2023-04-09
5月5日は「こどもの日」。全国各地で「こどもの日」にちなんだイベントがもよおされますが、奈良市の世界遺産・春日大社の境内にある「萬葉植物園」でも「子供の日萬葉雅楽会」と呼ばれる雅楽・舞楽の演奏会がとりおこなわれます。そこでは子どもたちが舞楽の衣裳を身にまとって舞い、こどもの日にふさわしいもよおしといえるでしょう。今回は毎年5月5日におこなわれる「子供の日萬葉雅楽会」の魅力をお伝えしましょう。
「子供の日萬葉雅楽会(こどものひまんようががくかい)」は、毎年5月5日、奈良市の世界遺産・春日大社境内にある「萬葉植物園」でもよおされる雅楽・舞楽の演奏会。11月3日の文化の日にもよおされる「文化の日萬葉雅楽会」とともに、『萬葉集』にちなんだ植物を栽培している萬葉植物園の恒例行事となっています。
「雅楽(ががく)」は、奈良時代、中国や朝鮮半島から伝来した古典音楽の一つ。平安時代に入り、大成しました。「舞楽(ぶがく)」は雅楽に舞いをつけたもので、当日は音楽と舞いの両方を堪能することができます。普段、なかなかお目にかかれない芸能ゆえ、ぜひご覧ください。
※写真は2019年の様子です。
雅楽・舞楽の舞台となるのは、園内の池に張り出した浮き舞台。観客は対岸から雅楽・舞楽を観賞することになります。
開演時間になると、雅楽の演奏者によってかなでられる「管弦の部(かんげんのぶ)」からはじまります。雅楽を奏で、舞楽を舞うのは、奈良県を中心に活躍している「南都楽所(なんどがくそ)」の方々。当日は「笙(しょう)」や「篳篥(ひちりき)」など、大陸伝来の珍しい楽器を目にすることができます。その独特の音色や異国情緒をご堪能ください。
「管弦の部」に引き続いておこなわれるのは「振鉾(えんぶ)」。その名のとおり、舞人が舞台の上で鉾を振るう演目で、これから上演される舞楽のため、鉾で舞台を清めるという役割をになった舞いです。
こどもの日にもよおされるだけあり、当日は子どもたちが舞人になった演目も上演されます。
写真は「迦陵頻(かりょうびん)」と呼ばれる演目で、子どもの四人舞。中国およびインド・ベトナムなどの南方・西域から伝来した「唐楽(とうがく)」の一つで、その名は極楽浄土に住むという人面鳥身の霊鳥「迦陵頻伽(かりょうびんが)」に由来します。衣裳は「唐楽」であることを示す赤系統の地色。背中の翼が迦陵頻伽であることを示しています。
こちらは「胡蝶(こちょう)」。その名のとおり、蝶をモチーフにした四人舞で、朝鮮半島や渤海などの北方より伝来した「高麗楽(こまがく)」にもとづいて日本で制作された舞い。衣裳は高麗楽であることを示す緑の地色が特徴で、手にしているのは山吹の枝。背中につけているのは、もちろん、蝶の羽です。
風薫る季節にふさわしい演目ですね。子どもたちの可憐な舞いをご覧ください。
もちろん、大人の舞人によって演じられる本格的な演目もあります。こちらは「唐楽」の一つの「散手(さんじゅ)」。「武人舞」と呼ばれる演目の一つで、龍頭の甲などから、主人公が武人であることがわかります。
鉾を手にして舞うのも特徴。そのダイナミックで勇壮な舞いには圧倒されますよ。
『萬葉集』にちなんだ植物が多数栽培されている萬葉植物園ゆえ、雅楽・舞楽鑑賞とあわせて園内もめぐりましょう。
この季節に咲く花の代表といえば、やはりフジ!苑内の一角にはさまざまなフジばかりを集めたフジ園もあるため、ぜひ足を運びましょう。
こちらはシャガ。ほかにも、たくさんの草花が咲いていますよ。
「子供の日萬葉雅楽会」がいかに魅力的なもよおしであるか、おわかりいただけたでしょうか。萬葉雅楽会は11月にももよおされますが、子どもたちが舞人として登場するのは「子供の日萬葉雅楽会」のみ。「子供の日萬葉雅楽会」で雅楽・舞楽の魅力をご堪能ください。
2024年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
【トラベルjp・ナビゲーター】
乾口 達司
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