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スケールの大きな自然のなかで、多彩なアクティビティを楽しめるのも、ハワイの魅力。今回は、ハワイ諸島の中で最も大きいビッグ・アイランド(ハワイ島)へ。マナ(霊力)に守られていると伝わる谷で、奇跡のような自然と、素顔のハワイに出合った。
「植物って、たくましい」長い年月の果てに沙漠は緑に変わるのだろう
ツアー・ガイドのアリスさん。本名はMatsuo Tamamiさんとおっしゃるハワイ在住の日本人
展望台からは見えるのは断崖絶壁に囲まれたワイピオ渓谷のほんの入り口だ
日本からハワイ島へは、成田空港とコナ国際空港を結ぶJALWAYS(JO)の直行便(1日1便)か、オアフ島ホノルル国際空港経由でコナまたはヒロ国際空港へ行くことができる。 ハワイ島には、標高4000メートルを越す2つの山に加え、現在も活発な火山活動を続けている「キラウエア」がある。いつ溶岩流が迫ってくるかわからないこの島には、ワイキキのような高層ビル街はない。島内を車で走っていると、「なんて空が広いんだろう」と思うばかりだ。地表に目を移せば、黒く渇いた溶岩の沙漠。そんな溶岩の大地の隙間から、いかにも乾燥に強そうな草が生え始めていた。 目指すところのワイピオ渓谷は、ハワイ島の北西部に突き出したコハラ半島のいちばん東にある。この半島はハワイ島のなかでもっとも地質年代が古く、北東から吹きつける貿易風と多量の雨が岩を刻み、大小様々な滝と渓谷をつくり出した。豊富な水は植物の生長を育んだ。 そんなワイピオ渓谷は、太古の昔からハワイ人の神話のふるさととなり、古代ハワイの王が住む神聖な場所とされた。別名「王の谷(Valley of King)」とも呼ばれ、渓谷の崖にある古代の洞穴には、多くの王が埋葬されているらしい。その強力なマナ(霊力)に、今もこの谷は守られている――とかの地では信じられてきた。 溶岩の台地を走っていた車は、ワイメアから 19号線を東へ向かい、240号線を左折、半島の付け根に向かう。走ってきた道が突然終わり、視界が開けると、空に向かってそそり立つ断崖が目に飛び込んで来た。その下に目をやると緑の湿地帯と黒い砂浜のビーチ、そして真っ青な海が広がっていた。 この景色、カメラのレンズにおさまりきれない。谷を渡る風の気持ち良さ。これって、ハワイのマナによるものなのかしら・・・。 ワイピオ渓谷を見下ろす展望台までは、個人のレンタカーでも行くことができるが、谷底へは住民以外の一般車は立ち入りができないことになっている。 観光客は、徒歩で行くか(いわゆるトレッキング)、ガイド付きツアーを利用することになる。ガイド付きツアーはこの地にまつわる神話や歴史、自生する植物について説明してくれるので、一度は参加してみたい(英語が堪能でない人は、日本語のガイドかどうか事前に要確認!)。馬車で谷間を巡るワゴンツアーもあって人気だ。
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