熊本にも「鬼滅の刃」聖地が!竈門菅原神社と鬼王神社

「鬼滅の刃」作者の故郷、九州では各地の竈門神社が聖地となっていて、10社以上が注目されています。熊本県和水町の竈門菅原神社もその聖地のひとつですが、地名も「竈門」。この神社には海軍水上機のプロペラも奉納されており、見どころが多くあります。
隣の南関町には鬼滅の鬼の頭領、鬼舞辻無惨を彷彿させる「鬼王神社」もあります。善と悪、両方の聖地を巡ることができるのは九州でも限られるので、是非参拝を。

ミニ小判入りおみくじもある「竈門菅原神社」

和水町の竈門菅原神社は、2020年秋に「鬼滅の刃」聖地として、地元テレビで取り上げられたことにより、一気に鬼滅ファンの参拝客が増えました。それに十分対応できる広い駐車場も整備されています。
社は平安時代の永祚元年(989年)に創建されました。主祭神は菅原道真公で、その他、保食神、清大神、猿田彦大神も祭っています。社殿自体は小規模とは言え、周辺には大木等が生い茂り、古社の威厳があります。

鬼滅の刃ファンの参拝客が急増したことにより、2020年11月21日に絵馬掛けが設置され、休日でも境内で御守りや御札、絵馬の授与が行われるようになりました。他の聖地の竈門神社同様、絵馬にはペンを借りてその場で絵や祈願文を書くことができます。子供たちが鬼滅の絵を描く姿は微笑ましいものです。

おみくじは「竈門おみくじ」と「開運おみくじ」がありますが、後者には金色のミニ小判のようなものが入っており、記念になります。

猿も驚く海軍水上機のプロペラ

拝殿には古い時代の大きな絵馬に混じって、蒲鉾板サイズの木板の表に「鬼滅の刃」の主人公である竈門炭治郎、裏に妹の竈門禰豆子の絵が描かれたものが吊るされていますが、これは絵馬掛けが設置される前、おみくじが巻き付けられている木に吊るされていたものです。
更に児童が紙片に描いたと思われる二人の絵と、「鬼滅の刃」の映画の来場者特典であるポストカードも「奉納」という形でピン留めされています。これらは「簡易絵馬」と呼べるのかもしれませんね。

拝殿の天井を見上げると大きなプロペラが奉納・設置されています。これは大正11年のワシントン軍縮条約締結後、不要となった海軍の水上機の木製プロペラを戦意高揚のため、奉納したものなのです。因みに竈門地区東部には昭和20年初頭、幅900m、全長1.5kmの「竈門飛行場」こと、陸軍山鹿秘匿飛行場が造営されていました。

境内には珍しい「見ざる聞かざる言わざる」の石像がまつられています。「見ざる聞かざる言わざる」といえど、鬼滅聖地の事実と戦争の歴史は、見て聞いて伝えましょう。
＜竈門菅原神社の基本情報＞
住所:熊本県玉名郡和水町竈門103
電話番号:0968-86-2127(和水町観光協会)
アクセス:九州自動車道・菊水ICより車で約10分

鬼の王「鬼王神社」

竈門菅原神社の西方約5km、南関町上坂下に鬼王という地区がありますが、鬼舞辻無惨はまさに鬼の王。ここに鎮座する鬼王神社(鬼王天満宮)は竈門菅原神社が注目されるようになったことから、ネットでも取り上げられるようになりましたが、まだ鬼滅ファンの参拝者を見かけることは稀。
社は築山のような小丘にありますが、上り口は「中鬼王」バス停南の三叉路から更に南へ民家を一軒過ぎた所。東に入る小径が参道を兼ねており、すぐの三叉路を左折すると、まるで民家の庭先に入って行くような雰囲気になります。

右手の石垣や左手の生垣がなくなると、右手に神社の石段が現れます。高齢者等が上り易いよう、左側に傾斜の緩い小径も付けられています。往路は小径を上り、帰路は石段を下るといいでしょう。さて、鬼の王の神社とは、どんなものなのでしょうか。

大して上ることもなく、すぐ社殿に着きます。鳥居も狛犬もない小社ですが、一定規模の拝殿が鬼の王たる威厳を示しています。

「鬼王」の名と共に記念撮影

平成11年に新築された社殿の拝殿はまだきれいですが、絵馬と並んで皇族の写真が目立ちます。上皇が天皇だった頃の写真、今上天皇が皇太子だった頃のもの、秋篠宮一家等、愛子内親王(愛子様)のご幼少時のお姿も拝見できます。

拝殿前からの景色は現在では家々に遮られていますが、昔は二階建ての建物もなく、田園風景が広がっていたことでしょう。

「中鬼王」バス停南の三叉路を東に入ると、鬼王公民館や鬼王隧道もありますが、「鬼王」の名称を入れた記念写真を撮るなら、鬼王神社上り口の南方にある「鬼王」バス停がお勧め。鬼舞辻無惨の格好をして撮ると様になることでしょう。但し、バスの停車時刻前後は避けるように。
＜鬼王神社の基本情報＞
住所:熊本県玉名郡南関町上坂下1450
アクセス:JR鹿児島本線玉名駅から産交バスの南関上町方面行きに乗車し、「中鬼王」降車、徒歩数分

聖地巡礼+パワースポット巡りで楽しい観光を

九州では現在、6県に於いて竈門神社が見出されて聖地化する動きが見られ、地元の新聞やテレビで報道されることも多々あります。
なぜ九州でこのようなことが活発化しているのか、と言えば、やはり作者が九州出身だからでしょう。九州の方々にとっては「おらが漫画」、「おらがアニメ」ということで、人一倍作品に愛着があるのでしょう。
それに対し、神社側も駐車場の整備や絵馬掛けを設置する等し、地元も好意的に受け入れ、この鬼滅ファンによる「竈門神社巡り」は観光の一大ムーブメントになっています。
漫画やアニメの聖地巡礼とパワースポット巡りが同時にできる、という点もブームに拍車がかかる要因になっています。是非みなさんも鬼滅の世界観を体感し、各神社でパワーを戴いて下さい。
2021年1月現在の情報です。最新情報は公式サイト等をご確認ください。

■関連MEMO
和水町に菊池川の水運の安全を守る神様が!(外部リンク)
https://www.kikuchigawa.jp/news/detail/118
南関町・観光(外部リンク)
https://www.town.nankan.lg.jp/hpkiji/pub/List.aspx?c_id=3&class_set_id=1&class_id=504
産交バス情報サイト(外部リンク)
https://www.sankobus.jp/
「鬼滅の刃」聖地・大分「八幡竈門神社」と竈門一族墓所
https://www.travel.co.jp/guide/article/45631/
「鬼滅の刃」の3人の聖地が福岡県に〜溝口竈門神社・恋木神社ほか〜
https://www.travel.co.jp/guide/article/45662/

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春野 公比呂