世界各地で愛を誓い合う日とされているバレンタインデー。米国や欧州では、恋人や夫婦、友達、家族などそれぞれがお互いにカードや贈り物（お菓子、花束など）を贈り合うのが普通で、女性が男性にチョコレートを贈るのは、日本独自の習慣です。

　日本でバレンタインデーのことが一般に知られるようになったのは1950年代に入ってから。1958年2月に大手チョコレートメーカーのメリーチョコレートが、新宿伊勢丹の売り場で「バレンタインセール」とキャンペーンを行ったのがきっかけで、その後「バレンタインデーには女性から男性にチョコレート贈る」習慣が定着したそうです。

　 しかし、最近は、女性が自分へのご褒美として高級チョコを買っていくケースが増えているし、学生たちには友達と交換し合う『友チョコ』が人気で、愛を誓い合う日というより、チョコレートを楽しむ日に変わりつつあるよう。そんな日本独自のバレンタインのお祭り騒ぎに、海外のショコラティエ（チョコレート職人）たちも注目しているのでしょう。今年、百貨店のバレンタイン特設売り場を取材して回ったところ、スペインのブランドが、ゆずやしょう油、さんしょうなど、日本の食材を使ったチョコを売っていました。

　 そして、いつの頃からか日本独特の習慣としてあった、恋愛感情を伴わない男性にあげる“義理チョコ”ですが・・・。オリコンが『今年、義理チョコを渡すか？』という調査を実施したところ、約6割もの人が【渡さない】と回答し、義理チョコはかつてほどの勢いを失いつつあるようです。
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　 およそ半世紀に渡って、繰り広げられてきた日本のバレンタイン。これもひとつの食文化？今後も独自路線を切り開いていくのでしょうか。