日焼け止めの「紫外線吸収剤」は肌に悪いって本当?紫外線散乱剤とどっちがいいの?

日焼け止めに含まれる紫外線吸収剤は、アレルギー反応を起こす可能性もあるため、肌に悪いというイメージをもつ方も多いかもしれません。しかし実際は、紫外線吸収剤にしかないメリットもたくさんあるのです。
そこで今回は、紫外線吸収剤が肌に及ぼす影響について解説。紫外線吸収剤と紫外線散乱剤それぞれのメリットやデメリットと併せて、おすすめの選び方についてもご紹介します。

紫外線吸収剤は肌に悪い?紫外線散乱剤との違いは?

一般的な日焼け止めには、紫外線吸収剤もしくは紫外線散乱剤と呼ばれる紫外線カット剤が含まれています。この紫外線吸収剤と紫外線散乱剤は、それぞれが違う働きで紫外線をカットします。また紫外線吸収剤と紫外線散乱剤には、両者ともに異なるメリットとデメリットが存在するのです。
◆紫外線吸収剤とは?ケイヒ酸系やベンゾフェノン系をはじめとした化学物質が肌表面で紫外線エネルギーを取り込み、熱等の別のエネルギーに変換することで紫外線をカットします。伸びが良く、白浮きもしないため、メイク前でも使用しやすいというメリットがあります。
ただし安全性は確認されているものの、肌の上で分解され刺激物質となることで、ごく稀に肌荒れが生じる可能性もあります。またサンケア指数が高くなるほど、熱も発生しやすいため、人によってはほてりを感じる場合もあるかもしれません。
◆紫外線散乱剤とは?酸化チタンや酸化亜鉛を配合することにより、物理的に紫外線を反射する働きがあります。ノンケミカル処方とも呼ばれ、かぶれ等の症状も起きにくいため、肌負担を軽減して使用できるのが最大のメリットです。
ただし商品によってはきしみ感による乾燥が気になる場合も。またサンケア指数が高くなるほど、伸びが悪く、白浮きもしやすい傾向があります。

＜紫外線吸収剤は肌に悪いって本当?＞紫外線吸収剤は、肌の上で化学物質が反応を起こすため、人によっては刺激を感じる場合があるとも言われています。
しかし、現在日本で販売されている日焼け止めには、厚生労働省が使用を承認した紫外線吸収剤のみの配合が認められているため、国によって十分に検討が行われた安全性の高いものだけが使用されています。さらに現在は科学の進歩により、紫外線を吸収する際に肌への影響を及ぼさない設計の紫外線吸収剤も開発されています。
ごく稀にアレルギー反応が起こるからといって、紫外線吸収剤が必ずしも悪いものであるというわけではないのですね。なにより現在は、各メーカーが多くのデータに基づき、安全な日焼け止めを開発しているので、使用時に過度に心配する必要はありませんよ。

【あなたにおすすめはこっち】紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の選び方

紫外線吸収剤と紫外線散乱剤には異なるメリットがあるため、人により好みも分かれます。もしも自分に合う紫外線カット剤に悩んだ場合は、それぞれのメリットを比較したうえで、気に入る商品を選んでみましょう。
＜紫外線吸収剤がおすすめの人＞・日焼け止めは使用感第一で選びたい・みずみずしく伸びの良い日焼け止めを探している・紫外線対策もしつつ、メイクの仕上げも良くしたい
紫外線吸収剤の最大のメリットは使用感の良さです。基本的に紫外線吸収剤が含まれる日焼け止めは、伸びが良く、みずみずしい使用感が楽しめるため、ストレスフリーで使い続けることができます。スキンケア感覚で取り入れたい人には、まさにぴったりなのですね。
また紫外線吸収剤は、比較的白浮きしにくいため、その後のベースメイクの邪魔をすることもありません。朝のメイク前にも使用しやすいので、メイクをきれいに仕上げたい人にもおすすめです。

＜紫外線散乱剤がおすすめの人＞・比較的肌負担を軽減して使用ができる・紫外線カット効果の持続に期待ができる・トーンアップ効果でくすみ等をカバーする
ノンケミカル処方とも呼ばれる紫外線散乱剤は、肌負担を減らしながら使用できるのが最大のメリットです。季節の変わり目や環境の変化などで、肌がゆらぎやすい人にもおすすめの日焼け止めですよ。
また紫外線カット効果の持続に期待ができるため、紫外線吸収剤と比較し、こまめな塗りなおしを意識しなくて良いのも嬉しいポイントです。なお、紫外線散乱剤は白浮きするのがデメリットではあるものの、商品によってはトーンアップ効果に期待ができるため、光の反射によるくすみ等の色ムラもカバーできます。

紫外線吸収剤=悪者ではない!

イメージだけで悪者にされがちな紫外線吸収剤ですが、実は嬉しいメリットもたくさん備えた紫外線カット剤なのです。紫外線吸収剤と紫外線散乱剤には、それぞれ違った良さがあるため、両者の特徴をしっかり知ったうえで、自分に合う日焼け止めを見つけてみてくださいね。

LISA( 美容ライター)
《プロフィール》
2011年よりライター活動開始。コスメコンシェルジュ資格取得後、美容ライターとしても活動を開始する。
スキンケアを中心に数多くの美容コラムを執筆。一人ひとりの肌質や生活スタイルを想定したうえで、適切なケア方法を導き出すコラムを得意とする。
プライベートでは、デパコスからプチプラコスメ、ドクターズコスメ、海外コスメなど、ジャンルを問わずに気になったアイテムはすぐに試すスキンケアオタクです。
《所有資格》
・日本化粧品検定1級
・コスメコンシェルジュ