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信州の穴場スポット「姫川源流自然探勝園」と「親海湿原」を歩こう!

2021-03-07

大糸線南神城駅から徒歩圏内のところに「姫川源流自然探勝園」と「親海湿原(およみしつげん)」があります。あまり有名ではないものの穴場スポットとして密かに人気。特に春から夏にかけては、湿地の野生の名花が次々と交代で咲き、時期を変えて再訪すれば、いつも新鮮な感動を得られます。バスや車でも訪問可能でアクセス良く、かつ無料で入園できる自然探勝地として、どなたにもお勧めできますので、ぜひ行ってみましょう!

姫川源流自然探勝園

写真:菊池 模糊

国道を渡って探勝園へ入ると、途中に荒神社(こうじんじゃ)の祠の横を通り、姫川源流へ降りていきます。東屋もあり、さらに下ると名水百選「姫川源流湧水」の碑があります。
姫川は、このあたりの湧水を源流とし、白馬山麓の松川などの支流の水を集めて北に流れ、新潟県糸魚川市で日本海に注ぐ一級河川。水質が良く、1999年以降4回にわたって水質ランキング日本一に輝いています。近辺の山麓の宿に泊まると、その水の美味しさに感激します。

写真:菊池 模糊

園内の歩道には木製のチップが敷き詰められており、自転車の侵入は禁止。スパイク等の鋭利な底のある靴や杖も避けてください。また、水辺は木道が整備されており、安全に自然観察ができます。もちろん、自然を大切にしゴミは持ち帰るなどマナーを守って散策しましょう。
清流の中を観察すると、セキショウモやエビモなどの沈水植物が繁茂しており、イワナ(岩魚)の泳ぐ姿も見られます。

写真:白馬さのさか観光協会

ここは四季折々水辺の植物が楽しめます。まず4月の雪解けのシーズンにはフクジュソウとユキワリソウが開花します。その後、ミズバショウ、キクザキイチゲ、カタクリ、ニリンソウといった春の妖精たちが次々に咲き誇ります。写真はニリンソウの群生で水辺を埋め尽くす景観は見事です。

自然探勝園の花

写真:白馬さのさか観光協会

晩春から真夏にかけて、流水の中にバイカモ(梅花藻)が見られます。水に揺られながら小さな花を咲かせる姿は魅力的で、まさに水中花として人気の的。ただし、微妙な環境条件が必要なので、年によっては開花しないこともあることをご承知おきください。バイカモ目的で訪問される場合は、念のため、白馬さのさか観光協会にお問い合わせください。

写真:菊池 模糊

夏になるとツリフネソウ、キンミズヒキ、フシグロセンノウ、トリアシショウマ、シモツケソウなどの花が咲きます。最も多い花は写真のオタカラコウで、湿地から真っすぐ茎をのばした黄色い花が目立ちます。

写真:菊池 模糊

夏の小さい花としてはツリフネソウの仲間が沢山咲きます。姫川源流自然探勝園では写真の黄色いキツリフネが多く、親海湿原では紅紫色のツリフネソウが多いのが興味深いです。

親海湿原(およみしつげん)

写真:白馬さのさか観光協会

姫川源流自然探勝園から南へ歩を進めると、広い湿原が広がっています。これが親海湿原。すり鉢状の平坦地形を成し、東側のドウカク山斜面に湧水点があり、その源は青木湖の可能性が高いそうです。
豊富な湿原植物が繁茂し、中でも6月頃には写真のカキツバタが一面に開花し、本当に見事です。

写真:菊池 模糊

親海湿原には木道がぐるりと配置され、散策しやすく花を楽しめます。夏になると、シシウド、アカバナ、ミソハギ、イタチササゲ、オオバセンキュウ、サワギキョウ、ノコンギクなどが開花します。

写真:菊池 模糊

特に夏の湿原の花としては写真のサワギキョウが綺麗です。すらりと伸びた茎に、青紫色の花が爽やか。園芸品種として売られている宿根ロベリアの近縁種で、美しい山野草なのですが、有毒植物なので注意しましょう。

ドウカク山にも登ろう

写真:菊池 模糊

姫川源流自然探勝園と親海湿原の中間の東側には小高い山があります。それが標高814mのドウカク山です。標識がありますので、時間と体力に余裕がある方は登ってみてください。おおよそ往復で30分くらいかかります。写真のように山頂は視界が悪いものの、野鳥の森といった感じです。
ドウカク山という名は、絶滅した野鳥トキの営巣地という意味。昔はこの辺りは湿地なのでドジョウやカエル、水生昆虫などトキの餌が多く、トキの繁殖地でした。方言でトキのことを「ドウ」と呼び、ドウが巣をかける山ということで「ドウカク山」と呼ばれたそうです。

写真:菊池 模糊

ドウカク山に登る山道では、湿地帯とはまた違った珍しい花も見られます。そのひとつが、夏に咲くアケボノシュスラン。ほんのりピンクに染まった小さな優しい花で、漢字で曙繻子蘭と書き、花の色を明け方の空の色に、葉の雰囲気を織物の繻子に見立てたもの(写真参照)。数は少ないので必ず見られるわけではありませんが、探してみてください。

写真:菊池 模糊

この一帯は、花だけでなく昆虫や野鳥も豊富で、様々な自然を楽しめます。特に蝶は種類が多く、晩春から晩夏にかけて、綺麗なアゲハチョウ類やヒョウモンチョウ類が乱舞しています。写真はシジミチョウ科のミドリシジミ類に属するオナガシジミです。小さくて綺麗な蝶で、幼虫の食草はオニグルミ。自然の雑木林である園内の環境がこうした珍しい蝶を育んでいるのです。

白馬さのさか観光会館

写真:菊池 模糊

国道148号線沿い白馬さのさかスキー場すぐに白馬さのさか観光会館があります。大糸線南神城駅から徒歩13分で、白馬村内を巡る白馬シャトルバスの姫川源流駅もあります。詳しい探索ルートや訪問時の開花情報についても親切に教えてもらえます。

姫川源流自然探勝園と親海湿原の基本情報

住所:長野県北安曇郡白馬村神城458-142
電話番号:0261-75-2811(白馬さのさか観光協会)
アクセス:
(鉄道)大糸線南神城駅から徒歩約15分
(バス)白馬村内を巡る白馬シャトルのグリーンライン(1日3往復ほど)姫川源流駅すぐ
(車)長野道安曇野ICから国道147・148号経由50分
2021年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
白馬さのさか観光協会公式ホームページ(外部リンク)
https://hakubasanosaka.com/index.html

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菊池 模糊

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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