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ウィーンのエコロジー芸術家「フンデルトヴァッサー」ゆかりの地を巡る

2021-01-15

オーストリアが誇るエコロジー建築家及び画家のフンデルトヴァッサー。今回は、彼が設計した有機的なラインとカラフルさで非凡に富んだウィーンにある建築物「フンデルトヴァッサー・ハウス」と、美術館「クンスト・ハウス/フンデルトヴァッサー美術館」を紹介します。
フンデルトヴァッサー・ハウスは公共住宅のため外観見物のみですが、クンスト・ハウスは美術館なので、彼の版画作品や建築模型等をたっぷりと楽しめます。

フンデルトヴァッサーはどんな人?

写真:ネプフリン 由香

フンデルトヴァッサーとはどんな人でしょう?フンデルトヴァッサーのフルネームはフリーデンスライヒ・レーゲンターク・ドゥンケルブント・フンデルトヴァッサー(Friedensreich Regentag Dunkelbunt Hundertwasser)。
彼は幼い頃から絵を描くことが好きでした。後に、ナチス戦火の元、ユダヤ人であった彼は大変恐ろしい体験をしましたが、第二次世界大戦後に画家を目指し、アフリカへ旅に出ます。そこで目にした土でできた有機的な家屋の光景に強く影響を受け、後にエコロジー建築家及び画家として開花したのでした。
そんな彼の原点をもとに作られたのが、これから紹介するフンデルトヴァッサー・ハウスやクンスト・ハウスとなります。

フンデルトヴァッサー・ハウスにまず行こう

写真:ネプフリン 由香

まずは、フンデルトヴァッサー・ハウスの見物から始めると、効率よく回ることが可能。フンデルトヴァッサー・ハウスは、ウィーン市が所有する公共住宅(マンション)です。住民がいるので、先述したとおり、外観のみの見物となります。
地下鉄U3(オレンジライン)のRochusgasse(ロフスガッセ)駅で下車し、北東へ進むこと約8分、摩訶不思議な建造物が目に入ってきます。屋根の上に気がたくさん生い茂っています。そうです、これはまさにフンデルトヴァサーが夢見た「植物と共に生きる家を作ること」を実現させた建物なのです。

写真:ネプフリン 由香

完成までの道のりは紆余曲折だらけでした。草案が出たのは1979年のこと。先駆的すぎた彼の設計は保守的なウィーンの建築家たちには、なかなか認めてもらえなかったのです。ようやく1983年に建設が開始され、この家が完したのは1985年です。
写真に書かれている言葉は以下の通り:
"WOHNHAUSANLAGE DER GEMEINDE WIEN, ERRICHTET IN DEN JAHREN 1983-85"
「ウィーン公共集合住宅、1983-85建設」

写真:ネプフリン 由香

趣味が悪い!など、建築家たちの間で酷評も出ていましたが、入居者は殺到し、あっという間に埋まってしまうほどの人気ぶりでした。この建物の構造は、住居が53戸、事務所4軒、居室に通じる16箇所のテラス、共有テラス3箇所、木々が250本植えられました。屋上は土で覆われ、沢山の木々が植えられています。
現在、この公共住宅建設フンデルトヴァッサー・ハウスはオーストリアの文化遺産に登録されています。
<フンデルトヴァッサー・ハウスの基本情報>
住所:Kegelgasse 36-38, 1030 Vienna
開館時間:常時(外観見物のみにつき)
アクセス:ウィーン・西駅より地下鉄U3でRochsgasse下車、徒歩約8分

次はクンスト・ハウス/フンデルトヴァッサー美術館へ!

写真:ネプフリン 由香

フンデルトヴァッサー・ハウスから北上すること約500mのところに、クンスト・ハウス/フンデルトヴァッサー美術館があります。歩いて行くと、フンデルトヴァッサー特有の有機的ラインと、白と黒のタイルが印象的なモダンな建物があるのですぐにわかります。
フンデルトヴァッサー美術館は彼の画家としての早期の絵画作品から、日本で浮世絵版画を学んでいた頃の版画作品、建築模型図などフンデルトヴァッサーのあらゆる作品を閲覧できます。フンデルトヴァッサーのエコロジー思想なども多く展示されており、興味深い内容となっています。
また、常設展に加え、企画展も随時開催されています。これは別料金がかかります。

写真:ネプフリン 由香

作品鑑賞が終わった後は、フンデルトヴァッサーに関するお土産探しをしてみてはいかがでしょうか。フンデルトヴァッサーテイストのインテリアできっちり揃えたお店が数点あるので楽しく覗いてみてください。絵画のプリント、建築物の絵葉書、マグカップなど様々なグッズが揃っています。思わず沢山欲しくなってしまいます。

写真:ネプフリン 由香

お土産探しが終わったら、ひと休憩!フンデルトヴァッサーワールド満載な建物の坪庭でお茶などしてみませんか? コーヒー、お茶、焼き菓子、軽い食事もできます。
<クンスト・ハウス/フンデルトヴァッサー美術館基本情報>
住所:Untere Weissgerberstrasse 13, 1030 Vienna
電話番号:+43-1-712-0491
開館時間:毎日10:00〜18:00
入場料:11ユーロ、企画展:9ユーロ、コンビチケット:12ユーロ
アクセス:ウィーン・西駅より地下鉄U3でWien Mitte - Landstrasse下車、徒歩約10分、または路面電車18番に乗りQuartier Belvedere Sで、路面電車0に乗り継ぎRadetzkyplatz下車徒歩4分

現代がやっと追いついたフンデルトヴァッサーの環境意識

世の中がまだまだ発展だ!世界はもっと前に進める!という勢いで、産業がどんどん加速し、町が拡大してコンクリートの無機質な建物が乱立していった時代、フンデルトヴァッサーは常に環境を意識し、それを追い求め続けました。
絵画の世界にも、建築の世界にも、メッセージ性の強い作品を多く世に残しました。そんなフンデルトヴァッサーの思想に、現代になってようやく追いついてきた、と言えるのではないでしょうか。
ぜひそんな先見の明を持ったフンデルトヴァッサーの作品を目で観、読み、体で体験してください。華やかなシェーンブルン宮殿や、アールヌーヴォーやアールデコ芸術とは違ったウイーン体験ができるでしょう。
2021年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
フンデルトヴァッサーハウス公式HP(外部リンク)
http://www.hundertwasser-haus.info/
クンスト・ハウス・ウィーン公式HPフンデルトヴァッサー美術館ページ(外部リンク)
https://www.kunsthauswien.com/en/exhibitions/museum-hundertwasser/

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ネプフリン 由香

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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