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酷暑を乗り切る汗対策 更年期やストレスで汗のニオイにも変化?【医師監修】

2023-08-29 eltha

 今年は猛暑が続き、汗が滝のようにでてとまらない…という人も多いのでは。汗をかいたときに気になるのがニオイ。特に年齢を重ねていくと、身体のニオイも変わってくるそう。女性の汗のニオイ対策について、逗子メディスタイルクリニックの徳永理恵院長に聞きました。

加齢で汗がにおう? その原因は

 徳永院長は「女性も加齢で体臭の変化はあり得ます」と話す。

 加齢臭の原因は「ノネナール」と呼ばれる原因物質。これは、20代から30代前半までの人からはほとんど検出されないのに対し、30代後半になると増え始めます。そして40代以降になると、男女の性差に関わらず検出される頻度や量が増加する傾向。加齢臭の主な原因になるノネナールの生成を抑えることが、加齢臭対策にも有効と考えられています。

「加齢臭が発生しやすい部位は基本的に背中や胸などですが、人は体幹に汗をかきやすいので、背中・ワキ・胸あたりからにおうように感じます」(徳永院長)
 大人女性の汗がにおう原因について解説します。

【肥満】
肥満は汗の臭いの原因となる要因のひとつです。肥満は皮脂の分泌を増やし、ワキなどの蒸れやすさを高めます。また、肥満は糖尿病や甲状腺機能低下症などの内分泌系の疾患が隠れている可能性があり、それらの疾患も汗の分泌に影響をあたえたり、特徴的な臭いがでることがあるため、体臭に影響します。

【食生活】
食生活も汗の臭いに関係しています。特に動物性の脂質やタンパク質を多く摂ると、アポクリン汗腺から分泌される汗に含まれる脂肪酸などの成分が増え、臭いが強くなります。また、ニンニクやカレーなどの香辛料やアルコールも体臭に影響します。

【更年期】
女性は更年期になると、女性ホルモンの分泌が減少し、自律神経のバランスが崩れます。その結果、体温調節がうまくできなくなり、発汗量や臭いの強さが増します。また、更年期にはストレスや不安も多くなり、精神性発汗も起こりやすくなります。

気になりだしたら止まらない汗 快適に過ごすための対策は?

 汗は体温調節のために必要なものですが、過剰に出ると不快感やニオイの悩みを引き起こします。そんな汗を抑えるためには、以下のような方法があります。

【有酸素運動をする】
有酸素運動は、じっくりと時間をかけて汗をかけるエクササイズです。血行が良くなり、汗腺で汗がしっかりとろ過されるので、ニオイがほとんどない良い汗がかけます。有酸素運動にはウォーキングやジョギング、サイクリングなどがおすすめ。週に3回以上、30分以上行うと効果的です。

【温冷シャワーを浴びる】
温冷シャワーとは、温水と冷水を交互に浴びること。温水で血管を拡張し、冷水で血管を収縮させることで、血液の循環を促進し、体温調節能力を高めます。温冷シャワーは出かける前やシャワー後に行うと効果的。温水は40度以下、冷水は20度以下に設定し、それぞれ30秒から1分ずつ浴びるのがおすすめです。

【脂っぽい食べ物を控える】
食事は、動物性脂肪を控えるよう意識してみてください。動物性脂肪は消化に時間がかかり、体温が上昇しやすくなります。また、脂っぽい食べ物はニオイの原因にも…。代わりに野菜や果物、海藻、大豆製品などを積極的に摂るように心がけて。これらの食品はビタミン、ミネラルなどが豊富で、抗酸化作用もあります。

【制汗剤やデオドラントを使う】
制汗剤やデオドラントは汗や臭いの対策として有効ですが、正しい使い方をしないと逆効果になることも。

制汗剤やデオドラントを使うときの注意点

【使用部位に合わせて選ぶ】
全身に使いたい人はウォーターやスプレーやシートタイプが向いています。ワキ汗や顔汗など部分的な悩みがある人はロールオンやクリームタイプがおすすめ。

【無香料または自然な香りを選ぶ】
香りが強すぎると汗の臭いと混ざって逆効果になることも。香りには個人差があるので、周囲の人に不快感を与える可能性もあります。そのため、香りなしまたは自然な香りを選ぶのがおすすめ。

「最近では『腋窩多汗症』に対し、保険適応の塗り薬が出てきています。『腋臭症』が適応ではないのですが、量も多くて悩んでいらっしゃる方には有効なお薬です。また、香りを選ぶ場合はグリーン系やシトラス系が汗の臭い対策には向いており、ムスク系やウッディ系は加齢臭を際立たせるという報告もあります。汗を抑える、消臭する、香りでマスクする、それぞれの製品の特長をしっかり把握して使ってみてください」(徳永院長)

 汗は誰でもかくものですが、臭いが強くて悩んでいる場合は、皮膚科や形成外科などに相談してみましょう。汗の予防と対策を徹底して、快適な暑さを乗り切りましょう。
徳永理恵

監修者プロフィール 徳永理恵

逗子メディスタイルクリニック院長
国立東京医科歯科大学医学部を卒業後、同大学形成外科所属。2010年逗子メディスタイルクリニックを開院。自然・健康・美容のまち”逗子葉山”で、生活の一部としての美容医療を啓蒙している。自分自身の美しさを引き出す『美肌プログラム』を提案。し、メディカルエステ、ネイル・エクステサロンもプロデュース。3人男子の育児にも奮闘中。

所属学会:日本形成外科学会/日本美容皮膚科学会/日本サポーティブケア学会/医療アートメイク学会

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