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バラとカサブランカが咲き誇る!奈良の厄除け霊場「大和松尾寺」

2022-05-08

奈良県大和郡山市の矢田丘陵にある「大和松尾寺」は、天武天皇の皇子が、厄除け祈願をして創建されたと伝わる日本最古の厄除け霊場のひとつです。そして、境内の“お花畑”には見事な「バラ園」と、ユリの品種「カサブランカ」の鉢植えがありシーズンには、約500株のバラと約5000輪のカサブランカが咲き誇ります。大和松尾寺で、厄除けを祈願し、野鳥のさえずりを聞きながらバラとカサブランカを楽しんでみませんか?

「大和松尾寺」は厄を盗む“厄攘(やくじょう)”の寺

写真:モノホシ ダン

大和松尾寺は、奈良県の大和郡山市にある真言宗醍醐派の別格本山です。『厄攘観音来由記』『松尾寺縁起』等によると、718年(養老2年)、天武天皇の皇子、舎人(とねり)親王が、勅命による『日本書紀』編纂の折、42歳の厄年であったため、日本書紀の無事完成と厄除けの願をかけて建立したと伝わります。
小泉側からの参道に建つ「北惣門」(写真)は、一間の薬医門で、門から108段の石段が一直線に本堂まで通じています。
ほかに、参道としては法隆寺側の「南惣門」もありますが、駐車場は北惣門前にありますので、車で大和松尾寺にやって来られた方は、北惣門から参拝しましょう。

写真:モノホシ ダン

本堂は、火災による焼失後、南北朝時代の1337年(建武4年)に再建されたもので、重要文化財。本尊の千手千眼観世音菩薩(やくよけ観音)は、千の手、千の目をお持ちになる秘仏で、年に一度11月3日に開扉されます。
内陣では、年中毎日(金曜日を除く)すべての厄除けのご祈祷が行われています。

写真:モノホシ ダン

ちなみに、大和松尾寺では、厄除けのことを「厄攘(やくじょう)」と呼んでいます。厄攘とは、厄を盗むこと。
日本最古の厄除け霊場の大和松尾寺で、今年の干支や自身の干支の絵馬を選び、願い事を書いて厄を盗んでいただきましょう。

修験道の拠点としても栄えた大和松尾寺

写真:モノホシ ダン

本堂の裏手には、護摩壇、神霊石の大岩、行者堂、三重塔が整然と建ち並び、じつに荘厳な眺めです。
護摩壇では、修験道の法流により、毎年2月のはつうま厄除大祭、3月の初牛厄除祭と9月第1日曜日に、厄除開運、交通安全、家内安全、諸願成就を祈り、柴燈(さいとう)大護摩が奉修されます。

写真:モノホシ ダン

中心伽藍より一段高いところにある「三重塔」は、寺伝によると平安時代の835年(承和2年)の創建といわれ、現在の塔は、明治時代に再建されたものです。塔内には、後水尾天皇の持仏だった如意輪観世音菩薩が寄進され祀られています。
なお、三重塔への石段を登った先には、松尾山神社もありますので、厄除け祈願の方は、こちらもお参りするようにしましょう。

写真:モノホシ ダン

大和松尾寺は、室町時代以降、修験道の拠点としても栄えました。「神霊石の大岩」は、昔の人々が神仏の化身とも、神の座とも思って天を拝したという遺跡で、片麻岩(へんまがん)でできた大岩です。窟も見られる大岩は、修験道の山だった面影を残しています。
この大岩を巡って、西国三十三所松尾山石仏観音(ミニ霊場)を順拝することができます。

世界各国のバラの花が楽しめる“お花畑”

写真:モノホシ ダン

大和松尾寺の境内で、バラの花が楽しめる“お花畑”があるのは、福寿院の前で、世界各国を原産地とする、大中小の色とりどりのバラが栽培されています。その数は、80種類約500株です。

写真:モノホシ ダン

栽培されているバラは、鉢植えと地植えの両方で、ディスプレイもスタンドやアーチ、パラソル仕立てとバラエティーに富んでいます。

写真:モノホシ ダン

バラの栽培品種は、レッドライオン、マリーナ、チャールストン、ピースなどで年によって栽培品種が変更になる場合があります。なお、一般公開は、例年5月中旬から5月下旬で、見学料は無料です。

5000輪のユリの花が咲く「カサブランカ回廊」も逃せない

写真:モノホシ ダン

また、バラの季節が過ぎると、ユリの品種の一つ「カサブランカ」が境内を彩ります。鉢植え花が整然と並ぶその見事さから「カサブランカ回廊」と呼ばれています。期間は、毎年6月30日(夏越の祓)から7月中旬頃までです。

写真:モノホシ ダン

カサブランカというと、恋愛ドラマ映画やモロッコの地名を思い浮かべますが、ユリのカサブランカは、スペイン語で「家」を意味する「カサ」と「白」を意味する「ブランカ」の2語で作られた造語です。
大和松尾寺では、白を中心に赤、黄、ピンク、紫など5色のカサブランカを見ることができます。

イケメンの日本最古の大黒天像を祀る「七福神堂」

写真:モノホシ ダン

ほかに松尾寺の見どころとしては「七福神堂」が。その名前の通り七福神を祀り、通常拝観できる唯一のお堂です。御本尊は引き締まった表情の大黒天立像(重文)で、福岡県の観世音寺の木造大黒天立像とともに、日本最古クラスの大黒天像です。
近世の一般的な大黒天さんのイメージのふくよかな笑顔や打ち出の小槌といった特徴は無く、お顔はキリリと引き締まっていて、一見、怒りの表情に見えるほど。
それもそのはず、大黒天は、そもそもは戦闘の神であり、一般的な大黒さんのイメージはおもに江戸時代以降に形作られたものだからです。

写真:モノホシ ダン

御朱印は、右から御本尊の千手千眼観世音菩薩、松尾山七福神、松尾山神社の順です。
大和松尾寺で、心癒される美しい花々を鑑賞し、希少な大黒天像を拝見してください。

大和松尾寺の基本情報

住所:奈良県大和郡山市山田町683松尾山
電話番号:0743-53-5023
拝観時間:9:00〜16:00
拝観料:境内自由(七福神堂300円)
アクセス:JR大和路線「大和小泉駅」から近鉄郡山駅行バス
または近鉄「郡山駅」から小泉駅東口行バス「松尾寺口」下車、徒歩約30分
車利用の場合は、西名阪自動車道・法隆寺ICから約15分。無料駐車場利用
2023年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
大和松尾寺(外部サイト)
https://matsuodera.com/

【トラベルjp・ナビゲーター】
モノホシ ダン

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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