ホーム エンタメ > 森香澄「27歳はむしろ遅いんじゃないか」入局4年目で退社を決めた野心の裏側

森香澄「27歳はむしろ遅いんじゃないか」入局4年目で退社を決めた野心の裏側

2023-11-21 08:40 eltha

 今年3月末にテレビ東京を退社した森香澄。それから半年、モデルやバラエティ、エッセイ連載など活動は多岐にわたっており、放送中のドラマ『たとえあなたを忘れても』(朝日放送テレビ・テレビ朝日系)で念願の連ドラレギュラー出演を果たした。局アナ時代からSNSで多くのフォロワーを獲得するなど注目されてきた彼女が、フリーアナ激戦の時代をいかにサバイブしていくのか、しなやかなその生き方を聞いた。

森香澄 (撮影:逢坂聡) (C)oricon ME inc.

森香澄 (撮影:逢坂聡) (C)oricon ME inc.

写真ページを見る

■「会社員時代はいろんな意味で守られてきたんだな」独立後の実感

──フリー転身から半年経った現在の心境をお聞かせいただけますか。

【森香澄】会社員時代はいろんな意味で守られてきたんだなと、改めて感じますね。そこから一歩踏み出すと、お仕事をいただけるのも当たり前じゃない。信頼を築いて次のお仕事に繋げるのも、すべて自分の責任。局アナ時代から真剣に仕事に取り組んできましたが、今はより丁寧に向き合わなければと実感しているところです。

──局アナ時代からタレント性を発揮されてきましたが、局アナでは実現できないことなど葛藤はあったのでしょうか。

【森香澄】SNSなどかなり自由にやらせていただいたことには本当に感謝しています。ただやはり“テレ東の人間”として大きく逸脱したことはできなかったです。もちろん会社員としてはそれが当然ですし、そこまでの発言力もない若手でしたので、局の方針と自分のやりたいことに折り合いを付けながら活動していました。

──入局4年目、27歳での退社は早いという声はなかったですか?

【森香澄】いろんなご意見はあったと思います。社内では、なんとなく30歳くらいが一つの区切りとして考えられることが多かったのですが、私はSNSをやっていたこともあり周りに若い方がとても多かったんです。またエンタメの世界を目指している方の多くは、10代から夢に向き合っています。ということは、27歳はむしろ遅いんじゃないか。新しい挑戦するなら少しでも早いほうがいいという気持ちが後押しになりました。

■中学時代の挫折経て夢見たアナウンサー 才能あふれる周囲への憧憬と焦りが“可愛い”を磨くきっかけに

森香澄 (撮影:逢坂聡) (C)oricon ME inc.

森香澄 (撮影:逢坂聡) (C)oricon ME inc.

写真ページを見る

──局アナからフリーへ、順調にキャリアを歩んでいるイメージがありますが、人生で挫折を味わったことはありますか?

【森香澄】最初の挫折はピアノでした。3歳から習っていて、中学生までプロを目指すコースに通っていました。ただどんなに努力をしても天賦の才能には敵わないと、あるときに気付いてしまったんです。上手に弾くとかより何より、圧倒的に人を惹きつける演奏をする方はいて──。進路を選択する段階で諦める決意も付きました。

──そこから局アナを目指すという次の目標が?

【森香澄】はい。ただアナウンサーを目指していると、周りにはミスコンに出場していたり、才能を発揮していたりと、とにかく輝いている子たちばかり。そうした環境の中で「自分には何があるんだろう?」と焦ることも多かったです。メイクの研究に勤しむようになったのもその頃から。可愛くなりたいというよりも、自分に自信を持ちたいという気持ちからでした。

──同世代の同性から支持されるようになったのも、そうした努力の成果だったんですね。

【森香澄】何でもそうだと思うんですが、とことん突き詰めて「これが自分のベスト」というところに到達すると自信が表情にも現れると思うんです。周りからも「どこのリップを使ってるんですか?」と興味を持ってもらえたりと、自分から発信できるものをつかめたのもうれしかったですね。

──そして出演中のドラマ『たとえあなたを忘れても』ではプロのピアニストを演じられています。

【森香澄】プロを諦めてからは、演奏で惹きつけるよりも楽しんでいただきたいと思考を切り替え、発表会ではピアノに自作の歌やダンスを取り入れたりしてきました。そうしたエンタメ精神が今の活動にも繋がってると思うんですが、今回の役をいただき改めて“プロとしての演奏”の練習を積んで撮影に臨みました。目標の1つだった演技の原点として、忘れられない作品になると思います。

■憧れる先輩は大橋未歩 「今いる場所にしがみつこうとしない姿勢を尊敬」

森香澄 (撮影:逢坂聡) (C)oricon ME inc.

森香澄 (撮影:逢坂聡) (C)oricon ME inc.

写真ページを見る

──局アナからフリーへの転身が相次いでいますが、ロールモデルとされる方はいますか?

【森香澄】カッコいいなと思うのは、先輩でもある大橋未歩さん。突然渡米を決めてしまったり、今いる場所にしがみつかず、ご自身の道を進む姿勢を尊敬しています。そのほかの先人のみなさんも本当に幅広い活動を実現されていますよね。一昔前はフリーアナといえばMC、最終的には報道番組を担当するのが目標といった風潮がありましたが、そこだけに縛られなくていいという道を作ってくださったみなさんに感謝しています。

──女性の20代後半は多くの選択肢に迷う時期でもあります。森さんは今現在、自分の進む方向をどう見据えていますか?

【森香澄】一番思いが強いのは演技ですね。5年後、10年後にも演技の現場に呼んでいただきたいですし、ゆくゆくはミュージカルにも挑戦したい。ただ、そこに向かう道のりにいろんな枝葉があってもいいと思っています。今は「森香澄っていろいろやってるよね」とみなさんに認識していただきながら、この世界で信頼を積んでいる段階だと思っています。

──では“次のライフステージ”に進むのはまだ先になりそうですか?

【森香澄】そうですね。今はまさに周囲が結婚ラッシュ。また出産したばかりの子やキャリアアップを目指して転職する子など、ちょうど帰路に立たされる年代なんだなと感じています。ただ私はあまり年齢に捉われずに、自分の気持ちを俯瞰して、今したいことに正直でいたいですね。それで失敗しても自分のせいだって納得ができますし。退社することも誰にも相談せず自分で決めたんです。

──突然の結婚発表で驚かされることもあるかもしれないですね。

【森香澄】もちろんお仕事に支障をきたしてまで強行突破はしないですけど、それも自分の気持ちを優先したいと思っています。ただいくつまでに、というのもぜんぜん考えてないんですよ。私がピアニストになれなかったように、だいたい人生って思い通りにならないですから、先のことを思い悩むよりも今したいことに全力でありたいです。
(取材・文/児玉澄子)



関連写真

関連リンク

Facebook

あなたにおすすめの記事

注目★トピックス


おすすめコンテンツ


P R
お悩み調査実施中! アンケートモニター登録はコチラ

eltha(エルザ by オリコンニュース)

ページトップへ