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女性に多い? “隠れ痔主”、なりやすい原因と予防法を専門家が解説

2023-10-15 eltha

 成人の2人に1人は“痔もち”と言われるほど、多くの人がお尻にトラブルを抱えているそうです。男性の方が多いイメージがあるようですが、実際は女性も痔を患っている人が多いとか。また、恥ずかしいという理由から受診しづらく、放置している間に悪化してしまう…なんてことも。女性が痔になりやすい要因やセルフチェック、予防法を八王子クリニックの井藤尚武先生に聞きました。

痔の種類は3つ、女性は妊娠や出産、冷えが原因による発症も

Q:「痔」はどんな病気ですか?

井藤尚武先生痔は肛門の病気の総称で、「いぼ痔」「きれ痔」「あな痔」の3種類があります。痔の種類によって症状は異なりますが、いぼ、出血、痛み、痒みなどが主な症状です。便通の異常や肛門の機能異常が引き金になるほか、冷えなどの血液循環の不良、強いいきみや無理な排便などの排便習慣、妊娠、肥満、飲酒、香辛料、ストレスなどが原因として発症します。

Q:意外に女性は痔になりやすいというのも聞きます。女性特有の要因はどんなものがありますか?

井藤尚武先生痔の発症割合には統計的に男女差はありません。しかし発症の要因は少し異なります。

「いぼ痔」は肛門周囲の静脈のうっ血が原因で発症するため、妊娠による静脈の圧迫や出産時のいきみは、女性特有の要因となります。その他にも、筋肉量が少ないことで女性は冷えやすく血液循環不良を起こしやすいことが女性特有とも言えます。

また、女性の方が便秘症が多いという統計データもあり、便秘が原因で引き起こされる「きれ痔」も男性に比べ、女性に多い痔の要因と言えるでしょう。

大きな病気が隠れている場合も、受診は何科に行けばいい?

Q:これは痔?と迷った時はどうしたらいいですか。

井藤尚武先生排便時の出血の色や量、痛みを感じるタイミングやその強さである程度のセルフチェックは可能ですが、肛門は自身で確認が困難な場所です。且つ、消化管の病気が隠れている可能性もあるため、セルフチェックで大きな病気を見逃すリスクにもなります。気になったら専門医にしっかり診てもらうことが大切です。

Q:女性に限らずではありますが、恥ずかしいという理由で受診をためらう人もいるかと思います。受診の目安となる症状は?「何科」を受診すればいいのでしょう?

井藤尚武先生受診の目安となる症状は「出血」です。痔以外の肛門や消化管の病気でも出血を起こすことがあるため、出血が確認された場合は受診し、専門の医師に診てもらうことが大切です。受診は、「肛門科」や「消化器科」、「内科」などがお勧めです。消化管から肛門までを診察できる医療機関が好ましいと言えます。
Q:悪化させないための心得、予防法を教えてください。

井藤尚武先生痔の種類によって症状や原因が異なるため、具体的な悪化の防止や予防は受診し診断を受けてから行ないましょう。ただし下痢や便秘などの排便異常、座りっぱなしやたちっぱなしなどの生活環境、飲酒や香辛料などの嗜好性などの原因は肛門そのものに悪影響です。食生活で改善できるものや日常生活の姿勢を変えたり、ストレッチを取り入れたりすることで痔にならない、悪化させないベースを作ることはできるでしょう。

Q:市販薬も販売されていますが、痔になってしまった場合はどのように治療すればいいですか?

井藤尚武先生痔になったと感じた時は、恥ずかしがらずにまず受診することが最も大切です。ですが、まず市販薬で様子を見たい方も多くいらっしゃるでしょう。その場合は、1週間程度使用しても効果がなかったり、良くなってもすぐ再発するような場合には受診するようにしましょう。ただし、ピューッとした出血が排便するたびに出る場合や、夜も眠れない痛みを感じる場合、痛みだけでなく発熱を伴うような場合は、速やかに医療機関を受診するようにしてください。
井藤尚武先生

監修者 井藤尚武先生

医療法人社団斗南堂八王子クリニック新町院長。日本外科学会専門医。2013年、愛知医科大学医学部卒業。東京女子医科大学東医療センター、中通総合病院、流山中央病院、Weill Cornell Medicine(米国留学)を経て2021年から八王子クリニック新町の院長となる。消化器の外来診療、肛門病の日帰り手術、消化器内視鏡をはじめ、健診や人間ドックなどの予防医学、在宅医療に従事している。また、AIを得意としComputer visonによる転倒検知システム、院内の予約システム、人間ドックのコメント作成システムなどを現場の視点で自らが作成している。専門分野は一般外科、消化器全般、肛門病、AI関連業務。

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