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西ロンドンの隠れた名所「チズウィック」暮らすように楽しめる街へ

2021-05-20

西ロンドンのチズウィックは、古代ローマ人も居住した歴史の長い街。11世紀の文献では古語チズウィカンと記されたその地名は「チーズを造る農家」を意味し、当時は長閑な農村だったことが伺えます。テムズ川沿いにあるこの街はその後も緑豊かな住宅地として発展し、18世紀の人気画家ウィリアム・ホガースが居を構えたほど。ロンドン中心地からのアクセスも抜群の街チズウィックを、暮らすように楽しんでみませんか?

ほっと和める街チズウィック 随所にキラリ輝く個性が魅力

写真:小野 雅子

テムズ川沿いに形成されてきた集落のひとつチズウィックは、現在もなおロンドン中心部にアクセスしやすい住宅街として人気。由緒ある建物も多く残っており、絵になる街並みが魅力です。
またテムズ川に架かるチズウィック橋は毎年春の恒例オックスフォード大学vs.ケンブリッジ大学対抗ボートレースのゴールにもなっているので、TV中継などでご覧になった方もいるでしょう。

写真:小野 雅子

ロンドン中心部からチズウィックへ行く場合は地下鉄ディストリクト線かピカデリー線、また地上列車ではサウスウェスタン鉄道やノースロンドン線が便利。
ちょっと時間がかかっても良いならピカデリーサーカスから路線バス94番に乗って、終点アクトングリーンかその1つ前のターナムグリーンまで。ロンドンの街並みを眺めながらゆっくりバスに揺られるのも、良い思い出になるでしょう。

写真:小野 雅子

千年前はチーズ農家と呼ばれた村なんて今や想像がつかないものの、沢山の緑豊かな公園があります。アクトングリーン、ターナムグリーン、デュークスメドウズ、ガナーズベリートライアングル・・・と大小さまざまな公園は、市民にとって憩いのオアシス。
また最近はターナムグリーンにも、ロンドンで時折り見かけるようになった電話ボックスを改造したカフェが登場。美味しいコーヒーを買って公園のベンチで寛げば、気分はロンドンっ子です!

故ダイアナ妃の祖先も住んだ貴族の館 チズウィックハウス

写真:小野 雅子

この街で特に歴史ある名所といえば、外せないのがチズウィック・ハウス&ガーデンズ。1729年に完成した貴族のお屋敷とそれを取り囲む庭園で、現在は史跡保護団体イングリッシュヘリテージが保有・管理しています。
建設当時の流行りだったパラディオ様式を取り入れ、ヴェネツィア窓や八角形のドームを備えた優美な館は一般公開されており、中に入ることも可能です。

写真:小野 雅子

この屋敷の主となった代々の貴族のうち注目したいのは、ジョージアナ・スペンサー。故ダイアナ妃の祖先でもあり、のちにデボンシャー公爵夫人となった女性です。
彼女の波乱に満ちた人生は人気女優キーラ・ナイトレイが主人公を演じた映画「ある公爵夫人の生涯」でも鮮やかに描かれたので、ご存知の方も多いでしょう。そんな愛憎ドラマがこの館で繰り広げられたと知ると、いっそう感慨深いですよね。

写真:小野 雅子

オベリスクや数々の彫刻が今も残る敷地内で、美しく手入れされたイタリア式庭園や池を眺めながら散策を楽しんで・・・往時の情景を思い浮かべてみませんか?
<チズウィック・ハウス&ガーデンズの基本情報>
住所:Chiswick House and Gardens, Chiswick, London W4 2QN
電話番号:+44-20-3141-3350
アクセス:チズウィックパーク駅から路線バスE3番に乗って約8分、または徒歩で約25分
※庭園は年中無休・朝7時から日没まで開園。お屋敷の開館時間は季節により異なるため、記事末尾の公式ウェブサイトにてご確認を

芸術が炸裂!アーティストのスタジオ&作品・モザイクハウス

写真:小野 雅子

優雅な貴族のお屋敷から一変して、次にご案内したいのはチズウィックの新名所「モザイクハウス」。これはキャリー・レイチャードという女性アーティストの自宅でありスタジオでもあり、何より彼女の作品なのです。
このプロジェクトを始めたのは約20年ほど前。メンタルヘルスに苛まれた彼女はそれまでの創作スタイルよりもモザイク制作に瞑想のようなヒーリング効果を感じるようになり、同居するパートナーの助言もあって自らの家にモザイクアートを施すようになったと言います。

写真:小野 雅子

最初は玄関ドアの周囲にインドのテキスタイルから触発されたモザイクを、次に壁の下部分、そして家の裏側・・・とモザイク制作を続けてきた成果が、今の姿。家や塀だけでなく、前庭にあるクルマ2台もモザイク作品なのだから圧巻です。

写真:小野 雅子

またアメリカ合衆国の死刑囚として2005年に処刑されたルイス・ラミレスへのトリビュート作品や銃犯罪への諧謔などを含め、メッセージ性の強いモチーフが多いことも現代的。
閑静な住宅地に忽然と現れる、鮮やかな「モザイクハウス」。角地近くにあるため家の正面だけでなく裏側にも容易にアクセスできるので、ぜひじっくり見て下さいね!
<モザイクハウスの基本情報>
住所:The Mosaic House Chiswick, 4-6 Fairlawn Grove, London W4 5EL
アクセス:地下鉄チズウィック・パーク駅から徒歩5分

ロンドン最大&最古のビール会社フラーズ・グリフィン醸造所

写真:小野 雅子

かつてロンドンにも沢山のビール醸造所がありましたが、土地の高騰にともない殆どの会社が工場を移転してしまいました。そんな風潮に抗って今もロンドンで操業を続ける唯一のビール工場が、フラーズ社のグリフィン醸造所。
1845年創業のフラーズ社は「ロンドン・プライド」や「ESB」など数々の人気銘柄を擁する老舗。2019年に日本のアサヒビール傘下となってからもイギリス人にこよなく愛されているビールが、チズウィックで造られ続けているのです。

写真:小野 雅子

大通りに面した所には工場直営のパブ「ザ・モーソン・アームズ」があり、カウンターで一杯やるのもオツなもの。また直営ショップも併設されていて木金土の12時〜6時に営業しています。ビールだけでなくオリジナルTシャツや雑貨も販売しているので、ビール好きな人へのお土産にどうぞ。

写真:小野 雅子

なおショップから少し入ったオフィス建物は、樹齢200年を超える藤の大木が壁を覆っています。イギリス最古の藤としても有名なので、5月初旬〜中旬ならば見事な咲きっぷりを愛でることが出来るでしょう。
<フラーズ・グリフィン醸造所の基本情報>
住所:Fullers Griffin Brewery, Chiswick, London W4 2PP
電話番号:+44-20-8996-2664
アクセス:地下鉄ターナムグリーン駅から徒歩15分

掘出し物ビンテージに出会うかも?チャリティショップ探訪!

写真:小野 雅子

街の大半が住宅地となっているチズウィックには、チャリティショップも沢山あります。様々なチャリティ団体に寄付された中古品や不用品を販売するチャリティショップは、1899年にイングランド中部ウルヴァーハンプトンで視覚障碍者を支援する団体が始めたものが最初。
百数十年の歴史があるだけに、今やイギリス庶民にすっかり浸透しているチャリティショップ。支援内容も児童虐待防止、動物愛護、ガンや心臓病などの予防と啓蒙など多岐に渡ります。

写真:小野 雅子

服、靴、バッグ、アクセサリーといった衣料品から本や玩具、食器、家具、その他あらゆる生活雑貨が売られています。もちろん中古品や不用品なので玉石混交ながら、掘り出し物に出会えるチャンスもありますよ!

写真:小野 雅子

また子供服や幼児玩具のように使用期間が短いもの、本やDVDのように1度読んだり見たりすれば済むもの等にも、利用価値大。
沢山あるので全部は挙げられませんが、ご参考までに2つのチャリティショップを記しておきますね。
<オックスファム・ブティックの基本情報>
住所:Oxfam Boutique, 190 Chiswick High Rd, Chiswick, London W4 1PP
電話番号:+44-20-8994-4888
<ファラ・チャリティショップの基本情報>
住所:FARA, 78 Turnham Green Terrace, Chiswick, London W4 1QN
電話番号:+44-20-8994-4724

ほどよい中流感が漂うチズウィック 自然体で楽しめる街角へ

お洒落でポッシュな家々や街並みがあるものの、庶民的な一面も覗かせるチズウィック。由緒ある史跡や緑したたる公園に囲まれた、この街ならではの魅力に触れてみませんか?
2021年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
Chiswick House & Gardens(外部リンク)
https://chiswickhouseandgardens.org.uk/
Carrie Reichardt(外部リンク)
https://carriereichardt.com/
Fuller’s Brewery Shop(外部リンク)
https://www.fullersbrewery.co.uk/visit-the-shop/
カーナビー・ストリートで60年代ロンドンの息吹を感じよう!
https://www.travel.co.jp/guide/article/45124/
ロンドン娯楽の中心地「レスタースクエア」を満喫!
https://www.travel.co.jp/guide/article/44881/

【LINEトラベルjp・ナビゲーター】
小野 雅子

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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