朝食は、パンやフルーツなどで簡単に済ませがち。しかし、パン食よりお米中心の和食の方が、食物繊維が豊富で、朝のお通じにも良いと言われています。
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便秘がちな人やダイエットしてもなかなか痩せにくい人は、朝食の内容を見直してみると、お通じが改善するかもしれません。
■ごはんの方がお通じに良い理由とは?まずは、ごはん朝食がお通じに良いとされる理由を詳しく説明しましょう。便秘解消には、便のカサを増やしたり、腸のぜん動運動(収縮する動き)を促進したりする働きを持つ、食物繊維が必須とされています。
パンがメインの洋風の朝食には、忙しい朝でもぱぱっと手軽に用意できるという利点がありますが、パンとコーヒーだけでも満足できてしまうので、栄養バランスが偏り気味になり、食物繊維も不足しやすくなります。
一方、ごはんを主食にすると、自然に野菜の入ったお味噌汁や漬物、煮物、納豆など、食物繊維が豊富なおかずを一緒にとることになり、腸内環境が整いやすくなるのです。
また、お米は「難消化性デンプン」と呼ばれるデンプンが豊富。難消化性デンプンは小腸で消化されず、大腸まで届きます。そこで一部は腸内細菌によって発酵されて吸収され、残りは便として排出されます。
つまり難消化性デンプンは、便のカサを増やし、腸内環境を整えるという食物繊維と同様の働きを持っているのです。
難消化性デンプンは、パンよりごはんに多く含まれているのですが、ごはんの中でも、精製された白米より、分づき米(ぶづきまい)や玄米、雑穀米により豊富に含まれています。頑固な便秘の人は、朝食の主食を玄米や雑穀米にすると、より高いお通じ改善効果が期待できます。
■副菜には、食物繊維豊富な食材をチョイス主食をごはんに変えたら、それに合わせるおかずも工夫してみましょう。野菜や海藻、豆腐を入れたお味噌汁、目玉焼きや焼き魚などのタンパク質の主菜1種に、できればさらに1〜2種類、食物繊維や難消化性デンプンが豊富な副菜をプラスしましょう。
ちょい足しする副菜としておすすめなのは、ひじきや大豆、カボチャの煮付け、キンピラゴボウ、茹でたブロッコリー、キノコ類のソテー、サツマイモのサラダなど。
パンには生野菜のサラダを合わせがちですが、野菜は生のままだとあまり量がとれません。茹でた野菜や煮物の方が、食物繊維をはじめとする栄養素をより多く摂取できます。
時間がないときは、納豆をパックから出して添えるだけでもOK。また、海苔にも食物繊維が豊富に含まれているので、焼き海苔や海苔の佃煮をプラスしてもいいですね。
デザートを付けるなら、食物繊維豊富なバナナ、整腸作用にすぐれたリンゴ、腸内の善玉菌を増やしてくれるヨーグルトがおすすめです。
便秘改善におすすめの食材の多くは、ビタミン、ミネラル、カルシウムといったその他の栄養素も豊富に含んでいます。お通じに悩む人はもちろん、毎日をもっとイキイキと元気に過ごしたい人も、「ごはん朝食」を始めてみませんか?
(二条しおり)