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果てしない大空と世界遺産の道!奈良県十津川村「果無集落」

2021-04-27

奈良県十津川村の「果無(はてなし)集落」は、世界遺産に登録された巡礼の道「熊野参詣道の小辺路(こへち)」沿いにある小さな集落。高地にあるため、“天空の郷(さと)”と呼ばれ、世界遺産の道がまるで大空に向かって果てしなく続いているよう。桜や紅葉の時期も風情があり、「にほんの里100選」や「奈良県景観資産」にも登録。十津川村の観光ポスターにも使用された、日本の原風景が広がる「果無集落」をご紹介します。

十津川温泉に近い!果無集落

写真:沢木 慎太郎

奈良県の最南端、“日本で一番大きな村”で知られる十津川村。日本一長い生活用鉄線の吊り橋(谷瀬の吊り橋)や温泉など、のんびりした観光を楽しむことができます。
秘湯の十津川温泉の近くにある山里が「果無集落(写真)」。“果無”の読み方は「はてなし」。名前を聞くだけでどんな場所なのか、行ってみたくなりますね。

写真:沢木 慎太郎

「果無集落」は、国道168号線と、425号線が交差している付近にあります。2つの国道が交わっている場所にあるのが、写真右の赤い橋。
この写真は、十津川温泉側の国道168号線から見たもので、宿泊施設の「太陽の湯」付近から撮影したもの。車やバイクで行きたい方は、赤い橋を渡ったすぐ先に、本道の168号線から右に分かれる道があるので、この山道を進めば、「果無集落」に行くことができます。写真下の地図でご確認ください。

写真:沢木 慎太郎

「果無集落」には、車を4台止めることができる無料の駐車場があります。写真右に見える小屋のような建物が公共のトイレ。この先、駐車場から約200メートルの場所に、“天空の郷”が見えてきます。
「果無集落」へのアクセス道路はつづら折りで、道幅が狭く、車は地元の方や公共バスが優先。休日や祝日は車で訪れる観光客が多く、駐車台数が少ないため、駐車できないこともあります。

“天空の郷”の「果無集落」

写真:沢木 慎太郎

ここが、“天空の郷”の「果無集落」。十津川村の観光ポスターでも使われている場所です。ポスターでは、「果無集落」で暮らすおばあちゃんの優しい笑顔が多くの人々を魅了し、果無山脈が広がる美しい天空の郷を有名にしました。
写真の道が、世界遺産の「熊野参詣道(熊野古道)の小辺路」。果てしない大空に向かって、聖なる祈りの道がどこまでも続いているように見えます。

写真:沢木 慎太郎

「果無集落」のすぐ前にはバス停があり、停留所は「世界遺産石碑前」。人口数十人の集落は、のどかな風景が広がっています。
美しい自然と静けさ。深山幽谷に巡礼の道が遥か彼方へと続き、透き通った風が通り抜けるだけ。
放浪の旅に出た俳人、種田山頭火の俳句には、「まっすぐな道でさみしい」「分け入っても分け入っても青い山」といった代表作がありますが、この俳句に通じるような世界観が天空の郷にも感じられます。

写真:沢木 慎太郎

「果無集落」へは、十津川温泉からバスが出ているので、バスでのアクセスもおすすめ。しかし、運行は月曜日だけ。しかも、1日2本(奥果無行き、十津川温泉行き)のみ。

桜や紅葉も美しい!日本の原風景

写真:沢木 慎太郎

こちらは別の角度から。春には、しだれ桜などが咲き、天空の郷が薄っすらと淡いピンク色に染まります。

写真:沢木 慎太郎

それでは、世界遺産の道を歩いてみましょう。春には水仙などの花も咲き、日本の里山の風情が感じられます。観光客が誰もいなければ、この広い青空と世界遺産の道を独り占めでき、美しい日本の原風景の静けさが深く心に染み入ります。
果てしない大空と信仰の道と向きあい、いにしえの日本人たちの遥かな旅路に耳を澄ませましょう。

写真:沢木 慎太郎

さらに歩くと、道沿いにしだれ桜が見えてきます。桜の見ごろ・満開は、例年4月上旬の時期。春だけでなく、水田の風景や、干し柿が吊るされる秋、雪景色など、四季それぞれに美しさが感じられます。
雨のそぼ降る日や、雲海に浮かぶ集落の風景、棚田の稲穂が黄金色に染まる夕暮れも美しく、幻想的で幽玄な雰囲気が漂います。

十津川温泉からの登山もおすすめ

写真:沢木 慎太郎

世界遺産の道沿いには民家が数件建ち並び、石畳と日本家屋、石垣が美しく調和しています。
しかし、沿道の民家は個人宅。縁側は、無料の休憩所ではありません。世界遺産の道以外は、私有地。敷地に入って写真撮影するのはNG。住まれている方の迷惑にならないよう、ルールやマナーを守って観光を楽しみましょう。

写真:沢木 慎太郎

さきほどの縁側の向かいには、湧き水があり、参詣者の喉を潤しています。近くには、記念のスタンプ台も設置されています。

写真:沢木 慎太郎

さらに下ってゆくと、十津川温泉に行く登山道や、西国三十三観音に出会える道もあります。十津川村観光協会や道の駅十津川郷などで、事前に地図(熊野参詣道小辺路登山マップなど)を入手し、熊野参詣道の登山もぜひ楽しみましょう。

石仏、果無めん滝、奥果無の風景も

写真:沢木 慎太郎

熊野参詣道小辺路は、真言密教の総本山・高野山から熊野本宮大社にまで続く全長72キロメートルの祈りの道。高野山金剛三昧院の参道から、伯母子峠、三浦峠、果無峠と、1000メートル級の3つの峠を越えて、熊野本宮へと参詣するルートです。
小辺路は、ユネスコの世界遺産(文化遺産)として登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部を構成。「道」が世界遺産に登録されたのは日本で初めて。世界でも2つだけ。
「果無集落」の近くには、果無峠があるので、登山が好きな方はぜひ訪れてください。道沿いには、苔むした石仏が優しい微笑をたたえ、昔の古道の雰囲気が色濃く残っています。

写真:沢木 慎太郎

「果無集落」の駐車場の近くには、「果無めん滝」と呼ばれる滝があります。滝つぼ周辺は、絶好の休憩スポットですよ。

写真:沢木 慎太郎

「果無集落」の最果ては、「奥果無」と呼ばれています。眺望が開けた場所があり、“天空の郷”の美しさが広がります。写真中央の山のふもとに見えるのが、冒頭でご紹介した赤い橋。ふもとの右側には十津川温泉があるので、宿泊や日帰り温泉、滝めぐり、吊り橋めぐりもぜひ楽しんでください。
なお、奈良県のおすすめの温泉や観光スポットなどもまとめていますので、ご興味のある方は関連MEMOに張り付けたリンクからのぞいてみて下さい。

奈良県十津川村「果無(はてなし)集落」の基本情報

住所:奈良県吉野郡十津川村桑畑
電話番号:0746-63-0200「十津川村観光協会」(木曜は定休、祝日の場合は翌日)
アクセス:十津川温泉までは、近鉄大和八木駅から路線バスで約200分(JR新宮方面行き)。十津川温泉バス停から「果無集落(世界遺産石碑前)」まで車(タクシー)で約15分、十津川温泉バス停から徒歩約60分
2021年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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沢木 慎太郎

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