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一度の旅で2つの日本遺産を!和歌山「広川」「湯浅」を巡ろう

2021.12.21

和歌山県広川町と湯浅町は、隣接する町ですが別々のストーリーで日本遺産認定を受けています。広川町は「百世の安堵〜津波と復興の記憶が生きる広川の防災遺産〜」のストーリーで、湯浅町は「最初の一滴〜醤油醸造発祥の地 紀州湯浅〜」として認定を受けています。このように隣接する町が異なったテーマで認定されているのは全国的にも非常に珍しいケースと言えます。一度の訪問で2つの日本遺産を巡る旅を満喫してみませんか?

「稲むらの火の館」で濱口梧陵と津波防災について学ぼう

写真:広川町教育委員会

和歌山県広川町は、醤油で有名な湯浅町に隣接しており、かつては広庄(広村)と呼ばれて熊野路往還として賑わった場所です。しかし、深く入りこんだ湯浅湾の低地にあるため、津波の危機と背中合わせの地でもありました。
1854年(安政元年)11月5日の夜に発生した安政南海地震では、大津波が町を襲い、それを察知した濱口梧陵(はまぐちごりょう)は、田の稲むらに火を放って高台に逃げる人々の明かりとし、多くの命を救いました。
この逸話「稲むらの火」は、小泉八雲の英語による作品で広く世界に知られることとなり、11月5日は国連が定めた国際デーの一つ「世界津波の日」となっています。
写真は、濱口梧陵の偉業と精神、教訓を学び受け継いでゆくため広川町に建設された「稲むらの火の館」。

写真:広川町教育委員会

「稲むらの火の館」は、濱口梧陵記念館と津波防災教育センターからなっています。濱口梧陵は、江戸時代後期の1820年(文政3年)6月15日に紀伊国有田郡広村(現・和歌山県有田郡広川町)に生まれた、実業家・政治家です。
梧陵は銚子で醤油醸造業(現・ヤマサ醤油)を代々営む、濱口儀兵衛家の7代目の当主で、家業のみならず医学や防災に尽力した人物でもあります。
濱口梧陵記念館は、濱口梧陵の生家で、生い立ちから晩年までの足跡や、人柄を感じさせるエピソードを知ることができます。

写真:広川町教育委員会

津波防災教育センターでは、3Dシアターや津波シミュレーションなどを体感しながら防災について詳しく学ぶことができます。災害時には、一時避難場所となる施設でもあります。
<稲むらの火の館の基本情報>
住所:和歌山県有田郡広川町広671
電話番号:0737-64-1760
見学時間:10:00〜17:00(入館は16:00まで)
入館料:一般500円、高校生200円、小・中学生100円
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始
アクセス:JR湯浅駅から徒歩約15分
車利用の場合は、湯浅御坊自動車道広川ICより約10分。専用駐車場利用

「百世の安堵」を掲げた濱口梧陵の「広村堤防」

写真:モノホシ ダン

濱口梧陵は、安政地震津波の後も被災民救済と復旧に尽力したばかりか、100年後の津波に備えるため巨額な私財を投じ、長さ600m、高さ5m、幅20mの大堤防を築きました。
「広村堤防」は、1938年(昭和13年)、国の史跡として文化財に指定され、さらに毎年11月5日には「津波祭」が開催されて梧陵の偉業を称えています。
<広村堤防の基本情報>
住所:和歌山県有田郡広川町広
アクセス:稲むらの火の館から徒歩約3分

写真:広川町教育委員会

広川町の海岸は、松が屏風のように立ち並び、見上げるような土盛りの広村堤防が海との緩衝地帯を形づくり、沖の突堤、海沿いの石堤とともに津波に対する多重防御システムを構築しています。
2018年(平成30年)5月24日には、「百世の安堵〜津波と復興の記憶が生きる広川の防災遺産〜」のストーリーが日本遺産に認定されました。ちなみに防災遺産に関するストーリーが日本遺産に認定されたのは、全国で初めてです。

写真:モノホシ ダン

広川町役場前の「稲むらの火広場」には、浜口梧陵の像があります。津波襲来時に村人に避難路を示すため、火をつけた松明をもって走る姿が再現されています。稲むらの火の館や広村堤防とあわせて見学してください。
<浜口梧陵の像の基本情報>
住所:和歌山県有田郡広川町広1500
アクセス:JR湯浅駅から徒歩約15分

「最初の一滴〜醤油醸造発祥の地 紀州湯浅〜」の重伝建地区

写真:モノホシ ダン

広川町で濱口梧陵の偉業に触れたら、醤油醸造の発祥の地、湯浅町に行ってみましょう。湯浅町は、2017年(平成29年)4月28日に「最初の一滴〜醤油醸造発祥の地 紀州湯浅〜」のストーリーで日本遺産の認定を受けています。
湯浅の旧市街地の北西に位置する「重要伝統的建造物群保存地区」(以下、重伝建地区)は、安土桃山時代の16世紀末期頃に開発されたといわれる北町、鍛治町、中町、濱町を中心とする醤油製造業が最も盛んだった一帯です。観光の中心となるのは、「北町」「中町」「鍛冶町」です。写真は、北町通りの風景。

写真:モノホシ ダン

北町通りにある「北町ふれあいギャラリー」は、江戸末期から続く醤油醸造家で、戦後は金山寺味噌の製造販売を営んでいた太田家の町家。明治時代の建築で、形式は切妻造に湯浅では数少ない妻入りです。
ふれあいギャラリーは、散策の休憩所を兼ねたギャラリーになっていて、絵画や写真、陶芸などの作品を展示・公開しています。
<北町ふれあいギャラリーの基本情報>
住所:和歌山県湯浅町湯浅47-6
見学時間:9:00〜17:00
休館日:水曜日(祝日の場合はその翌日)、年末年始
アクセス:JR湯浅駅から徒歩約10分
車利用の場合は、湯浅御坊自動車道湯浅ICより約5分。観光駐車場利用

写真:モノホシ ダン

同じく北町通りにある「おみやげ ふみよ」には、かつて湯浅の重伝建地区で開催されていた「ゆあさ行灯アート展」の“あんどんミュージアム”が併設されていて一見の価値があります。
<湯浅おみやげ ふみよの基本情報>
住所:和歌山県有田郡湯浅町大字湯浅46
電話番号:0737-62-2821
営業時間:9:00〜17:00
アクセス:JR湯浅駅から徒歩約10分
車利用の場合は、湯浅御坊自動車道湯浅ICより約5分。観光駐車場利用

「甚風呂」でかつての湯浅の人々の暮らしや文化を知ろう

写真:モノホシ ダン

湯浅重伝建地区の観光の必見スポットといえるのが、銭湯跡歴史資料館「甚風呂(じんぶろ)」です。江戸時代末期から昭和の終わりまで4代にわたり営まれてきた公衆浴場「戎湯」で、経営者の名前から甚風呂と呼ばれ親しまれてきました。現在は資料館として古民具などを展示しています。
建物正面の塀には、個性的なデザインの菱形の開口部が設けられ、さらに塀の上部には「トンガリ」と呼ばれる六角錐の瓦飾りが載ってとてもハイカラです。
<甚風呂の基本情報>
住所:和歌山県有田郡湯浅町大字湯浅428
電話番号:0737-20-2033
開館時間:9:00〜16:30
入館料:無料
休館日:水曜日(水曜日が祝日の場合はその翌日)、年末年始
アクセス:JR湯浅駅から徒歩約10分
車利用の場合は、湯浅御坊自動車道湯浅ICより約5分。観光駐車場利用

湯浅で現存する最古の醤油製造の老舗「角長」

写真:モノホシ ダン

すでにご紹介しましたが、湯浅町は、日本の醤油発祥の地です。なかでも写真の「角長」は、江戸時代の1841年(天保12年)の創業で、湯浅では現存最古の醤油製造の老舗です。江戸末期に建てられた仕込蔵など醸造関連の建物は、いまも現役施設として稼働しています。
<角長の基本情報>
住所:和歌山県有田郡湯浅町湯浅7
電話番号:0737-62-2035
営業時間:9:00〜17:00
定休日:年中無休
アクセス:JR湯浅駅から徒歩約15分
車利用の場合は、湯浅御坊自動車道湯浅ICより約5分。専用駐車場利用

写真:モノホシ ダン

角長の裏にある「大仙堀」は、江戸時代に醤油樽を舟積みし、海路出荷した湯浅湾の内港です。大正時代には、湯浅に有田鉄道が開通すると、港湾の積荷を鉄道で運ぶための「海岸駅」が設けられました。
その後、1944年(昭和19年)に線路が撤去され、鉄道跡が道路になり、海岸も埋め立てられて現在に至っていますが、今も石積みの護岸に醤油蔵が立ち並ぶ景観は、港町に栄えた醤油醸造文化の歴史をよく伝えています。
まるで時間が止まったような大仙堀で、立ち並ぶ醤油蔵とともに、湯浅の古き良き時代を感じてみてください。

広川町や湯浅重伝建地区では他にも見ておきたいスポットが

本文ではご紹介できませんでしたが、広川・湯浅重伝建地区では、ほかにもぜひ見ておきたいスポットが目白押しです。
広川町では、安政の大津波の際、稲むらの火に導かれて多くの村人が避難した「廣八幡宮」が。お守りや御朱印帳には、稲むらの火の町ならではのオリジナルのイラストが描かれています。
稲むらの火の館の前に、2021年7月にオープンした物産販売・飲食施設「道あかり」では、地元の特産品やお土産が購入できます。併設のカフェでは、広川町名物の醤油ソフト、塩ミルクソフトがおすすめです。
一方、湯浅重伝建地区では、津浦家、竹林家、旧栖原家、旧赤桐家など醤油醸造などにゆかりのある古民家があります。
また「小路小路(しょうじこうじ)」といって、通りを歩いていると見過ごしそうな細い路地がたくさんあり、通りとは一味違った静かで懐かしい風情を体感することもできます。
ご紹介した広川・湯浅の散策とともにあわせて楽しんでみてはいかがでしょうか。
2021年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
稲むらの火の館(外部リンク)
https://www.town.hirogawa.wakayama.jp/inamuranohi/
湯浅町観光ガイド(外部リンク)
http://www.yuasa-kankokyokai.com/
角長(外部リンク)
http://www.kadocho.co.jp/
和歌山・醤油醸造の発祥の地「湯浅」で醤油グルメを満喫!
https://www.travel.co.jp/guide/article/44438/

【トラベルjp・ナビゲーター】
モノホシ ダン

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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