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石の島・香川県小豆島「大坂城残石資料館」は石工職人の聖地だった

2021.04.27

「石のふるさと」とも称される小豆島は、石材産業で栄え石と共に生きてきた町。大坂城の石垣は、海を渡り小豆島をはじめとした備讃諸島からやってきました。島には、江戸時代に各藩が担当した採石場(石丁場という)が残り、今でも大坂城へ運ばれるのを待っているかのようです。道の駅に併設する「大坂城残石資料館」は、採石に関する史料や道具が展示された施設。石工職人の仕事に触れる冒険にでかけてみましょう!

大坂城の石のふるさと小豆島

写真:いなもと かおり

小豆島は自然・グルメ・歴史が楽しめ、気軽に行けちゃう瀬戸内海の離島。自然が創り出した寒霞渓やエンジェルロード、そして日本ではじめて栽培に成功した特産品オリーブや醤油の町としても知られています。そんな小豆島は硬度と耐久性をもつ花崗岩の産地で、島のあちこちに石切りの遺産が確認できる……まさに「石の島」なのです!

写真:いなもと かおり

400年ほど前、小豆島の石材は海を渡りはるばる大坂城へと運ばれていきました。ちなみに大坂城の石のふるさとは、この小豆島と同じ瀬戸内海の塩飽諸島や犬島、兵庫県の東六甲にもあり、石のふるさと巡礼旅もとっても楽しい! これらの石材は、明治時代になっても近代化を象徴する構造物に使用され、島に石材産業が根強く染み付いていることがわかります。
2019年度には、日本遺産に「知ってる!? 悠久の時が流れる石の島 〜海を越え、日本の礎を築いた せとうち備讃諸島〜」が認定され、岡山県や香川県の文化財とともに、小豆島の大坂城石垣石丁場跡や大坂城残石記念公園(大坂城石垣石切とび越丁場跡および小海残石群)が構成文化財となっています。
※本記事では、江戸時代の大坂城をさすため「阪」ではなく「坂」を使用しています。

写真:いなもと かおり

元和6年(1620)大坂城は徳川幕府によって一から建て直しとなりました。再築にあたり西日本の諸大名に普請を命じ、小豆島では福岡藩黒田家や小倉藩細川家など7家が採石を担当しています。
ちなみに、大坂城に行けず島に置いて行かれた石は「残念石」とも呼ばれていますよ。

石工職人の道具が並ぶ大坂城残石資料館

写真:いなもと かおり

小豆島の北に位置する道の駅・みなとオアシス「大坂城残石記念公園」は、軽食コーナーや土産屋があるほか、石を切り出した石工職人さんの仕事が学べる「大坂城残石資料館」が併設しています。
館内は、大坂城の石垣に関連する写真や文書、石を割る道具、運搬道具などが展示された、まさに石工職人の聖地! さっそく職人のお仕事を覗いてみましょう。

石の辿る道…石割り、運搬、加工へ

写真:いなもと かおり

当時は機械のない時代なので、石を割る時はもちろん手作業です。石の目に沿って複数の穴を掘り、「ヤ」と呼ばれるクサビを打ち込み、「玄翁(げんのう)」と呼ばれるトンカチのようなもので打ちつけ発注されたサイズに割っていきます。
石が割れた跡は歯形のような見た目の痕跡が残り、その穴は「ヤ」を入れた穴だったことから「矢穴(やあな)」と呼ばれます。時代が進むと、クサビの種類も小さいものから大きなものまで様々増えていきました。

写真:いなもと かおり

石を山から切りだしたら次は運搬! 石を運ぶ道具にも多種あります。高所で切り出した石は、谷のような石曳道(いしびきみち)を滑り落とし、平地についたら「修羅(シュラ)」と呼ばれる道具に乗せて運びました。丸太を下に置いて転がすことで前進させる仕組みです。
石は、浜辺につくと船積みを行い海上運送へとステップが移ります。もちろん巨石であればあるほど運搬作業は大変。当時の人々の苦労が身にしみてわかりますね。

写真:いなもと かおり

石を割るだけではなく表面を仕上げる加工も職人の仕事! 石の表面を削って形を整形する道具、削った石材の表面を叩いて平滑に仕上げる道具など、たくさんの道具が揃っています。
石垣の石1つ1つを観察すると、こうした職人さんの努力やこだわりが感じられるのです。表面についた痕跡だけで、当時の物語が浮かんできたら石めぐりがぐんと楽しくなりますよ。

切なくて愛おしい「残念石」

写真:いなもと かおり

当時、大坂城残石記念公園のある小海村一帯の石丁場は小倉藩主の細川家が担当していたエリアでした。園内の一角には、荒地などに放置され迷惑していた石を集め展示しています。
石の表面を観察すると、一部に細川家を表す記号(刻印という)や「八百九内」という文字(刻文という)も見られ、昔の人が残した跡にもうわくわく感が止まりません。記録によると、ここを担当した奉行の嶋・佐藤組はなんと809個の石を切り出したそう! 809個のうち、大坂城に行けなかった石たちが目の前に並んでいるのですね。

写真:いなもと かおり

「城に行けず残された石」なんて……ちょっと切ない。でもきっと大坂城にいる石たちも、小豆島にいる兄弟石たちやふるさとを想って、じっとそこにいたのかもしれません。そんなことを考えながら小豆島の石丁場、そして大坂城をめぐるといつもと違う視点の城めぐりができるかも!? 香川県小豆島にある「大坂城残石資料館」で400年前の石工職人気分を味わってみませんか。

大坂城残石資料館の基本情報

住所:香川県小豆郡土庄町小海甲909-1
電話番号:
0879-65-2865(道の駅大坂城残石記念公園管理事務室)
0879-62-7013(土庄町生涯学習課)
開館時間:9:00〜17:00(最終入館16:30)
休館日:12/29〜1/3
アクセス:
車…土庄港から車で15分。池田港から車で20分。草壁港から車で30分
バス…小豆島オリーブバス・北廻り/福田港行きに乗り「大坂城残石記念公園」下車すぐ。または小豆島オリーブバス・北廻り/小豆島中央病院行きに乗り「大坂城残石記念公園」下車すぐ
2021年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
みなとオアシス大坂城残石記念公園(外部リンク)
https://www.pa.skr.mlit.go.jp/useful/oasys/oosakajyo.html
土庄町|道の駅「大坂城残石記念公園」(外部リンク)
https://www.town.tonosho.kagawa.jp/gyosei/soshiki/shogai/4/505.html

【LINEトラベルjp・ナビゲーター】
いなもと かおり

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