2025-05-06
岡山県総社市といえば、岡山県南部に位置する街。古代の古墳や神社が点在する観光スポットとしてご存知の方もいらっしゃるでしょう。しかし、その珍しい名前がどこから来たか、ご存知ですか。今回は総社市の名前の由来ともなった「備中国総社宮(びっちゅうのくにそうじゃぐう)」をご紹介しましょう。
「備中国総社宮」は岡山県総社市に位置する神社。総社市の名前の由来となった神社です。おもな祭神は大名持命(おおなもちのみこと)や須世理姫命(すせりひめのみこと)。そのほかにもたくさんの神さまがまつられています。そして、たくさんの神さまがまつられていることが、総社宮の存在と深くかかわっています。
総社宮の創建時期は不明ですが、平安時代にはすでに存在していたとされます。古代、国司はそれぞれの国のすべての神社を巡拝するならわしとなっていました。しかし、何百とある各地の社を一社ずつまわるのは効率が悪いため、国府の近くに国内に点在する社を合祀した総社を設けて一括で祭祀をとりおこなうようになります。
今回、ご紹介する総社宮もそのようにして設けられた社の一つで、総社宮には、備中国に点在していた324社が合祀されています。たくさんの神さまがまつられているのも、そういった総社宮の性格に由来しているわけですが、逆にいえば、総社宮一社に参拝するだけで324の神さまにお参りすることになるのです。
写真は拝殿前の様子。総社宮を訪れたらまずは拝殿から神さまにお参りしましょう。
拝殿の前に立ち、お参りを済ませたら、上を見上げましょう。ご覧のような、豪壮な木組みに圧倒されますよ。
上を見上げながらあたりを見まわすと、軒にはご覧のようなお面も多数並べられているのが、おわかりいただけるでしょう。これは地元で舞われる備中神楽のお面。舞いの上達を祈願して奉納されたものでしょうか。備中神楽の地元ならではの光景ですね。
総社宮の建築上の特徴としては、拝殿に向かって伸びる長い回廊を挙げることができます。長い回廊といえば、総社宮から東に数キロのところにある吉備津神社の回廊を思い浮かべる方もいるでしょうが、総社宮にもご覧のような回廊があったこと、ご存知でしたか?
回廊の内側には無数の提灯がつり下げられており、独特な光景を現出させています。その不思議な雰囲気を堪能するという目的でも、ぜひご自身の足で回廊を歩いてみてください。
総社宮のもう一つの魅力は、境内に広がる庭園(総社市指定史跡)の意匠にあります。「三島式庭園」と呼ばれる形態を残した庭園は古代の様式をいまに伝えており、江戸時代、後楽園が築造される際、参考にされたといわれています。そのような目で総社宮の庭園をご覧になると、後楽園との共通点を見出すことができるはず。参拝の後は庭園をゆっくり散策してみましょう。
こちらは本殿裏手のあたりの様子。池の水は本殿の裏手まで広がっており、池にせり出すように立石も配置されています。
こちらはさらに裏手にある土盛りの上の様子。立石が屹立しており、立石を中心にしてとりおこなわれた古代の祭祀がしのばれます。
いかがでしたか?総社市の名の由来となった総社宮の意外な歴史と魅力をご理解いただけたと思います。JR東総社駅から徒歩5分ほどのところにあり、アクセスも快適。総社宮でその珍しい成り立ちに触れ、たくさんの神さまにお参りしてください。
住所:岡山県総社市総社2-18-1
電話番号:0866-93-4302
アクセス:JR東総社駅より徒歩約5分
2025年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
■関連MEMO
備中国総社宮ホームページ(外部リンク)
https://www.soja-soja.jp/
【トラベルjp・ナビゲーター】
乾口 達司
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