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明治時代の美建築に出会う!桜と日本庭園の老舗旅館「島根・天野館」

2023-05-20

島根県の観光名所「出雲大社」へ車で約40分。近いとはいいがたいものの、出雲大社参拝前後に心静かに滞在してほしい宿があります。それが桜と日本庭園の老舗旅館「天野館」。日本さくら名所百選に選ばれた「斐伊川堤防桜並木」沿いにあり春には満開の桜、そして大正時代に建てられた別館には日本庭園や茅葺の茶室「涼翠庵」があり、和みくつろげる空間美が魅力。心と身体に向き合える格別な滞在が叶います。

木次の歴史を見守り続けた旅館

写真:浮き草 ゆきんこ

天野館がある雲南市木次町は、江戸時代、斐伊川船運の最終地点として栄え、旧東城街道に沿って町並みが形成されていきました。
今でも、当時の古き良き風景と昭和の残り香を感じる町並みが残り、ノスタルジーを感じます。

写真:浮き草 ゆきんこ

日本さくら名所百選に選ばれた「斐伊川堤防桜並木」沿い、木次の町並みの中に寄り添うようにあるのが桜と日本庭園の老舗旅館「天野館」です。看板が点灯していないと見過ごしてしまうほど町中になじんでいます。
1891年創業の天野館は、明治、大正、昭和、平成、令和と木次の時間の流れを見守ってきた旅館です。

写真:浮き草 ゆきんこ

今回は、部屋から日本庭園が眺められる別館をご紹介します。
別館に宿泊する際も受付は本館。本館に立ち寄り、鍵をもらいましょう。

いつまでも眺めていたい日本庭園

写真:浮き草 ゆきんこ

大正時代に建造された別館の一押しは、部屋から見られる日本庭園。別館の客室は1,2階に4室あり、庭園側の2室にはレトロモダンなイスとテーブルが置かれ、日本庭園を心ゆくまで堪能できます。
写真は1階にあるお部屋からの眺め。庭園の緑に彩りを添える真っ青なじゅうたんや木の引き戸のしつらえが、ひとつの美術作品のよう。いつまでも眺めていたい和みくつろげる空間が魅力です。

写真:浮き草 ゆきんこ

2階は真っ赤なじゅうたんが敷かれ、紅葉を思わせるような雰囲気を醸し出します。
1階は庭園をすぐそばで感じられるので、ひっそりとおこもりステイをするのにぴったり。2階は庭園を俯瞰的に眺められるので解放感を求める人におススメです。
日の入り方で景色が変わり、いつまでも見飽きない庭園。夜はうすぼんやりとしたライトがともり、幻想的な雰囲気に。

写真:浮き草 ゆきんこ

もちろん、日本庭園を散策することも可能です。1階奥の扉の横に置いてあるサンダルを履いて庭に出てみましょう。
庭園を少し登り、茶室のような建物から別館全体を眺めると、大正時代の古き良き建物の美しさを目の当たりにできます。

大正時代の意匠が残る別館

写真:浮き草 ゆきんこ

別館の館内も見どころが盛りだくさん。1階の客室横に風情ある茶室があります。宿泊者は自由に入ることができるので、茶室でくつろぐというめったにできない体験を存分に楽しんでみてはいかがでしょうか。

写真:浮き草 ゆきんこ

特筆すべきはこの玄関部分。引き戸ではなく、開き扉なのが洋風建築を多く取り入れられた大正時代の建物ということがわかります。
開いたときギ〜っと古めかしい音が鳴るのもまた一興。
間口が広い玄関、段部分が狭く急な階段、大きな置時計、天井からぶらさがる間接照明など、和洋の融合が感じられます。

写真:浮き草 ゆきんこ

格子状のシンプルな欄間や大正ロマン感じる障子戸、さりげなく置かれた掛け軸が目を引く床の間など、客室内にある一つ一つに当時の職人技を感じられます。
1階の床の間には色紙が飾られています。実は、1974年に上映された映画「砂の器」のロケ地なんです。監督、俳優など1か月にわたり、ここ天野館に滞在をして撮影に挑んでいたそう。
この映画の主演俳優、丹波哲郎氏のサインが飾ってあります。

木次のソウルフード「焼き鯖」も!

写真:浮き草 ゆきんこ

朝食は地元、近県のものを取り入れた和定食。宍道湖のシジミがたっぷりと入った味噌汁や山菜の時期であればわらびのお浸し、日本海で採れた旬の魚の刺身などボリューム満点。
豆腐屋さんが多い島根県らしく冷ややっこも食べ応え抜群です。

写真:浮き草 ゆきんこ

木次のソウルフードといえば焼き鯖。木次は、鮮魚が食べられる限界地だったこともあり、地方へ運ぶための手段として焼き鯖にしたという歴史があります。
丸ごと1匹をじっくり焼き上げた鯖は身がほっくほっく。レモンを絞るとさっぱりとした味わいに。4人以上の宿泊で朝ごはんに焼き鯖がつきます。
デザートは木次住民の定番、木次ミルクのプリンです。子供向けのかわいらしいパッケージですが、ミルクの濃厚なコクと甘みが味わえる本格派プリン。病みつきになるおいしさです。

写真:浮き草 ゆきんこ

朝ごはんは本館の2階。斐伊川堤防桜並木が目の前という絶好のロケーション。桜の時期は花見をしながら朝食を食べることができるので、桜好きは要チェックです。
朝ごはん会場は宿泊者の人数により、変わる場合もあるため、必ずしも本館2階で食べられるとは限りません。桜を愛でながら朝食を食べたいという目的であれば事前に確認しましょう。

時が止まったような静寂な滞在が叶う宿

本館は5室、別館は4室あるものの、部屋はふすまで区切られているだけなので、隣に宿泊者がいるとどうしても人の気配を感じてしまいますが、そこは静けさを楽しめる老舗旅館。静けさを愛し滞在する宿泊者が多いため、さほど気にならないはず。
逆に宿泊者が他にいない場合、別館を貸し切り状態で滞在できるなんてラッキーな日もあります。
徒歩圏内に有名観光地があるわけではないものの、木次にまた帰ってきたくなるそんな心安らぐ老舗旅館です。
2023年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
桜と日本庭園の老舗旅館「天野館」(外部リンク)
http://amanokan.moon.bindcloud.jp/

【トラベルjp・ナビゲーター】
浮き草 ゆきんこ

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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