中林美和、20年の結婚生活は「やり切った!」新たな岐路に立った時、娘たちからの言葉に驚き
2023-03-20 08:40 eltha
■20代半ばで4人の母に 「社会と繋がってないことへの葛藤が大きかった」
──上の娘さんは今年成人式。子育てもいよいよファイナルステージですね。
【中林美和】そうなんです。大学生なのであと少しあるんですが、いい意味で放っておいても大丈夫かなとやっと思えるようになって。娘たちには「あなたたちの人生は(もう)あなたたちのものよ」と言ってますね。
──モデルとして大活躍されていた23歳で結婚。しかも2人の小学生の男の子のステップマザーに。一大決心だったのでは?
【中林美和】みなさんそうおっしゃるんですが、自分ではそんなに構えることもなく、好きな人に子どもがいただけ。彼とは19歳で知り合って、その頃から息子たちとも仲が良かったので自然な流れだったんです。結婚から間もなく長女、次女と授かったのも幸せでした。ただ子育てはそんな悠長なこと言ってられなかったです(苦笑)。
──同世代が遊んだり、自分のために時間を使っている中で葛藤することも?
【中林美和】ありましたね。子育て中は美容やファッションからもすっかり遠のいて、何より社会と繋がってないことへの葛藤が大きかったです。お母さん以外の自分がなくなってしまったようで、子どもを連れず1人で外に出るのが怖かった時期もありました。
──当時、心の拠り所にしていたものは?
【中林美和】やっぱり子どもの成長。あとはブログで繋がった育児中の読者の方々の存在が心強かったです。当時、励まし合った方々のお子さんも20歳くらいになったのかな。そう思うと「よくやったよね!」とお互いを讃え合いたいです。でもあの頃は若さと勢いで乗り切れたんですよね。今だったらいろいろ考えてしまって無理だろうなと思います。
■求められる“キラキラママ”と私生活のギャップに苦悩 もがきながらも見せてきた“母の背中”
【中林美和】次女が2歳になった頃、「輝いているママのロールモデルを探している」とオファーをいただいたんです。ちょうどメディアでも「ママも家事や育児だけでなく、もっと楽しんでいい」というメッセージが盛んにされ始めた時期でした。
──娘さんたちと雑誌の表紙を飾る中林さんは、まさにキラキラ輝くママの代表的存在でした。
【中林美和】実際はキラキラとは程遠い日々でしたけどね(笑)。現場帰りにスーパーでお買い物して、家に着いたとたんに「ママ、お腹すいたー」の大合唱。「はいはい、待ってなさーい」って台所に駆け込んで──。あの頃は比喩でなく髪を振り乱して育児に奮闘していましたし、雑誌で求められる“キラキラママ”と自分のギャップがしんどく感じることも正直ありましたね。
──子育てで大切にしてきたことを教えていただけますか?
【中林美和】どんなに小さなことでも褒めてあげること。たまに謙遜なのかな、「うちの子なんて」と否定するお母さんもいますが、その言葉は絶対に使いたくなかったんです。たとえ結果はうまく行かなくても、頑張る気持ちを応援してきました。それと特に娘たちには自立を促してきましたね。結婚しても旦那さんに頼るのではなく、自分で立つ力を持っていてほしいと“母の背中”を見せてきたつもりです。私も1人になったので、さらに仕事を頑張らないといけないんですけど(笑)。
──今はまさに娘さんたちが“母の背中”を体現しているのでは?
【中林美和】最近は娘たちが私をいっぱい褒めてくれるんですよ。「インディペンデント・ウーマンのママ、素敵!」って。それが何よりも今、私が立つ力になっていますね。
■自分の時間ができた40手前「何が残るんだろう」 塞ぎ込んでいた時期に出会った“精油”が人生の転機に
── 38歳でオーガニックスパブランド「MAROA」を立ち上げたのは、どのようなタイミングだったんですか?
【中林美和】娘たちが中高生になり、自分の時間はできたけど、「自分には何が残るんだろう」と心にぽっかり穴が開いてしまったんです。育児を一生懸命にやってきたけど、ママモデルという肩書ももうしっくりこなくなっていたし、ふと鏡を見ると髪もパサパサ。肌も衰えていて、1年くらい気持ちが塞いでしまった時期がありました。そんなときに友人が誘ってくれた精油の講座にとても救われて、そこから本格的にスクールで勉強を始めたんです。
──子育てがひと段落したとたんに燃え尽きてしまう……。よく聞く話ですね。
【中林美和】育児期にブログを読んでくださっていた方もそんなタイミングかもしれないなと。私と同じような気持ちの方に、喜んでもらえるものを作りたいという思いもありましたね。
──そして41歳で離婚を経験。
【中林美和】20年の結婚生活を振り返れば感謝の気持ちでいますね。たくさんの時間の中で、やれることはやり切ったし、悔いなく次のステージに進もうという感じでしたね。子どもたちには寂しい思いをさせてしまったけど、お互いが幸せになるためのベストな選択でした。子どもたちにもとにかく自分の幸せを追い求めて生きていってもらいたいです。
──一言一言に強さを感じます。その源はどこから来るのでしょうか?
【中林美和】子育てという試練を乗り切れば、何も怖いものはなくなります(笑)。長女と次女、2人の乳児を抱えてた頃は本当に──我ながら「よくやったなあ」と思いますね。そんな2人が最近、「ママ、仕事も恋愛も楽しんで!」って言うんですよ。そんなこと娘に言われるなんて考えたこともなかったのでびっくりしたんですが、いつの間にか大人になってたんだなあとしみじみしちゃいました。
──現在44歳。人生のネクストステージに何かあるかもしれないですね。
【中林美和】どうなんでしょう(笑)。でも今は本当にノーストレスですし、毎日仕事できているのも幸せで、人生満足度は95点。マイナスの5点分はそろそろ更年期もリアルな世代なので、もっと体をいたわらなきゃと思っています。穏やかにふわふわと生きていたいって憧れもあるけど、結局、私はいつも何かしらドタバタやってる。これからの人生も駆け抜けていくんだろうなと思います。
(取材・文/児玉澄子)