ホーム 旅行&おでかけ > 誰でも土俵に上がれる!奈良県・葛城市相撲館「けはや座」

誰でも土俵に上がれる!奈良県・葛城市相撲館「けはや座」

2023-06-21

奈良県葛城市にある葛城市相撲館「けはや座」は、この地に住んでいたと伝わる當麻蹶速(たいまのけはや)にちなんで建てられた全国でも珍しい相撲の博物館です。内部には大相撲本場所と同じサイズの土俵があり、女性でも自由に上がることができます。また近くにある腰折田(こしおれだ)伝承地は、“天覧相撲”発祥の地です。日本の国技・相撲発祥地の地とされる奈良県で、お相撲スポット巡りを楽しんでみませんか?

本物と同じサイズの土俵がある葛城市相撲館「けはや座」

写真:モノホシ ダン

牡丹で有名な當麻寺への参道沿いにある、葛城市相撲館「けはや座」は、全国でも珍しい相撲をテーマにした博物館です。
日本で最初の相撲の天覧試合を行った當麻蹶速は、當麻村(現在の葛城市)の出身とされ、けはや座は、相撲の開祖・當麻蹶速を称え、相撲の歴史を現在に伝えるため、1990年(平成2年)5月にオープンしました。
建物正面には、大相撲本場所の大きな写真パネルや、土俵の一部が再現され、とても臨場感があります。

写真:モノホシ ダン

けはや座の施設内には、本物と同じサイズの土俵があり、一番の見どころとなっています。約40tの粘土状の粘りのある土を使い、5m70cm四方の中に、直径4m55cm(15尺)の勝負土俵があります。
土俵の中段にある俵は「踏み俵」と言い、力士が土俵に上がる時や、物言いがついて勝負審判が上がる際はここを利用します。
なお、この土俵は「展示土俵」ですので、男女を問わず、靴を履いたままでも上がれます。塩と力水も置いてありますので、土俵上で、力士のように豪快に塩をまく体験も楽しめます。

写真:モノホシ ダン

2階の通路部分からは、迫力ある土俵の全景を眺められます。正面、向正面、東西に一つずつ突き出ている俵は「徳俵」です。ほかの俵は、踏み切って負けになるときでも、ここなら残ることがあるのでこの名が生まれました。
徳俵の本来の用途は、かつて大相撲の興行が、寺の境内など屋外で開催されていた時代、土俵の中に溜まった雨水の排水口でした。現在はすべて屋内興行のため不要ですが、外にずれた4つの徳俵はその名残りです。
なお、2020年(令和2年)2月には、第69代横綱・白鵬が訪れ、けはや座の設立30周年記念の土俵改修に伴う地鎮祭に参加し、四股を踏み安全を祈願しました。

69連勝の大相撲記録!第35代横綱・双葉山のコーナーも

写真:モノホシ ダン

また土俵のすぐ近くには「升席」も設けられています。ちなみに、大相撲を本場所で観戦するには、「溜席」「升席」「椅子席」と3種類の席があります。
溜(たまり)席とは、審判員のすぐ後ろなどで観戦する座布団席のことで、取組中に力士の動きによって、砂をかぶる可能性があるので“砂かぶり席”という別名があります。
升(ます)席とは、溜席の後ろに続く1階の座布団席で、3つの中でも最も人気の高い席です。4人分の座布団が敷かれた正方形のスペースを1マスとして仕切られた形の席です。椅子(いす)席は、2階にあり、土俵を上から覗くような形で、相撲観戦することができます。

写真:モノホシ ダン

2階には、相撲の歴史年表や奈良県出身の郷土力士など相撲に関する数多くの資料を展示しており、所蔵資料は約12000点に上ります。
けはや座のポスターには、日本最初の天覧相撲となった當麻蹶速と野見宿禰(のみのすくね)の取り組みが描かれています。
この天覧相撲は『日本書紀』によると、第11代天皇・垂仁天皇(すいにんてんのう)の時代に行われたもので、残念なことに當麻蹶速は敗者となっています。

写真:モノホシ ダン

資料では、現在も破られていない69連勝の大相撲記録を樹立した第35代横綱・双葉山のコーナーもあります。受けて立つ横綱相撲、いわゆる「後の先」は、右目失明のハンデを乗り越えるための苦心の結果だったことが分かります。
写真の箱は「開け荷」といい、十両以上の関取しか所有できない行李です。力士は、この箱の中に、自分の化粧廻しや締め込み、下がりなどを入れておき、巡業のときには旅行鞄にもなりました。

郷土のヒーロー「當麻蹶速塚」にもお参りしよう

写真:モノホシ ダン

けはや座の見学のあとは、すぐ隣にある「當麻蹶速塚」にお参りしましょう。野見宿禰と力比べをして敗れた郷土の英雄、當麻蹶速を祀る五輪塔で、その最期は、野見宿禰に腰を砕かれて亡くなるという壮絶なものでした。
<當麻蹶速塚の基本情報>
住所:奈良県葛城市當麻83-1(葛城市相撲館横)
アクセス:近鉄南大阪線「当麻寺駅」より徒歩5分
車利用の場合は、相撲館けはや座の無料駐車場利用

写真:モノホシ ダン

けはや座の記念撮影スポットでは、館内の土俵のほかに、建物の向かいにある「鉄砲柱」がおすすめです。鉄砲柱は、力士が突っ張りの練習をするためのもので、本物の力士の巨大サイズの手形もあります。

二上山を望む「相撲発祥伝承の地・腰折田」

写真:モノホシ ダン

けはや座から、北へ徒歩で約30分歩いたところには、當麻蹶速と野見宿禰が対戦した「腰折田伝承地」があります。
説明看板には、日本史上初めての天覧相撲に挑み、足蹴にされて腰の骨を折られて負けた當麻蹶速の領地が、勝者の野見宿禰に与えられたことが記されています。

写真:モノホシ ダン

のちのこの決闘の地は、「相撲発祥伝承の地・腰折田」と呼ばれ、現在では石碑や力士像が建てられています。

写真:モノホシ ダン

腰折田伝承地からは、二上山の眺めが見事です。また、伝承地には、江戸時代の土俵、3m94cm(13尺)が再現されており、現在の土俵よりはかなり小さいものでした。
相撲館けはや座とあわせて、相撲の知られざる歴史を体感してください。
<腰折田伝承地の基本情報>
住所:奈良県香芝市磯壁6-316
アクセス:相撲館けはや座から徒歩約30分
車利用の場合は、道の駅ふたかみパーク當麻から徒歩約15分

葛城市相撲館 けはや座の基本情報

住所:奈良県葛城市當麻83-1
電話番号:0745-48-4611
開館時間:10:00〜17:00
休館日:火・水曜日(祝日の場合は開館)、年末年始
入館料:大人300円、子供(小・中学生)150円、幼児(小学生未満)無料
アクセス:近鉄南大阪線「当麻寺駅」より徒歩5分
車利用の場合は、無料駐車場利用
2023年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
葛城市相撲館「けはや座」(外部リンク)
https://www.city.katsuragi.nara.jp/soshiki/sumokan/5875.html
中将姫ゆかりの石光寺と不思議な傘堂!奈良・當麻の里を歩く
https://www.travel.co.jp/guide/article/47537/

【トラベルjp・ナビゲーター】
モノホシ ダン

関連記事

提供元:トラベルjp 旅行ガイド

Facebook

あなたにおすすめの記事

P R
お悩み調査実施中! アンケートモニター登録はコチラ

eltha(エルザ by オリコンニュース)

ページトップへ