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「空気は読んでも従わない」小さな勇気が解決策に、職場のジェンダーギャップ解消を考える有識者会議を開催

2023-01-18 12:15 eltha

 世界No.1求人検索エンジン「Indeed(インディード)」の日本法人であるIndeed Japan株式会社では、一人一人がより自由により力を発揮して働くことができる新しいルールや考え方を見つけていく「ハロー、ニュールール!」キャンペーンを開始。その第1弾として、働く上でのジェンダーに関する違和感を募集する「#これでいいのか大調査」を実施した。この調査を通して、日本全国の働く人々から生の声が集まり、ジェンダーギャップに関する意識の実態や問題が浮き彫りとなった。

ジェンダーギャップの解消を考える有識者会議に参加。左から佐藤直樹氏、治部れんげ氏、大八木紘之氏(Indeed Japan株式会社 代表取締役)、田中沙弥果氏

ジェンダーギャップの解消を考える有識者会議に参加。左から佐藤直樹氏、治部れんげ氏、大八木紘之氏(Indeed Japan株式会社 代表取締役)、田中沙弥果氏

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 調査データを元に、職場のジェンダーギャップの課題とその解決策について、専門家が意見を出し合う有識者会議を1月17日に開催。治部れんげ氏(東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授)、田中沙弥果氏(特定非営利活動法人Waffle代表)、佐藤直樹氏(九州工業大学 名誉教授)、大八木紘之氏(Indeed Japan株式会社 代表取締役)の4名が参加し、熱い議論が展開された。

 最初の議論テーマは「性別による仕事の押し付け」。生の声として「清掃、ごみ捨て、洗い物は女性の仕事と決まっている」「男性の方が明らかに残業の時間や回数が多い」などの意見が見られた。

佐藤直樹氏(九州工業大学 名誉教授)

佐藤直樹氏(九州工業大学 名誉教授)

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 いずれも日本企業に根強く残る古い体質が原因とされ、佐藤氏は「日本企業は”みんなで一緒に時間を過ごすこと“が大事で、自分の仕事が終わっても誰かが残っていると帰れない。日本経済停滞の最大の問題です」と説明。さらに「現在も、リモート会議が終わると社長が一番先に退出するなど、会社には『謎のルール』が多い。そうしたルールを見つけてつぶしていくことが大切」と持論を展開した。

田中沙弥果氏(特定非営利活動法人Waffle代表)

田中沙弥果氏(特定非営利活動法人Waffle代表)

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 また田中氏は解決策として「性別による職種配置&雇用側の制度を見直す・変える」と、治部氏は「フェアな企業に転職する!」と主張した。「人材を流動化させることで、フェアな企業が人材を確保でき、ダメな企業からは人材が抜けていく。そうした市場の活性化が大事かなと思います」(治部氏)

治部れんげ氏(東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授)

治部れんげ氏(東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授)

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 続いての議論テーマは「育休・産休に関する課題」。日本では育休・産休に関する制度は揃っているが、「周囲の空気を読むあまり、充分に行使できていない」という実情があるようだ。結果、「正社員が育児休暇を取ると、なぜか契約社員にさせられる」「男で育休を取りたいと伝えたら、上司に怪訝な顔をされた。育休中にも『仕事出てくれ』と催促の電話が……」という生の声にもつながっている。

 佐藤氏は解決策として「『空気は読んでも従わない』小さな勇気」とのフリップを掲げた。「空気を読んでもいいが、読んだ上で無視をする。そのために、会社の内外を問わず、いろんなネットワークを構築するべき。一つのセクションに所属するよりも幅広い見方ができるようになるから」と述べた。また田中氏は「一時的に離職した方の正規雇用機会の道を開く」と、治部氏は「私が一番厳しいかも……(笑)」と言いつつ、「育休・産休ハラスメントをした会社は、社名を公表する」と主張した。

大八木紘之氏(Indeed Japan株式会社 代表取締役)

大八木紘之氏(Indeed Japan株式会社 代表取締役)

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 この日のイベントを終えて、Indeed Japan代表の大八木氏は次のように感想を述べた。「まず皆さんからの意見が1500も集まったことに驚きました。これらのお声をどう解釈し、どう活かせば良いのか、我々だけで判断するのは難しかったので、こういう会議を開いてアドバイスをいただこうと思いましたが、開催して良かったです。短絡的に『この課題はこれ』ということではなくて、一歩も二歩も引いたところから根本の原因や構図を見ることができて、とても良い取り組みだと思いました。今日のような取り組みを今後も続けていくことで、何かしら新しいコミュニケーションが世の中にできることを目指したいと思います。今回のように”有識者会議”という形かどうかはわかりませんが、いずれにしても世の中に対して思っていることを発信する機会は作っていきたいですね」

(取材・文/水野幸則)



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