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「法師温泉 長寿館」悠久のロマンを感じたい群馬の名湯がここに

2021-03-05

「法師温泉 長寿館」は名湯ぞろいの群馬の温泉の中でも特に知られた一軒宿の秘湯です。1980年代に旧国鉄フルムーン旅行のCMに混浴の一場面が登場し、あの温泉はどこだろう、あのお風呂に入ってみたいと思った方も多かったはず。
当時のレトロ感もそのまま、令和の現代でも時を止めたような郷愁が味わえる法師温泉の魅力をご紹介します。

「法師温泉 長寿館」は木造建築の秘湯の宿

写真:泉 よしか

群馬県みなかみ町の国道から分け入って、法師川沿いの一本道を進んでいくと現れる木造の旅館。たどり着くとそこはまるで、明治や大正といった古い時代のまま時間が止まってしまった場所のようです。

写真:泉 よしか

今回ご紹介する「法師温泉 長寿館」は明治8年創業。
軒下には「日本秘湯を守る会」の大きな提灯。看板などは少し煤けて、それが逆に味わい深く感じられるかもしれません。

写真:泉 よしか

入口のガラス戸を開ければいきなり吹き抜けの玄関に、思わずもれる感嘆のため息。神棚、柱時計、見上げるような天井。右手奥に中二階部分が付き出して見えますが、昔は玄関から直接そこに上る階段があったのだそう。残念ながら今はもう上れません。
また玄関の左手の障子戸を開くと囲炉裏の間。ここでは鉄製の茶釜にお湯が沸いています。お菓子も用意してあるので囲炉裏端にゆっくり座って秘湯の趣を楽しむのも良いでしょう。

「法師温泉 長寿館」の廊下 部屋そして食事

写真:泉 よしか

「法師温泉 長寿館」は館内のどこを歩いてもまるで白黒映画の中に迷い込んだよう。ギシギシと鳴る板張りの廊下に、波打つようなゆがみがある窓ガラス、浴衣姿でそこに立つだけでまさに非日常の世界です。

写真:泉 よしか

国の登録有形文化財である本館と別館、そして大女優の夏目雅子や高峰三枝子が泊まった薫山荘、スウェーデンのヴィクトリア皇太子が特別室に泊まった法隆殿のお部屋もあります。
写真は別館の一室。窓からは法師川と本館が望めます。

写真:泉 よしか

夕食は地元・群馬県産の食材を中心に山の幸をたっぷりと。例えば上州麦豚すき焼きに、お造りは利根沼田産のギンヒカリ、みなかみ産の岩魚昆布〆、さらに刺身蒟蒻など群馬県らしい食材が並びます。
味付けは品よく繊細。噛むほどに甘味を感じるお米は、新潟県魚沼産のコシヒカリに自家泉源のこだわりの水を使ってふっくらと焚き上げたものです。
※メニューはプランや季節によって変わることがあります。

悠久のロマンあふれる「法師乃湯」は足元湧出泉

写真:泉 よしか

さあそれではいよいよお風呂の紹介に移ります。まず「法師温泉 長寿館」のお風呂は混浴の「法師乃湯」、男女入れ替え制の「長寿乃湯」、露天風呂のある「玉城乃湯」と3種類あります。
混浴とはいっても「法師乃湯」には女性専用タイムがあり、もともとは女性専用だった「長寿乃湯」は現在は男女入れ替え制になっていますので、泊まれば全てのお風呂にゆっくり入ることができますよ。

写真:泉 よしか

「法師乃湯」はこの宿を代表する歴史ある浴室。フルムーンのCMで上原謙と高峰三枝子が夫婦役として仲睦まじく入浴していたのもこちらです。
鹿鳴館風のアーチ型の窓から差し込む光が、ゆらゆらと立ち上る湯気に反射して幻想的な雰囲気に。しかしこの浴室の最大の特徴は、足元の玉砂利の下から直接源泉が湧いていることにあります。

写真:泉 よしか

実際に入ってみればわかります。体温程度のぬるいお湯が木枠で仕切られた浴槽の下から泡とともに湧き上がってきます。法師温泉の源泉は、45〜60年前の雨水が地中に染み込み、半世紀の時を超えて再び地上に湧き出てきたもの。浴槽の表面まで上って初めて空気に触れるのです。
これこそがまさに温泉のロマン。ここに旅館が建つよりずっと昔から、源泉はこんこんと湧いていて、その場所に合わせて浴槽を作った、しかも湧いているお湯は人がそのまま入れる温度。法師温泉のような足元湧出泉とは、こうした条件に合致するごく一部の温泉にしか許されない特別な贅沢です。
脱衣所側の浴槽には、足元から湧いているほかに湯口が付いていますが、湯口から出ているお湯も浴室の床下で湧いているお湯。つまり「法師乃湯」のお湯は全てその場所で湧いているのです。

もう一つの足元湧出「長寿乃湯」露天風呂のある「玉城乃湯」

写真:泉 よしか

「法師温泉 長寿館」で一番小さいお風呂は男女入れ替え制の「長寿乃湯」です。しかし実はこちらも「法師乃湯」と同様、浴槽の底からお湯が湧く足元湧出泉なのです。
以前は女性しか利用できませんでしたが、男性だってこちらにも入ってみたいですよね。ですから現在は男性専用タイムが設けられています。こちらのお風呂も入浴すれば、足元から泡とともにふつふつと源泉が湧き出ていることが実感できます。

写真:泉 よしか

最後に「玉城乃湯」ですが、この浴室のこのカランの形状がとてもレトロで可愛らしいのでぜひ体を洗うときなどに使ってみてくださいね。

写真:泉 よしか

「玉城乃湯」には広々としたら内湯だけでなく庭園を望む露天風呂が付いています。ここは足元湧出ではありませんが、秘湯の静けさを楽しむにはもってこいのお風呂です。

「法師温泉 長寿館」で味わう旅の情緒

写真:泉 よしか

日が落ちればまるで世界にここだけしか存在していないような物寂しい気分になる「法師温泉 長寿館」。日常を離れて旅の情緒を味わいたいと思ったら、ぜひこの温泉を思い出してください。

バスタオルや水着不可 法師温泉 長寿館の混浴「法師乃湯」

「法師温泉 長寿館」の「法師乃湯」は混浴ですが、バスタオルや水着を身に着けての入浴は禁止です。というのは、いっさい加工しない繊細な温泉を活かすため、お湯への影響を最小限にとどめたいからです。
ですから特に女性には、20時から22時に設けられている女性専用タイムに「法師乃湯」をじっくり堪能するために、日帰りではなく宿泊をお勧めします。「長寿乃湯」に入りたい男性もぜひ宿泊を。
そして泡に包まれて浴槽にふわりと身を浮かせながら「法師温泉」ならではのロマンに浸ってください。
2021年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
法師温泉 長寿館(外部リンク)
http://www.hoshi-onsen.com/
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【LINEトラベルjp・ナビゲーター】
泉 よしか

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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