腸活、何から始める? 食べ物、運動、便秘の症状チェックのやり方を専門家が解説
2023-02-03 eltha


PROFILE 辨野義己(べんのよしみ)
(一財)辨野腸内フローラ研究所理事長。理化学研究所名誉研究員。腸内細菌の分類と生態に関する研究を続け、DNA解析により新しい腸内細菌を多数発見。『長寿菌まで育てる最高の菌活』(宝島社)、『最高の睡眠は腸活で手に入る』(扶桑社)など著書多数。
なぜ「長寿菌」が必要なのか?
辨野先生の研究では、奄美大島に住む100歳の健康長寿の女性のうんちに、60〜80歳の一般女性の平均値の30倍以上のビフィズス菌が存在していることがわかりました。そして辨野先生は他の健康長寿地域の分析結果も踏まえ、「健康長寿の達成には、「長寿菌」が腸内細菌の40〜60%を占めることが理想的」と結論づけています。
<長寿菌の役割>
ビフィズス菌:主に大腸に棲みつき、腸内で酢酸や乳酸をつくり出し、悪玉菌の増殖を抑制
大便桿菌(フィーカリバクテリウム):ヒトの腸内細菌の中で最も豊富に共生している酪酸産生菌
ラクノスピラ:ヒトの腸内に存在し、感染症の原因となる菌から守ってくれる他、肥満を抑制、短鎖脂肪酸を産生
「長寿菌」を増やすには?
そこで、意識的に毎日ビフィズス菌を取り入れるとともに、食事や睡眠、運動など、いわゆる「腸活」によって、「長寿菌」と密接に関係する生活習慣を見直すことが、もともと腸内に存在するビフィズス菌を活性化し、「長寿菌」を増やす上で大切です。
食事で気を付けるポイント
特に善玉菌を増やす水溶性食物繊維の多い野菜を意識的に摂るようにしましょう。水溶性食物繊維の多い野菜は、便をやわらかくしたり、善玉菌のエサになったりします。

水溶性食物繊維を多く含む食品
ニンニク、らっきょう、ごぼう、山芋、オクラ、芽キャベツ、アボカド、インゲン豆・大豆などの豆類、きのこ類、さつまいも、大根など
ワカメ、モズク、コンブ、ヒジキ、アオサなどの海藻類や納豆、チーズ、ヨーグルトや乳酸菌飲料などの発酵食品も欠かせません。

逆に避けたいのは、動物性脂肪の摂りすぎです。通常、動物性脂肪は、胆汁酸によって脂肪酸とグリセリンに分解され、エネルギーとして肝臓に蓄積されます。この胆汁(胆汁酸)の大部分は回腸末端から再吸収されます。しかし、胆汁酸の一部が大腸に流れ込むと、腸内細菌(悪玉菌)によって「二次胆汁酸」に変換されます。二次胆汁酸は人体に有害な作用をするといわれ、この悪影響を減らすためには、食生活の偏りを避け、二次胆汁酸を作らない腸内細菌(善玉菌)が優位な腸内環境に整えることも 大切です。
生活のなかで気をつけるポイント

腸活を意識したいときに、オススメの運動
「長寿菌」が多いかどうかを見極める方法は?
●黄褐色(特にビフィズス菌が多いと黄褐色になります。ビフィズス菌は腸内環境のバロメーターです)
●あまり匂わない
●力まず気持ちよく出ること
●毎日しっかりと(1日100〜200g前後)出る
「長寿菌」を増やすためには、「うんち」の状態を日々確認しながら、腸内環境を整える腸活を毎日続けることが大切です。他にも下記の項目すべてにチェックが入らないよう、バランスのよい食生活に気を配り、よく寝て運動し、ストレスをためない健康生活を心がけましょう。
□ 便やオナラのにおいがキツい
□ 気分が落ち込みやすい
□ 便秘または下痢になりやすい
□ やる気が出ない
□ 便が硬く、排便時にいきむ
□ いつも熟睡した感じがない
□ 便の色が茶褐色や黒っぽい
□ 実年齢よりも老けて見られる
□ 血色の悪さや肌荒れが気になる
□ 太り気味、または肥満
健康長寿の人の腸内細菌には「長寿菌」が多い!! ”ビフィズス菌=「長寿菌」”を増やして腸から健康に