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スイスの温泉地バーデン!無料の混浴露天風呂で裸の国際交流!?

2024-10-05

スイスに、かなり興味深い温泉スポットがあります。街ナカの川沿いという変わったロケーションの、本格的な湯ノ花温泉。しかも物価の高いスイスで、無料なのです!
水着を着用とはいえ、温泉が裸の付き合いであることは万国共通。ここはひとつ勇気を出して、ローカル人の輪の中に入ってみませんか!?

ゲーテやニーチェも入った温泉

写真:平川 郁世

バーデン(Baden)とはドイツ語で、入浴や水泳という意味です。温泉で知られるこの町は、そのものずばり、バーデンという名前!2000年も前から、バーデンではローマ人たちが温泉を楽しんでいました。かつてはゲーテやニーチェも療養に訪れたという、由緒ある温泉地なのです。
チューリヒから約20キロの北西に位置するバーデン。電車でも、チューリヒからわずか15分で到着します。

写真:平川 郁世

バーデンには、療養を目的とした温泉宿泊施設が多数あります。中でも有名なのは、高級温泉スパ「フォーティセブンFortyseven」。
温泉プール、マッサージ、サウナ、レストラン等がひと通りそろっており、建物はスイスの建築家マリオ・ボッタによるデザイン。

無料の温泉にも行ってみよう!

写真:平川 郁世

とはいえ今回ご紹介するのはこちら、無料温泉です!行き方は、簡単。バーデン駅を降りたら、徒歩10分ほどです。
駅を出てまっすぐ歩いていくと階段があるので、下りてください。右へ行くと、写真のような公共エレベーター(Promenadenlift)があるので、それに乗ってリマト川沿いまで降りて行きましょう。

写真:平川 郁世

エレベーターを降りると、静かな遊歩道(Limmatpromenade)にたどり着きます。
川に沿って左方向に、しばらく歩いていってください。

写真:平川 郁世

やがて遊歩道は、こんなホテル街に変わります。が、無料の温泉はこのホテル街にありません。そこから右へ曲がる、川沿いに出る道があるので、川に沿って歩き続けてください。

路上に突如あらわれる「熱い噴水」

写真:平川 郁世

やがて見えてくるのは、その名も「熱い噴水Heisser Brunnen」。目の前には、川幅約50メートルの川が流れるという、珍しいロケーション!この裏には、高級スパ「フォーティセブン」があるのですが、現地の人はそこには行かず、こちらで気軽に温泉を楽しみます。
まずは水着になるのですが、現地の人は家から着てきて、荷物は付近の石ベンチに置いています(治安は良いので、盗難はまずありませんが、心配な人は入浴中も時々見ているといいですね)。水着を着てこなかった場合は200m先の公衆トイレで着替えてください。残念ながら、更衣室はありません。面倒だからとその場で着替えてしまう方がいますが、ここは公共の場。真似しないようにしましょう!
写真のように、シャンパンやチーズを持ち込んで温泉パーティも……。ただし予約はできませんので、パーティをするなら、たまたま空いている場合に限りますよ!そしてもちろん、先客がパーティをしていても、そこへ入っていって大丈夫。あくまでも一般に広く開放されたスペースなのです。

写真:平川 郁世

浴槽は2つあって、手前は36℃。ヨーロッパ人にとっては適温ですが、日本人にはもの足りない。その奥の熱い浴槽を試してみましょう。こちらは43℃、日本人にも大満足のいい湯加減です!
湯ノ花ただよう、熱い湯舟。混じり気のない、温泉水100%です。排水溝には硫黄が付着しています。なので週に3回、お湯を全部入れ替えて掃除しており、とても清潔。無料なのに、このサービス!
なんせ道端にあるので、浴槽の横を通行人が行き交います。とはいえ、人通りはそれほど多くなく、水着ですから恥ずかしがることはありません。何よりここはスイス、ならばスイス人のように楽しんでしまいましょう!

写真:平川 郁世

入浴中は、ときどき水分補給もするといいですね。ローカルのようにマイボトルを持参して、浴槽のふちに置いておきましょう。
のぼせそうになったら、ちょっと湯から上がって休みましょう。リマト川を眺めていると白鳥も泳いできたりしますよ。と思いきや、温泉から今度は川に入ってしまう人も。山奥の秘湯とちがって、この解放感がたまりません!
川の向こうはエネトバーデンという、バーデンよりは小規模の温泉地。対岸には、同じような熱い噴水の湯けむりが見えます。
<熱い噴水・バーデン(Thermalbad Heisser Brunnen, Baden)の基本情報>
住所:Parkstrasse 31, 5400 Baden
アクセス:チューリヒから電車で15分、Baden駅下車、徒歩約10分
利用時間:毎日7時〜22時 (月水金は清掃のため、11時〜)

バーデンよりもディープな温泉!?エネトバーデン

写真:平川 郁世

さて、橋を渡って、エネトバーデンの熱い噴水にも行ってみましょう。こちらは、まず足湯があります!気軽に楽しめるのが足湯の良いところですが、温度はかなりぬるめの、35℃。
こちらエネトバーデンは浴槽がひとつだけ、温度は約42℃。着替えるトイレが、こちらは浴槽のすぐ近くです。遊歩道がここで途切れているので、入浴客以外に人通りはありません。

写真:平川 郁世

バーデンはどちらかというと個人客や、温冷交代浴もするようなスポーツマンが多いのです。それに対しエネトバーデンは、仲間とじっくり湯に浸かって、アルコールも楽しむ、という方が多い傾向です。
え、入浴中の飲酒は危険!?はい、確かに。
ただし、禁止はされていません。飲食も音楽も「自己責任で」、周囲に迷惑をかけない範囲でお楽しみください!
いちばん人気は、缶ビール。でも時折ワインをボトルで持ち込んで、プラスチックのコップをみんなに配って注いでくれる親切なおじさんもいますよ!いずれにせよ、アルコール以外の飲み物も持参して、水分補給しながらの飲酒を強くおすすめします。
ちなみに週末は混雑していることが多いですが、平日は貸し切りだったり、にぎやかだったり。行ってみるまで分かりません!
<熱い噴水・エネトバーデン(Thermalbad Heisser Brunnen, Ennetbaden)の基本情報>
住所:Badstrasse 30, 5408 Ennetbaden
アクセス:チューリヒから電車で15分、Baden駅下車、徒歩約15分
利用時間:毎日7時〜22時 (月水金は清掃のため、13時〜)

ルールを守って楽しく利用しましょう

写真:平川 郁世

ここまでご紹介した2つの熱い噴水には、共通のルールがあります。
ここは公共の場ですので、はだかで入浴するのはNG!また、ペット、および5歳以下の幼児は、ご利用いただけません。浴槽に入る前に、まずはホースの水でざっと体を洗います。湯から上がった後も、硫黄を水で洗い流すといいですね。
監視人はいないので、あくまでも自己責任で、ご自由にお楽しみ下さいというスタンス。基本的には、一人一人の良心にゆだねられているのです。読書をするも良し、日光浴をするも良し、ヨガや瞑想をしている人もいます。仲間とチェスをしたり、パーティをしたり、飲み会になったり。
実は、酔っ払いが騒ぎを起こしたことも過去にはあったのです。が、それほど問題にはならず、閉鎖もされませんでした。とはいえ、夜は10時になるとお湯が抜かれます。「夜通しパーティしちゃうからじゃない?」とは、実際にしてしまいそうなおじさんの説!

写真:平川 郁世

このバーデンとエネトバーデンの「熱い噴水」は、2021年11月にオープンしました。
「中世最後の公共温泉が廃止されてから150年。バーデンの町に、温泉が帰ってきた!」というキャッチフレーズで、バーニョ・ポポラーレ(大衆浴場の意)協会が発案し、バーデン市とエネトバーデン市が建設、運営しています。

この自然からの素晴らしいプレゼントをみんなで楽しもう

ここバーデンは温泉地で有名なため、世界中から観光客が訪れます。この無料温泉に訪れる客も当然、インターナショナル。だから、英語その他の言語が聞こえてくることも。
たとえドイツ語ができなくても、勇気を出して輪の中(湯舟の中)に入っていってください。リラックスして、国際交流ができますよ!
2024年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
バーデン市の公式サイト、熱い噴水のページ(英語)(外部リンク)
https://deinbaden.ch/en/experience/thermalbaths/hot-fountains-baden-spring
バーニョ・ポポラーレ協会(ドイツ語)(外部リンク)
https://bagnopopolare.ch/projekte/heisse-brunnen/

【トラベルjp・ナビゲーター】
平川 郁世

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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