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宗教改革のフス運動の軍事拠点だったチェコ「ターボル」の町並み

2023-04-10

プラハから南へ約80キロメートルの位置にあるターボルの町は、宗教改革運動であるフス戦争の拠点となった町。戦いのために町が設計されたかのようで、敵の攻撃から守ることを目的としたため、石畳の歩きにくい通りは細くて入り組んでいます。
町の中心地はジシカ広場。広場にはフス戦争で活躍したヤン・ジシカの像が建ち、教会や博物館、市庁舎などが面しており、年末にはクリスマスマーケットが開かれます。

町の中心地ジシカ広場

写真:Hiroko Oji

プラハから南へ約80キロメートルに位置するターボルは、1419年から15年間続いたフス戦争でフス派の拠点となった町。そのため、ターボルの町中は、戦いのために設計されたかのような造りとなっており、敵の攻撃から守れるよう歩きにくい石畳の狭い通りが入り組んだものになっています。
この町の中心地はジシカ広場。広場を取り囲むのは、かつて裕福だった商人や市民の住居として使われていた建物。後期ゴシックからルネッサンス期にかけて美しい建築様式で建てられたものです。教会や博物館、観光案内所の入る旧市庁舎が広場に面しており、わずかな傾斜のある広々とした石畳の空間は年末になるとクリスマスマーケットも開かれる場所です。

写真:Hiroko Oji

このジシカ広場の一角に建つ像は、隻眼の英雄「ヤン・ジシカ」!教会を批判し処刑されたフスを支持する貴族たちがカトリック教会と戦ったフス戦争で、カトリック教会から差し向けられた十字軍を破った英雄です。その後も数々の戦いで勝利をおさめ民衆に勇気と希望を与えた人なのです。

キリストの変容教会

写真:Hiroko Oji

ジシカ広場で一番目に留まる建物が、広場の北側に面している「キリストの変容教会」。ここには15世紀半ばまで木造の教会がありました。
新しい教会の建設は15世紀末に始まりました。1512年、教会の内部は八角形の柱で支えられたネットヴォールトを備えた形で、市庁舎と同時に後期ゴシック様式で建てられました。その後、3回の火事と包囲戦による被害を受け、現在の姿は1677年に再建されたもの。ルネッサンス様式の切妻屋根とバロック様式の塔が追加されています。

写真:Hiroko Oji

教会内部はシンプルですが厳かな空気で満ちています。主祭壇の木彫り彫刻はターボル山でのキリストの変容を表したレリーフで、優美なものです。

写真:Hiroko Oji

数は多くありませんが、素晴らしいステンドグラスも一見の価値があります。
<キリストの変容教会の基本情報>
住所:Zizkovo Nzmesti 3,390 01 Tabor,
電話番号:+420-381-486-111

キリストの変容教会の塔

写真:Hiroko Oji

教会の北側にある高さ82メートルの塔は、北側の入り口から上ることができます。塔はもともとゴシック様式でしたが三十年戦争中、スウェーデン軍の爆撃により大きな被害を受け、1677年、バロック様式に修復されました。

写真:Hiroko Oji

薄暗い石段と続く木製階段を200段上る途中には3つの釣り鐘があり、上り切った50メートルの位置にある最上階に料金所があります。現在、塔は見張り塔としての役割があり、写真のような部屋になっていて係員が在中。壁には古い各国のコインや紙幣が貼られています。

写真:Hiroko Oji

窓からは、足元に広がるジシカ広場をはじめ、北東に横たわるヨルダン湖やヴルタヴァ川の支流となるルズニツェ川が流れる様子など、ターボル市内を一望できます。

フス派博物館

写真:Hiroko Oji

ジシカ広場に面している建物の一つが、旧市庁舎に隣り合う「フス派博物館」。初期ルネッサンス様式の美しい建物で、1521年建造の館内では、ヤン・フスとヤン・ジシカ、フス派の時代、彼らの全盛期と没落などについて詳しく知ることができます。

写真:Hiroko Oji

建物内の2階は美しい天井アーチのゴシック様式で造られた市庁舎ホールとなっており、ジシカの騎馬像が建っています。

写真:Hiroko Oji

1・2階の展示室では、フス戦争時代の展示に加えて、中世の人々の様々な生活と機織りや染色、皮加工、靴や衣服制作など、仕事に関する常設展示を見ることができます。
<フス派博物館の基本情報>
住所:Zizkovo Namesti 1,390 01
電話番号:+420-774-059-263
開館時間:9:00〜17:00(日曜日13:00〜17:00)
休館日:月曜日、火曜日

町並み散策の楽しみ

写真:Hiroko Oji

旧市街に残された古い建物を見て歩くのも、この町の楽しみとなります。
それは窓周りや壁一面に美しい壁画が描かれているもの。これは「スグラフィット」と呼ばれるもので、2層の色の違った漆喰の上面を削る手法で描かれています。

写真:Hiroko Oji

こちらのお家に施されているのは本当に凹凸があるように陰影をつけた「だまし絵」!実は平面というこのような手法のお家もあちらこちらで見られます。

写真:Hiroko Oji

壁面装飾画だけでなく出窓や屋根のファサードに美しい装飾が施されているものも軒を並べていて、散策が楽しくなります。

日帰り観光も可能なターボルですが・・・

ターボルの中心地は鉄道駅から徒歩15分ほど。プラハとチェスケ・ブジェヨヴィッツェを結ぶ路線上にあり、小規模の町なので日帰り観光も可能ですが、朝夕のひっそりした町を散策するのも乙なものです。
また、かつてワイン・ビールの醸造や食料の貯蔵に利用されていた地下道を見て回ることもできます。日程に余裕があればぜひ宿泊して観光を楽しんでいただきたい町です。
2023年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
ターボル市公式サイト(外部リンク)
https://www.taborcz.eu/
フス派博物館(外部リンク)
https://www.husitskemuzeum.cz/o-muzeu/historie/
キリストの変容教会(外部リンク)
http://farnost-tabor.cz/index.htm

【トラベルjp・ナビゲーター】
Hiroko Oji

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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