉納してみてはいかがでしょうか。
頂法寺の桜がいかに魅力的か、おわかりいただけたでしょうか。京都の市中にあるということもあり、アクセスはきわめて快適です。お花見のシーズンには頂法寺を訪れ、春の到来を実感してみてください。
住所:京都市中京区六角通東洞院西入堂之前町
電話番号:075-221-2686
拝観時間:朝6時〜午後5時
拝観料:無料
アクセス:京都市営地下鉄「烏丸御池駅」より徒歩約3分
※例年の見頃は、3月末頃から4月上旬です。
2025年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
■関連MEMO
紫雲山 頂法寺 六角堂(外部リンク)
https://www.ikenobo.jp/rokkakudo/
【トラベルjp・ナビゲーター】
乾口 達司
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