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船で行く秘湯・大牧温泉の冬が美しい!庄川峡の絶景クルーズも

2021-02-27

船でしか行けない温泉宿があるのをご存知でしょうか。
その大牧温泉観光旅館があるのは富山県南西部の南砺市。庄川峡という風光明媚な渓谷を運航する遊覧船でしか辿り着くことができない、秘境中の秘境にある一軒宿です。
新緑、青葉、紅葉といつ訪れても絶景ですが、圧巻なのが冬。まるで水墨画の世界のような美しさに息を呑みます。感動の庄川峡遊覧船クルーズと、その末に辿り着く大牧温泉の魅力をご紹介しましょう。

唯一の交通手段は船!?「大牧温泉旅館」があるのはこんな所

写真:野水 綾乃

大牧温泉観光旅館は日本列島最後の秘境とも呼ばれる大牧温泉の一軒宿。深い山奥の渓谷にそこだけ取り残されたように存在していて、船でないと宿に辿り着くこともできません。
どうしてこんな辺境の地に温泉宿があるのでしょう。
大牧温泉はもともとこの地に逃れた平家の落人が発見したと伝わる歴史ある温泉地。かつてはこの地にも集落があり、庄川の河原にあった温泉施設が村人たちに親しまれていました。1930(昭和5)年の小牧ダムの完成で、その温泉施設が湖底に沈んでしまいました。その温泉がとてもいいお湯だったので、高台に建物を移し、湖底から源泉を引き上げて使い続けることで今の大牧温泉観光旅館があります。

写真:野水 綾乃

大牧温泉へ向かう庄川峡遊覧船は、小牧ダム近くの乗り場から乗船します。乗り場までのアクセスは北陸新幹線の新高岡駅から小牧行きバスで約70分、終点の小牧で下車してすぐ。バスも遊覧船も1日数本のため、あらかじめ時刻表をチェックしておきましょう。

写真:野水 綾乃

遊覧船の乗車は片道約30分。走り出すとすぐに水墨画のような景色が広がります。渓谷に囲まれたダム湖ですので、風で揺れることもなく、静かに湖面を滑るように進んでいきます。
続いて遊覧船の道中で楽しめる見所についてご案内します。

庄川峡遊覧船で行く道中も感動の連続

写真:野水 綾乃

大牧温泉まで庄川峡遊覧船でのプチ船旅。船内は暖房が効いて冬も暖かいですが、ぜひ屋外デッキに出てダイナミックな景色を堪能しましょう。寒さを忘れる絶景が待っています。
しばらくして見えてくるのが旧利賀大橋の遺構。橋の先にあった集落の過疎化で昭和の時代に廃橋になったもので、両端の主塔部分だけが残っています。モノトーンの冬は物悲しさが際立って感じられます。

写真:野水 綾乃

ルート上には2つの赤い橋が見えてきます。そのひとつが写真の利賀大橋。静かな墨絵のような風景の中に鮮やかな赤色が映えます。

写真:野水 綾乃

渓谷を奥へ奥へと分け入った川べりに大牧温泉観光旅館の建物がだんだんと見えてきた時は感慨もひとしお。到着時には宿が一望できるポイントまで船を走らせてくれるので、シャッターチャンスをお忘れなく。

秘湯とは思えない、大牧温泉観光旅館のおもてなし

写真:野水 綾乃

船着き場から上陸し、階段を上がるとすぐに大牧温泉観光旅館の門と建物が見えてきます。秘湯の一軒宿と言うと少し鄙びた感じを想像しますが、上質な雰囲気が漂います。

写真:野水 綾乃

客室は和室が中心で、どこもかしこもきれい。さらに和洋室や露天風呂付き客室も用意されています。窓から見える渓谷の景色が秘境に訪れたことを実感させます。

写真:野水 綾乃

食事処でいただく夕食は、山の中の一軒宿と言えども富山なだけにキトキト(新鮮)な海の幸が盛りだくさん。ホタルイカの沖漬け、富山湾を代表する白エビはシュウマイやかき揚げで、寒ブリはユズの風味が爽やかな幽庵焼きなどで登場。朝食のブリ大根も印象に残ります。

女湯のほうが圧倒的に眺めよし!渓谷に抱かれる雪見露天

写真:野水 綾乃

建物の外に出て、外履きに履き替えて奥へと進み、渓谷をパノラマに見渡せる高台に女湯の露天風呂があります。男湯の露天風呂は建物越しに庄川を眺める感じなので、圧倒的に女湯のほうが眺望抜群。渓谷の木々の1本1本にこんもりと雪が積もり、白く輝くような雪景色を眺めながらの湯浴みは格別。
温泉は現在も湖底から湧く源泉を引き込んで利用しています。泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉。源泉温度が高いため加水をしたうえでかけ流しにされていて、わずかに硫化水素臭が漂います。

写真:野水 綾乃

さらに奥まったところには大岩のくぼみを利用した洞窟風の小さな露天風呂があります。ひとりかふたりでいっぱいになる贅沢なお風呂は、より隔絶された雰囲気で景色に没頭できます。

写真:野水 綾乃

露天風呂とは別の館内には男女別の内湯もあります。こちらも大きな窓から庄川を眺めることができます。かけ流しの量も多く、とても気持ちのよい湯です。

最後の出航の時まで思い出に

写真:野水 綾乃

翌日のチェックアウト後、ふたたび庄川峡遊覧船に乗って帰ります。客が乗船したのを見届けたあとも、スタッフの方は宿に戻らず埠頭に立ち、船が見えなくなるまで見送ってくれます。船が唯一の交通手段である温泉宿の少し切なく温かな気持ちになる別れが心に残ります。

大牧温泉を拠点に五箇山や金沢の観光を

いかがでしたでしょうか。
小牧から大牧温泉までの庄川峡遊覧船は季節でダイヤが異なるので注意してください。
周辺の観光も楽しむなら、レンタカーでのアクセスがおすすめです。遊覧船乗り場に無料駐車場が40台分ありますので、そこに駐車しておけば翌日も動きやすくなります。世界遺産の五箇山合掌集落までは車で約30分。金沢市内までは車で1時間ほど。
またバスで高岡へ戻り、城下町の散策と富山湾グルメに味わうだけでも十分満喫できますよ。市内のお寿司屋さんでは、富山湾で水揚げされた地魚の握りを堪能できる「富山湾鮨」を提供していますのでぜひ立ち寄ってみて。
2021年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
大牧温泉観光旅館(外部リンク)
http://www.oomaki.jp/
庄川峡遊覧船(外部リンク)
http://www.shogawa-yuran.co.jp/

【LINEトラベルjp・ナビゲーター】
野水 綾乃

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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