ホーム 旅行&おでかけ > 奈良・大和郡山「大和な雛まつり」で雛人形めぐりを楽しもう!

奈良・大和郡山「大和な雛まつり」で雛人形めぐりを楽しもう!

2022-02-21

奈良県大和郡山市では、例年2月下旬から3月上旬にかけて市内城下町一帯にて、今も残る町家や商店街に様々な時代のお雛様が飾り付けられます。なかでもメイン会場となるのは、町家物語館・箱本館「紺屋」・源九郎稲荷神社の3つの施設。3施設を中心に、早春の城下町を彩る「大和な雛まつり」で、雛人形を鑑賞する旅のみどころをご紹介いたします。

町家物語館(旧川本家住宅)の雅な「御殿飾り」

写真:モノホシ ダン

「大和な雛まつり」のメイン会場のひとつである町家物語館(旧川本家住宅)は、中心市街地の洞泉寺町(とうせんじちょう)にある大正時代の町屋建築です。
洞泉寺町は、かつて遊郭いわゆる傾城町として賑わっていた歴史があり、旧川本家住宅は、本館、座敷棟、蔵および納屋の3棟から構成される木造三階建の遊郭建築で、国の登録有形文化財。当時の上流花街の繁栄が偲ばれる貴重な建築物です。

写真:モノホシ ダン

「大和な雛まつり」では、市内の旧家から寄贈された貴重な雛人形を展示しています。町家物語館では、入ってすぐのところに御殿飾りの雛人形があります。
御殿飾りとは、京都御所・紫宸殿を模した「御殿」を飾り、そのなかに天皇皇后を模した内裏雛のお人形を入れるというもので、明治から大正にかけて、京阪神地区で一般的だった雛人形です。

写真:モノホシ ダン

ところで、“雛まつり”と言えば3月3日ですが、この日は「金魚の日」でもあります。江戸時代、金魚は雛まつりの際に、お雛様と一緒に飾る風習がありました。女の子の健やかな成長を願うお雛様と、愛らしい金魚のコラボレーションをお楽しみください。

見る者を圧倒する大階段の雛人形

写真:モノホシ ダン

豪華な御殿飾りや七段飾りのほかに、シンプルな「親王飾り」もあります。親王飾りは、内裏雛(だいりびな)ともいい、童謡『うれしいひなまつり』を連想させます。
内裏雛のモデルは、天皇と皇后です。親王とは天皇の皇子のことで、女の子に天皇の皇后のような幸せな結婚をしてほしいという願いが込められています。

写真:モノホシ ダン

雛段に載っている五人囃子や仕丁たちが交差するように飾られたモダンスタイルも。これは、関西文化芸術高校の生徒たちが、雛祭りや大和郡山市をテーマに製作したものです。

写真:モノホシ ダン

町家物語館の雛飾りで最大の見どころが、二階から三階へと通じる大階段のお雛様です。約120体の雛人形が所狭しと並べられ圧巻の光景です。
よく観察すると、男性の人形は階段の下段にまとめられ、上段は女性の人形が占めている女性上位の配置となっているのが面白いです。

旧遊郭としての「町家物語館」の見どころ

写真:モノホシ ダン

旧遊郭でもある町家物語館は、現在も良好な保存状態で、特殊な建築技法を随所に取り入れた遊郭建築ならではの造形美を見ることができます。
廊下には、当時まだ珍しかった「ガス燈」の器具も残されています。大正時代のガス燈といえば、換気の問題から街路灯としての使用を思い浮かべますが、屋内灯にも使われていたのは驚かされます。
ほかにカマボコ型に切り取られた壁は、防犯用のもので、例えば悪さをする客がいた場合、娼妓が叫んで外に知らせるためのものです。また、1958年(昭和33年)の遊郭廃業後は、しばらくは大和郡山の高校に通う学生の下宿先として使われていたため「電気メーター」が壁の隅の四角い板に取り付けられていました。

写真:モノホシ ダン

さらに、2階の髪結場からは、ハートの三連型の窓を見ることができます。正式には猪目窓(いのめまど)といい、字のごとくイノシシの目を意味します。
猪目は古来より魔除けや福を招く護符の意味合いがあり、神社仏閣などの建築装飾やさまざまな器具などの飾り文様としても使われています。

写真:モノホシ ダン

1階の廊下に囲まれた風情ある中庭は、採光のため吹き抜けになっています。そして中庭の井戸は、現在でも水を汲み取ることができます。
ほかに見ておきたいのが、1階にある娼妓が使っていた小物入れ。当時のままのもので、勤めていた娼妓の名前が残されています。まさに時代を超えて、過去の遊郭が現代によみがえったような不思議な感じがするでしょう。
<町家物語館の基本情報>
住所:奈良県大和郡山市洞泉寺町10
電話番号:0743-52-8008
開館時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:雛まつり開催期間中は無休
入館料:無料
アクセス:近鉄郡山駅から徒歩約8分、JR郡山駅から徒歩約8分

箱本館「紺屋」の絢爛豪華な吊るし雛

写真:モノホシ ダン

「大和な雛まつり」で、町家物語館に続いてお勧めなのが、箱本館「紺屋」。紺屋町は、大和郡山市が城下町の頃、藍染が盛んにおこなわれた町で、箱本館「紺屋」は、江戸時代から続いた藍染め商の町家を再生し、藍と金魚が楽しめるようにした施設。予約制で、ハンカチなどの藍染め体験もできます。
箱本館「紺屋」の雛人形は七段飾りで、入って正面にある吊るし雛とのコラボは人気の撮影スポットです。

写真:モノホシ ダン

館内には「金魚のおひなさま」も。様々な金魚が泳ぐ金魚鉢や水槽がひな壇に並び、本物の雛人形とともに楽しめます。
金魚のおひなさまと雛人形の間には、毎年夏に、大和郡山市で開催される全国金魚すくい選手権大会のマスコットキャラクター「きんとっと」と「デメッキー」の像も飾られています。

写真:モノホシ ダン

なお、絢爛豪華な吊るし雛には、金魚の町・大和郡山ゆかりの金魚も数多く見られます。入館料も無料なので、ぜひ立ち寄ってみましょう。
<箱本館「紺屋」の基本情報>
住所:大和郡山市紺屋町19-1
電話番号:0743-58-5531
開館時間:9:00〜17:00
休館日:雛まつり開催期間中は無休
アクセス:近鉄郡山駅より徒歩約5分、JR郡山駅から徒歩約10分

「源九郎稲荷神社」では約150年前の雛人形が

写真:モノホシ ダン

町家物語館のすぐ近くにある「源九郎稲荷神社」は、豊臣秀吉の弟、豊臣秀長が創建した洞泉寺の護法神として祀られた神社です。風格ある両部鳥居には、「日本三社 源九郎稲荷神社」と書かれた扁額がかけられています。

写真:モノホシ ダン

ところで、神社名の源九郎とは、人形浄瑠璃・歌舞伎の『義経千本桜』に出てくる源九郎狐のことです。
源義経が、兄頼朝の追手から逃れて吉野山に落ち延びた際に、義経の家来に化けて義経を守り通した狐こそ源九郎狐であり、義経は自分の幼少名である「源九郎」の名をこの狐に与え感謝の気持ちを伝えました。
源九郎稲荷神社では、約150年前の雛人形や遊女が大切にしていた人形などを見ることができます。

写真:モノホシ ダン

「大和な雛まつり」の期間中、源九郎稲荷神社では立ち雛の絵が素敵な限定御朱印をいただけます。授与品では、ちりめん狐ストラップや源九郎狐ステッカーなどが人気です。
<源九郎稲荷神社の基本情報>
住所:奈良県大和郡山市洞泉寺町15
電話番号:0743-55-3830
アクセス:近鉄郡山駅から徒歩約8分、JR郡山駅から徒歩約8分

同時開催中の大和郡山「盆梅展」とともに訪れるのもいい

いかがでしたか。ほかにも「大和な雛まつり」では、ご紹介した施設を含む約100店以上でお雛さまを展示しています。
同時開催中の大和郡山「盆梅展」とともに、春の訪れを感じながら、観梅と雛人形めぐりの旅を楽しんでください。
2024年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
第13回「大和な雛まつり」(外部リンク)
https://r.goope.jp/srb-29-34/info/5546078
町家物語館(外部リンク)
https://www.yk-kankou.jp/spotDetail47.html
箱本館「紺屋」(外部リンク)
http://www.hakomoto.com/
大和郡山市観光協会(外部リンク)
https://www.yk-kankou.jp/
奈良・大和郡山の「盆梅展」でひと足早い春の訪れを感じよう!
https://www.travel.co.jp/guide/article/42006/

【トラベルjp・ナビゲーター】
モノホシ ダン

関連記事

提供元:トラベルjp 旅行ガイド

Facebook

あなたにおすすめの記事

P R
お悩み調査実施中! アンケートモニター登録はコチラ

eltha(エルザ by オリコンニュース)

ページトップへ