ホーム 旅行&おでかけ > 三重にある日本三大峡谷「大杉谷」日本屈指の秘境登山道へ挑め!

三重にある日本三大峡谷「大杉谷」日本屈指の秘境登山道へ挑め!

2021-08-11

近畿の百名山・大台ヶ原。その山麓に、屋久島と並んで日本一の降水量を誇る場所があるのはご存知でしょうか?その名も「大杉谷」。年間降水量4000mmを超え、雨による浸食作用で、圧巻の大渓谷が形成されています。大瀑布とエメラルド色の渓流、緑濃い樹林と乱立する巨岩!そこはまさに秘境の様相です。今回はそんな大杉谷の登山道をご紹介。初心者でも挑戦可能なプランも盛り込み、難易度別に取り上げます。

アクセスも過酷!秘境「大杉谷」の初心者向けルートは三つ

写真:土庄 雄平

今回紹介する「大杉谷」の第一関門となるのはアクセスです。なぜなら高速道路で最寄りの大宮大台ICまで行っても、そこから登山口となる「中部電力 宮川発電所」まで下道を1時間以上走らなければならないから。さすがに関西屈指の秘境と言える立地を誇っています。
それに加えて、大杉谷のトレッキングルートは、どこまで歩くかによりますが、見所となっている景勝地まで行くと長距離になります。そのため、登山開始が遅くならないよう、遅くとも9時前後には登山口に到着することが必須です。
まさにここまで見ても、「大杉谷」が日本有数の秘境登山道だと言われる理由が分かるのではないでしょうか?

写真:土庄 雄平

それでは第一関門のアクセスをクリアし、周辺の無料駐車場へ車を停めたら、いよいよ登山開始!大杉谷登山道は約12kmにわたり渓流沿いを歩く内容になっていますが、初心者の場合、それを踏破するのは体力・難易度・歩行時間を考えて中々ハードルが高いです。そのため、今回は比較的挑戦しやすい以下のルートを紹介します。
(1)京良谷付近まで往復(4km/3h)
(2)シシ渕まで往復(9km/7.5h)
(3)途中の桃の木山の家で一泊、七ツ釜滝まで往復(14.6km/10.5h)
なお、いずれも折り返す地点を変更しただけで、基本的に同じ導線を辿ります。

手軽に秘境の趣を楽しめる!京良谷までの日帰りトレッキング

写真:土庄 雄平

まず紹介したいのは、大杉谷でも前半にある「京良谷」周辺まで歩くルート。特徴としては、危険な区間がなく、初心者でも手軽に秘境の自然に触れられるという点です。全く登山をしたことがないという方にお勧めします。
それでは舗装林道終点まで歩き、中部電力 宮川発電所を通り過ぎて入山しましょう。すると序盤から「大杉谷」らしい渓谷遊歩道が展開!岩をくり抜いた道が伸び、横には鎖が付いています。鎖を掴まなくても歩けますが、特に雨で滑りやすい時の安全防止用として設置されています。
渓谷を流れる水はエメラルドグリーン色を見せ、周囲の樹林が美しく、まさしく秘境の様相。大杉谷はこんな道が約12kmにわたって続いていきます。ここで紹介するルートは2km付近で折り返すルートです。

写真:土庄 雄平

前半は鎖が付いた遊歩道、樹林の中を歩く道が交互にやってきますが、大杉谷のもう一つの特徴は、随所に現れる吊橋。基本的に渓谷沿いを歩くため、数多くの吊橋を渡し、スリリングな登山道を作り上げています。「地獄谷吊橋」は、最初に現れる本格的な吊橋で、緑に囲まれ、美しい渓谷を望む趣たっぷりのスポットです。

写真:土庄 雄平

そしてスタートから2時間前後で、目的地の「京良谷」周辺へ。ここでは河原があるため、川へ近づくことができます。思わず手に掬ってみたくなる程、水が透き通っており、そして渓流は信じられないほど鮮やかなエメラルド色。国内屈指の秘境「大杉谷」が魅せる神秘の世界に浸りましょう!
<参考タイム>※時間はスタート後からの経過時間
登山口→大日ぐら→地獄谷吊橋(45分)→京良谷(1時間30分)

景勝地「シシ淵」へ!スリリングな日帰りトレッキング

写真:土庄 雄平

少し山を歩き慣れている、もしくは体力的にまだ行けそうという方には、ぜひ代表的な景勝地「シシ淵」まで歩いてみてはいかがでしょうか?このシシ淵はスタートから約4.5kmの地点にあり、前述したルートの約二倍の時間を要します。
その一方、このルートは道が少し険しくなります!シシ淵に辿り着く直前には、スリリングな岩場が現れるため、鎖を確実に握り、より足運びに注意が必要です。しかし慣れてくれば、冒険感覚の登山が楽しくなってくるはず!

写真:土庄 雄平

そして、京良谷から約1時間で「シシ淵」に到着します。するとそこは巨岩と樹林に囲まれ、まさに秘密の部屋のような空間。
溢れる緑と、コンコンと湧出する水。渓谷の奥には「ニコニコ滝」という大瀑布が、水しぶきを上げながら轟きます。生命力の美しさと、ダイナミックな自然を感じられる、まさに秘境「大杉谷」の核心部と言える景勝地です。

写真:土庄 雄平

なおニコニコ滝を見渡せる展望所まで上ることも可能です。しかしながら一段と険しく、大杉谷登山道に中でも最も注意を要する区間なので、手と足で確実に身体を支えながら進んで下さい。
そして休憩できる東屋まで到着すれば、落差100mを誇る「ニコニコ滝」の全貌が!ストレートに落ちる直瀑なのですが、途中に岩肌にあたって細かく分かれていきます。しなやかさと迫力を兼ね備えた表情豊かな名瀑です。
<参考タイム>※時間はスタート後からの経過時間
登山口→大日ぐら→地獄谷吊橋(45分)→京良谷(1時間30分)→千尋の滝(2時間20分)→シシ淵(3時間20分)→ニコニコ滝(3時間40分)

大杉谷を満喫!山小屋宿泊1泊2日で「七つ釜滝」まで

写真:土庄 雄平

そして最後、より大杉谷の奥へと入る「七つ釜滝」までのルートをご紹介!初心者であれば一泊して挑むことをおすすめします。途中にある「桃の木山の家」に宿泊して、日本の滝百選にも選ばれている名瀑「七つ釜滝」(登山口から7.3km地点)で折り返す内容です。
桃ノ木小屋はシシ淵から1.7km程行った場所にあり、大杉谷の登山拠点に使われている山小屋です。山小屋と言えば、雑魚寝でお風呂がないイメージもありますが、この桃の木山の家は個室も多く、清潔であり、名物のヒノキ風呂にも入ることができ、快適な宿泊が可能です。

写真:土庄 雄平

なおシシ淵から桃ノ木小屋へ至る途中には、カメラに収まりきらない程大迫力の平等ぐらという巨岩と、それを見渡す平等ぐら吊橋が現れます。息を呑む大スケールの自然を前に、思わず立ち尽くしてしまうことでしょう。

写真:土庄 雄平

そして二日目、桃ノ木小屋から0.7km進むと、目的地の「七つ釜滝」へと到着します。その名前の通り、幾つもの滝つぼを形成しながら、滝の連続する奇観が特徴的!両側を鮮やかな緑に囲まれているのも、秘境らしい独特な風情を醸し出しています。日本の中でも屈指の多雨地域という点と、この地の独特の地質・地形が作り上げた、大自然の芸術作品です。
<参考タイム>※時間はスタート後からの経過時間
登山口→大日ぐら→地獄谷吊橋(45分)→京良谷(1時間30分)→千尋の滝(2時間20分)→シシ淵(3時間20分)→ニコニコ滝(3時間40分)→平等ぐら→桃の木山の家(4時間40分)→七つ釜滝(5時間15分)

隔絶された大自然に出会う!秘境「大杉谷」を歩こう

写真:土庄 雄平

日本三大峡谷の一つにして、日本屈指の秘境「大杉谷」。アプローチの困難さと道の険しさからハードルが少し高いものの、一度足を踏み入れれば、そこには信じられないほど美しく圧倒的な自然が広がっており、今まで味わったことのない冒険感覚が味わえます。入念な準備や計画、細心の注意を払った山歩きが必要ですが、ぜひ一度挑戦してみてはいかがでしょうか?

大杉谷登山道の基本情報

住所:三重県多気郡大台町大杉
アクセス:(登山口まで)大宮大台ICから車で1時間10分、中部電力 宮川発電所付近の駐車場へ停車後、登山口まで徒歩10分 (入山後)各段落参照
※備考
・初心者でもトレッキングシューズやレインウェアなど本格的な登山装備が必要です。
・登山未経験者で京良谷より奥へ行く場合、登山ガイドをつけることをお勧めします。(関連MEMO参照)
・無理な登山計画は絶対にやめましょう。
・滑りやすい箇所が連続するコースです。降雨の翌日の入山を避けましょう。また大杉谷は天候が変わりやすいため、降水確率が30%未満のときに入山するのがベター。
・あらかじめ十分な食料や水分を購入し、持参しましょう。
・梅雨入りする6月中旬〜9月末には山ヒルが発生します。ディート成分配合の虫よけスプレーが効果的です。
2020年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
大杉谷登山センター(外部リンク)
https://www.oosugidani.jp
大杉谷登山MAP(外部リンク)
https://www.oosugidani.jp/pdf/map.pdf
大杉谷登山 個人ガイド(外部リンク)
https://www.oosugidani.jp/contact/
大杉谷の魅力(外部リンク)
https://www.oosugidani.jp/attraction/

【トラベルjp・ナビゲーター】
土庄 雄平

関連記事

提供元:トラベルjp 旅行ガイド

Facebook

あなたにおすすめの記事

P R
お悩み調査実施中! アンケートモニター登録はコチラ

eltha(エルザ by オリコンニュース)

ページトップへ