ホーム 旅行&おでかけ > コソボ共和国の古都プリズレンで中世の香りを存分に楽しむ!

コソボ共和国の古都プリズレンで中世の香りを存分に楽しむ!

2023-07-16

コソボ共和国の古都プリズレンは歴史の息吹が残る町です。モスク、教会、城跡、石橋などを中心に、中世的な町並みが広がっており見どころ満載。お菓子店、土産店やレストランも多く、世界遺産の教会もあります。
紛争の傷跡から立ち直りつつある復興の象徴のような町です。今ならまだ日本人をはじめとするアジア人観光客が少ないので、一日ゆっくり散策できます。ぜひ旅程に組み込み訪問してください。

世界遺産リェヴィシャの生神女教会

写真:菊池 模糊

プリズレンは古代ローマ時代に町がつくられ、その後ブルガリア帝国、東ローマ帝国、セルビア王国、オスマン帝国、オーストリア=ハンガリー帝国などに支配されました。中でも12世紀にセルビア正教会の主教座としてリェヴィシャの生神女教会と王宮廷が置かれたことから、プリズレン地域は中世セルビアの中心として機能した古都なのです。
写真のリェヴィシャの生神女教会は「コソボの中世建造物群」のひとつとして世界遺産に登録され、危機遺産リストにも加えられています。

写真:菊池 模糊

生神女教会の裏側に回ると有刺鉄線が張り巡らされものものしい雰囲気です。これはコソボ紛争の際、内部が破壊され崩壊の危険があったためです。
オスマン帝国の支配下となってからは、プリズレンは交易都市として栄え、住民は主にイスラム教徒のアルバニア人移民に置き換えられていきました。コソボ紛争の際は、そうしたセルビア系とアルバニア系の対立が顕在化。今は平和になりつつありますが、生神女教会にはそうした紛争の爪痕が残されています。
<リェヴィシャの生神女教会の基本情報>
住所:Sahat Kulla, Prizren
入場:不可、外観見学は無料
アクセス:プリズレンバスターミナルから徒歩約15分

写真:菊池 模糊

コソボは2008年、ユーゴスラビアから独立を宣言。国連加盟国のうち113ケ国が承認しました。生神女教会の近くにある市役所の壁には、コソボ共和国の独立を承認してくれた国々への感謝が刻まれています。
写真をご覧ください。左側17番目に、日本に対して「ARIGATO GOZAIMAU JAPAN」と書かれています。

石橋ウラグリ Ura e Gurit

写真:菊池 模糊

プリズレンの中央を流れるのがルンバルディ川で、見どころは川沿いに集中しています。川には中世的なウラグリ(石橋)が架かり、橋のたもとから見ると旧市街の町並みが広がり、橋のむこうに大きなシナン・パシャ・モスク、そして左奥山手にプリズレン城壁が見え、まさに絶景スポット。ここで写真を撮る人が多く、スケッチする方も見かけます。

写真:菊池 模糊

この石橋は15世紀の終わりにオスマン帝国により作られ、1979年に洪水で流されましたが1982年に再建されたもの。橋は今でも町の人々の特に重要な生活道路で、橋を渡る方々の姿を見ているだけで時を忘れます。

写真:菊池 模糊

石橋のひとつ西の橋は、恋人たちの聖地となっており、鉄製の欄干には無数の南京錠がかけられています。通称「BLUE BRIDGE OF LOVE」橋のたもとでは鍵を売る人が待機しています。ほほえましい光景です。

シャタルバン広場

写真:菊池 模糊

石橋を渡るとシャタルバン広場があります。ここは昔バザールがあった場所で、今は整備され旧市街のセンターとなっています。中世的な町並みやモスクに囲まれ、観光馬車も発着する風景は実に情緒豊かです。

写真:菊池 模糊

シャタルバン広場の一角には、コソボ戦争の英雄イスメット・シェバット・ベリシャ像があります。コソボの人々にとっては大切な人物です。

写真:菊池 模糊

広場で特に人気なのはお菓子屋さん。町の若者や観光客が多数出入りし、名物のナッツ菓子を購入。この付近は菓子を立ち食いする人々で溢れています。コソボはユーロ通貨がそのまま使えるので、こうしたお店を見て回るのは楽しいものです。

シナン・パシャ・モスク

写真:菊池 模糊

広場の東側にそびえ立つのがシナン・パシャ・モスク。オスマン帝国時代に大宰相シナン・パシャによって建てられたもの。プリズレンでは最大のモスクで高さ43mのミナレットが付属し、町のどこからも見られるランドマーク的存在です。

写真:菊池 模糊

内部は上品なアラベスク模様で埋め尽くされ、本当に綺麗。これぞイスラム芸術といった感じですので、ぜひ入場してみてください。
<シナン・パシャ・モスクの基本情報>
住所:Mimar Sinani, Prizren
入場料金:無料 ただし宗教行事に使用中は入場禁止
アクセス:プリズレンバスターミナルから徒歩約20分

写真:菊池 模糊

モスク近くの道端には露店がありコソボにちなんだマグネットなどが売られています。石橋、コソボの国の形、コソボの国旗(青地に国の形と6つの民族を表す星)、アルバニアの国旗(赤地に黒い双頭の鷲)などがありますので、気に入ったデザインのものを購入されてはいかがでしょうか?

レストランと城砦

写真:菊池 模糊

プリズレンは建物も風情豊かで、宗教的なものだけでなく民家やレストラン、ホテルの建築も素敵です。写真は川沿いに東側を行ったところにあるアンビエントというレストランで、場所が素晴らしく、川沿いの旧市街の景色を見ながら食事ができるのでおすすめです。
<アンビエントの基本情報>
住所:Vatra Shqiptare, Prizren
電話番号:+383-44-119964
アクセス:プリズレンバスターミナルから徒歩約25分

写真:菊池 模糊

コソボ料理は長くオスマン帝国下にあったことからトルコ料理の影響が強く、特にバルカン風ハンバーグ類が発達しています。写真はプレスカヴィッツと呼ばれる挽肉料理で、やや小ぶりのキフテや、さらに小さなケババという料理もあります。ハンバーグですから日本人の口にも合いますので、ぜひ試してみてください。

写真:菊池 模糊

町の背後の丘上にはプリズレン城塞があり強い存在感を示しています。町から見上げるだけでも良いですが、時間的に余裕がある場合は、ぜひ登ってみてください。城塞から見下ろす景色は一級品です。
ただしかなり急なのと、見学含めて最低でも往復一時間は必要なので、覚悟してチャレンジしてみてください。

プリズレンへのアクセスは?

プリズレンはコソボ共和国の人気観光スポットとして発展しています。見どころは旧市街の一角に集中しており短時間で要領よく回れます。プリズレンのバスターミナルは町の西側にあるので、東へ15分ほど歩けば旧市街に至ります。
プリズレンへは、コソボの首都プリシュティナからバスで約90分。鉄道もありますが便数が少ないのでバスがおすすめ。また北マケドニアの首都スコピエや、アルバニアの首都ティラナからもバスが出ています。
なお、プリシュティナへは日本から直行便がないので、イスタンブール(トルコ航空)かドーハ(カタール航空)またはドバイ(エミレーツ航空)乗り換えで、約12時間〜20時間でアクセスします。
2023年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
コソボ公式サイト(外部リンク)
http://www.kosovo.net/

【トラベルjp・ナビゲーター】
菊池 模糊

関連記事

提供元:トラベルjp 旅行ガイド

Facebook

あなたにおすすめの記事

P R
お悩み調査実施中! アンケートモニター登録はコチラ

eltha(エルザ by オリコンニュース)

ページトップへ