センター長小出宗昭が確立した支援手法を実践する日本全国の“ビズ”で毎月20組以上が起業 チャレンジする人増加の傾向
「お金をかけず」「知恵やアイデアを使い」「新たな価値を生み出す」支援を提供している、東京都国立市の公的産業支援機関くにたちビジネスサポートセンターKuni-Biz(くにビズ)の支援を受けてチャレンジするユニークな起業家が続々誕生しています。
70年代伝説のバンド「日暮し」のリーダーが経営「カフェシングス」
惜しまれ閉店も71歳の個性ある旧友3人組で事業を引き継ぎ再オープン!
フォークグループ日暮しのギタリスト、ボーカリストとしてヒット曲を輩出したのち、ジャズ評論家としても活躍していた武田清一氏がオーナーをしていたジャズ喫茶「カフェシングス」は、こだわりの音響設備と空間でボーカル曲を中心にジャズを楽しむくつろぎの空間を15年提供したのち、昨年5月に閉店しました。惜しんだファンのメンバーが、旧友2人―いずれも71歳に声をかけ、語らいの場として同店を残そうと協力して起業、武田氏から事業を引き継ぎ今年5月に復活させました。
カフェシングス 外観
カフェシングス 店内
近年離職の目立つ公務員にも働き方改革を、メンタルヘルスケアをサポートしたい!
都職員歴14年の経歴と定評あるコミュニケーション力を生かして起業
松元彩佳さんは、一橋大学社会学部卒業後14年間都庁で勤務するも、育児との両立の難しさを感じ退職。日々の業務を通じ感じていた課題を解決する仕事での起業を考えました。その課題とは、公務員が地域住民のニーズや価値観の多様化、社会変化への対応に迫られる中、職場での余裕が年々失われていき、結果離職者が増え、一方採用選考受験者数は減っている現状です。自身の経歴と、評判があった対話力を生かし、公務員を応援する事業を軌道に乗せようとしています。
松元彩佳さん
人気のベトナムサンドイッチ ありそうでなかった「和風」バインミーが話題
本当にやりたい事を後回しにしない生き方を実践 後進のチャレンジも応援
25歳のはまじまやさんは、慶応大学在学中に「老後はカフェをやりたい」という夢を抱くも、経営の勉強をかね入社した大手外資系コンサルティング会社に勤める中出会った本がきっかけで「即実行」を決意しました。仕事を通じて得たマーケティングの知識をフル活用し、ありそうでなかった和風のベトナムサンドイッチバインミーと沖縄発祥タコライスを提供する飲食店「カフェLapin」を起業。自身と同じく若い世代が好きな事を形にする応援もしていきたいと意気込んでいます。
Lapin 外観
和風のベトナムサンドイッチ「バインミー」
沖縄発祥「タコライス」
全国のビズモデルでもユニークな起業続々
前代未聞の「寿司キッチンカー」から、椎茸栽培で出た「廃菌床」でカブトムシを育てる循環型ビジネスモデルまで伴走支援で不可能が可能に
くにビズでは、上記の3者ともに、販路開拓、新商品開発といった売上をあげる方法と、それを達成するために強みを活かす、ターゲットを絞る、連携するなどといった方法を組み合わせて継続的に支援しています。こうした支援は、24年前から公的中小企業支援の第一線で成果を生み出し続けてきたセンター長の小出宗昭が経験に基づいて確立した手法で、これを実践する公的なビジネス支援施設が「ビズモデル」の呼び名で全国約20か所以上に拡がりました。
ビズモデルのセンター長達による支援力強化を目指した自主的な連携組織「全国ビズネットワーク」に属している施設で受けた2023年の創業相談件数は、2024年9月にまとめたところによると、累計で2,100件超、支援を受けて開業を果たした事業者数が280組超と、毎月約20組の起業家を輩出しています。
ほぼ全ての起業家が経営の経験が無いところからのスタートですが、中にはこれまでの通常の支援だけは実現が難しそうなビジネスもあります。大阪府岸和田市のキシビズでは、「生の魚」を扱う寿司キッチンカーが開業。保健所への相談では、生ものを扱う前例がなかったため「前代未聞」と言われたといいますが、車内の温度が上がらないようガス器具などを一切なくし、冷蔵庫や水道といった飲食店と同等の設備を持たせ、営業許可が下りました。また、秋田県湯沢市のゆざわビズでは、生産が盛んな椎茸を栽培する際に出る廃材である「廃菌床」が持つ栄養分に目をつけて活用し、高価なカブトムシを育てるという循環型ビジネスモデルが実現したケースもあります。この企業は循環型ビジネスの成功から、今年8月には高単価のカブトムシを育てて「日本一高い工賃を実現する」ことを目標にした就労支援施設まで設立しました。こうした一見実現困難なビジネスがスタートラインを切る背景には、ビズモデル型支援特有の、これまでの公的産業支援にはない、「相談にきた事業者と最後まで一緒に走り切る」という姿勢と、各地のセンター長をはじめとした支援担当者が持つ高いビジネスセンスがあります。
ひと昔前と比べ起業へのハードルは低くなったものの、それでも経営をした事がない人達にとって、一つの事業をスタートするまでの障壁は少なくありません。政府もスタートアップに対する公的支援を強化していますが、ソフト面の公的支援はまだまだ十分ではなく、各地でビズモデル型支援施設が果たせる役割は大きいと考えています。
資料
社会トレンドを反映する各地のビズモデル中小企業支援施設の最近のユニークな起業事例
社会トレンドを反映する各地のビズモデル中小企業支援施設の最近のユニークな起業事例
【地図中の各施設の正式名称と開設時期】
釧路市ビジネスサポートセンターk-Biz(ケービズ/北海道釧路市/2018年8月開設)
湯沢市ビジネス支援センターゆざわ-Biz(ゆざわビズ/秋田県湯沢市/2020年1月開設)
狭山市ビジネスサポートセンターSaya-Biz(サヤビズ/埼玉県狭山市/2019年4月開設)
くにたちビジネスサポートセンターKuni-Biz(くにビズ/東京都国立市/2021年11月開設)
木更津市産業・創業支援センターらづ-Biz(らづビズ/千葉県木更津市/2018年2月開設)
氷見市ビジネスサポートセンターHimi-Biz(ヒミビズ/富山県氷見市/2020年6月開設)
大垣ビジネスサポートセンターGaki-Biz(ガキビズ/岐阜県大垣市/2018年7月開設)
岸和田ビジネスサポートセンターKishi-Biz(キシビズ/大阪府岸和田市/2020年2月開設)
東広島ビジネスサポートセンターHi-Biz(ハイビズ/広島県東広島市/2020年2月開設)
萩市ビジネスチャレンジサポートセンターはぎビズ(はぎビズ/山口県萩市/2020年2月開設)
日向市産業支援センターひむか-Biz(ひむかビズ/宮崎県日向市/2017年1月開設)
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