2025-03-22
イタリア中部トスカーナ州の州都「フィレンツェ」は、古代ローマ帝国時代に町の建設が始まり、中世には毛織物&金融業で栄え、メディチ家統治下で15世紀にはルネッサンス文化の中心地となった世界遺産の町です。
この町の華やかな中心地の一つが「ドゥオーモ広場」。広場を取り囲むのはシンボル的存在のドゥオーモにジョットの鐘楼や洗礼堂、ドゥオーモ付属美術館!常に観光客が溢れる一角で、お得な共通パスで入場できます。
フィレンツェの中心地広場となるドゥオーモ広場に堂々とそびえるのが、シンボル的存在で荘厳な姿の「ドゥオーモ」。正式名称はサンタ・マリア・デル・フィオーレ教会で、花の聖母教会ともいわれ、かつてのフィレンツェ共和国の宗教の中心でした。
白・ピンク・緑の大理石を組み合わせた幾何学模様で覆われた外壁が見事な美しさ。どこからも目に留まる赤煉瓦の大クーポラはブルネッレスキによる設計で、まるで丘のようなどっしりとした存在感です。
ドゥオーモは1296年着工された巨大な建物で、奥行き153m、幅90m、一番高いところは107m。1436年の完成時には世界で最大の教会だった事で知られています。
約3万人が一堂に会することができる聖堂内は、外壁の華やかなさとは対照的で落ち着いた空間。クーポラ内側の素晴らしいフレスコ画をはじめ、ヴェネデット・マイアーノの十字架、ロッビアの彩色陶板によるレリーフなど必見で、二つの大きな騎馬肖像画も見逃せません。
地下にはサンタ・レパラータ教会跡があり、テラコッタタイルと大理石でできた床で覆い隠された見事なモザイクタイルの床が広がる中、レリーフの残る壁面や墓標が残されています。
一角にはメディチ家などの貴族や司教・聖職者、音楽家、功績のあった人々の墓石があり、クーポラの設計者ブルネッレスキのお墓も並びます。
<ドゥオーモの基本情報>
住所:Piazza del Duomo,50122 Firenze FI
電話番号:+39-055-230-2885
開場時間:10:15〜15:45(土曜日14:00〜15:45)
休館日:日曜日
天才建築家ブルネッレスキの代表作である大聖堂の見事なクーポラは、1436年完成。直径42mもある巨大な丸天井で、専用の入り口(正面ファザード玄関に向かって左奥に続く通り沿い)から指定されたチケットの時間に合わせて上ることになります。
目が回りそうになる程急な螺旋階段を含めた石造りの階段は463段。狭くて暗いので足元に注意して上りましょう。
階段を一段一段辛抱強く登っていくと、頭上に突然、素晴らしいフレスコ画が広がるギャラリーに出ます。
このフレスコ画は、1500年代にメディチ家のお抱え芸術家ジョルジョ・ヴァザーリが10人の弟子と共に描いた『キリストの最後の審判』がテーマとなっているドーム内側に描かれた壁画。これを手が届きそうなほど近くで鑑賞できるのもここに登る魅力のひとつ。大聖堂内をも見下ろせます。
ギャラリーからさらに階段を上るのですが、階段の煉瓦を組み合わせた壁はフィッシュボーン(魚の骨)の形になっています。これは、丸天井全体の重さを上手く壁全体で支えられる作用があるといわれています。
そして、途切れ途切れの狭い階段を上り続け、最後のまるで梯子状態の急な階段を登れば頂上に到着!そこに広がるのは、ジョットの鐘楼やメデイチ家の礼拝堂(国立美術館)、ヴェッキオ宮殿やバルジェッロ国立博物館など含む360度のパノラマ風景。ぐるりと狭い通路を一周できますので、苦労して上ってきた分、こちらでたっぷりそのご褒美を堪能してくださいね。
ドゥオーモのすぐ横にそびえ建つのは高さ約84mのジョットの鐘楼。ドゥオーモとおそろいの外壁装飾が美しい現役のゴシック様式の鐘楼です。今でも、昼の12時とドゥオーモで行われるミサの始まりと終わりの合図に、美しい鐘の音色が町中に響き渡ります。
ジョットという名前は着工が始まった1334年時の最初のマエストロ(建築総監督)の名前からつけられています。
この鐘楼には、414段の階段で展望テラスまで登ることができます。エレベーターはなく狭い石段を上っていくのですが、途中3か所で展望が開ける階があり、風景を楽しみがてら休憩ができます。
釣鐘が置かれた階まで来ると、展望テラスまではもうすぐ!もうひと頑張りしましょう。
最上階からは、ドゥオーモのクーポラを含むフィレンツェ旧市街の絶景が広がります。
<ジョットの鐘楼の基本情報>
住所:Via della Canonica,1,50122 Firenze FI
電話番号:+39-055-230-2885
開場時間:8:15〜18:45(土曜日14:15〜18:45)
ドゥオーモの正面に向かい合っているのがサン・ジョヴァンニ洗礼堂。白と緑の大理石でできたストライプ装飾の建物は、”洗礼の儀式”といわれるキリスト教に入信するための儀式が行われていたところで、ロマネスク様式で集中形式の教会建築のひとつです。
起源は4世紀〜5世紀で、現在の建物は11世紀に起工されました。屋根部分全体は1128年、頂頭部のランタンは1150年、司教座のある内陣は1202年の完成。1355年〜1375年まで改修が行われ、礼拝堂に入る前の洗礼場所として使われるようになりました。フィレンツェ出身の詩人ダンテ・アリギエーリもこの中で洗礼の儀式を受け、彼の神曲の中の詩篇にも登場しています。
堂内の床は一面のモザイク模様、壁面は外装と同じく大理石による幾何学模様が施され神殿風の飾り柱で支えられています。
天井には13世紀のモザイク画『最後の審判』をはじめ、聖書にまつわる多くの場面がモザイク画で描かれています。
<洗礼堂の基本情報>
住所:Piazza San Giovanni,50122 Firenze FI
電話番号:+39-055-230-2885
開館時間:8:30〜19:30(土曜日14:00〜19:30)
ドゥオーモを挟んで洗礼堂の反対側にあるのが「ドゥオーモ付属美術館」。大聖堂をはじめ洗礼堂やジョットの鐘楼などのために制作された、7世紀を越える歴史をもつオリジナルの芸術作品が収蔵されています。
1891年に博物館として開館、現在は「世界で最も重要な彫刻コレクションの1つ」といわれる作品がずらりと並びます。
館内には、ドナテッロやギベルティ、ランベルティなどによる15世紀初頭の重要な大聖堂の外観彫刻のオリジナルが保管されており、ミケランジェロが自分の墓のために作ったピエタ『堆積物』や、ドナテッロの木製の『悔悟のマグダラ』も含まれています。
また、中世後期とルネサンス初期の絵画や写本、祭服の織物、金属細工や教会のプレート、マイクロモザイク、聖遺物箱など、重要なコレクションも展示されています。
入り口から通路を通って入る最初の大きな展示室には、洗礼堂のために作られた東・北・南の出入り口3つの扉のオリジナルが保存されています。
そのうちの二つはロレンツォ・ギベルティによるもの。特に目を惹くのはドゥオーモの正面にある、神々しく金色に輝く東の扉!いわゆる『楽園の門』で、ここに描かれている物語は、アダムとイブの創造から始まり、ソロモン王とシバの女王の出会いで終わる10枚のパネルで構成されるものです。
<ドゥオーモ付属美術館の基本情報>
住所:Piazza de Duomo,9,50122 Firenze FI
電話番号:+39-055-230-2885
開場時間:8:30〜19:00(土曜日14:15〜19:00)
フィレンツェの中地の一つ「ドゥオーモ広場」には見どころが凝縮しています。ここでご紹介したスポットに入るにはドゥオーモ広場の共通パス「ブルネッレスキ・パス」がお得で便利です。ドゥオーモ出口の正面にある建物内に入るパス売り場で購入でき、同時にクーポラの予約もできます。ここでご紹介したスポットに加えて、ドゥオーモ広場からシニョーリア広場に向かうカルツァイ通りの中ほどにあるオルサンミケーレ教会にも無料で入れますので、ぜひご利用ください。
それぞれに入場するにはリュックなどの大きめの荷物は持ち込めません。ドゥオーモ(地下のサンタ・レパラータ教会跡を含む)とクーポラ、ジョットの鐘楼にはまとめて一つの荷物預かり所を利用しますが、付属美術館には専用の荷物預かり所が別にあります。ちょうどドゥオーモ背後にある建物内です。
フィレンツェは見どころがてんこ盛りの世界遺産の町。ドゥオーモ広場周辺だけでもあっという間に一日が過ぎてしまうほどです。心行くまで観光を楽しむには宿泊が必要となることでしょう。観光に便利で居心地よいホテルもMEMO欄に挙げておきますので、どうぞご参考になさってくださいね。
2025年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
■関連MEMO
ドゥオーモ付属美術館(外部リンク)
https://duomo.firenze.it/en/59/opera-duomo-museum
フィレンツェ「ホテル・ミア・カーラ&スパ」家庭的でメニュー豊富な朝食
https://www.travel.co.jp/guide/article/48822/
フィレンツェ「オテル アドラー カヴァリエリ」抜群の気配りで居心地満点
https://www.travel.co.jp/guide/article/48823/
サンタ・マリア・デル・フィオーレ教会(外部リンク)
https://duomo.firenze.it/it/scopri/cattedrale-di-santa-maria-del-fiore
【トラベルjp・ナビゲーター】
Hiroko Oji
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