【猫ビフォーアフター】愛媛から来たしょぼくれ子猫「まるで別猫!」な激変ぶり、超絶キュートな笑顔
2024-01-17 eltha
愛媛県で保護され、東京のNPO団体『ねこけん』にやってきた1匹の子猫。片目が小さく委縮してしまい、なんともしょぼくれた見た目だったが…。「茶ボボ」と名付けられた猫が、笑顔を取り戻すまでの経緯とは? 犬猫の殺処分の多い愛媛の事情についても、代表理事・溝上奈緒子氏に聞いた。
風邪? 先天性? 片目に異常ある子猫、しょぼくれ具合がバズり猫に似て…
この子猫を連れてきた人は、本当はリリースしたくないものの、自宅で飼うことは難しい状況。それでもせめて去勢手術だけでも…と、やってきたのだった。
「すごく人馴れしていて、ごろごろすりすりするような甘えん坊な子猫でした。可愛らしい猫なのですが、片目がなぜかしょぼついていて。どうやら風邪の影響が少しあるほか、先天的に目に異常があるようです。見えてはいるのですが、瞳孔がかなり奥にあるようでした」
こうして、愛媛から東京の『ねこけん』にやってきた、どこか表情がしょぼくれていた茶白の子猫。『ねこけん』から巣立ち、今では飼い主さんの元で人気のバズり猫となっている同じ茶白の「しょぼぼ」を彷彿させたため、子猫は「茶ボボ」という仮名をもらった。
ちょっとばかりしょぼくれて見えるものの、実は笑顔も可愛らしい茶ボボ。生活に支障はなく、元気に猫じゃらしで遊ぶかと思えば、それより人間の手のほうが好きなよう。いつも人の後をついて回り、人間にべったりという愛らしい子猫だ。にこっと笑った顔がキュートな茶ボボは、隔離期間と風邪の治療を終えて譲渡会にチャレンジし、あっという間に家族ができた。同じ愛媛からやってきた猫・ポチと一緒に、愛情満載の愛され生活を満喫しているという。
殺処分多い愛媛県の問題、「譲渡会で1匹も決まらない」理由
「愛媛で保護をして、その後に譲渡会を行うこともあるのですが、全然譲渡ができない。1匹も決まらないこともあるんです。なぜかというと、愛媛には人に馴れた野良猫が多いから。わざわざ譲渡金を払って譲渡会でもらわなくても、外で拾ってこれちゃうんです」
譲渡会で猫を譲り受ける際には、譲渡金が発生する。それはもちろん“販売”の意図ではなく、保護猫にはそれまで多くの医療費やフード代、シェルターなどの維持費がかかっているから。また、新たな猫の保護やTNR活動の資金にもなるため、必要不可欠なものだ。だが、それに対して「譲渡なのにお金がかかるの?」と疑問に思い、「だったら野良猫を拾ってくる」と考える人もいるようだ。
外にいる猫を拾うことは、悪いことではない。ただ、だからと言って野良猫を野放しにして、人間の都合で少数を拾うだけでは、多くの猫たちを救うことはできない。
「実際に愛媛は、犬猫の殺処分が多い県としてワースト上位にあります。野良が多い分、処分されてしまう子もたくさんいるのです。野良猫を減らすためには、地道にオペをし、保護も並行して行うしかない。我々はこれまで約2000頭のオペをしてきて、保健所の方からは『少しずつ効果が出ている』と聞いています」
外で生きる猫が数多くその辺を歩いている…というと、一見和やかな風景に見えるかもしれない。だが、人知れず不幸になっていく猫はたくさんいて、茶ボボもまた、そのうちの1匹になっていたかもしれない。保護団体の地道な活動に、もっともっと理解が広がっていくことを願う。
■NPO法人『ねこけん』
■『ねこけん』オフィシャルブログ