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山梨の聖地・身延山久遠寺へ!絶対にやってみたい5つの体験

2021-05-25

済んだ空気と水と緑・・・日本仏教三大霊山の1つ身延山(みのぶさん)の中核をなす「久遠寺(くおんじ)」は、全てを浄化するように美しい山梨県の大自然に囲まれている。日蓮宗の総本山でもある久遠寺は鎌倉時代以降約750年もの歴史を誇り、一歩足を踏み入れると神聖な空気が身体を包む。今回は、そんな身延山久遠寺の山内を中心に、ここでしかできない魅力的な体験を選りすぐってご紹介しよう。

その1 朝のお勤めにでてみよう

写真:藤井 麻未

お寺といえば、1日の始まりに行う朝のお勤め(朝勤)が欠かせない。ここ久遠寺では、毎朝5時30分(10月〜3月は6時)から本堂にて読経が行われる。そしてこの朝勤(ちょうごん)には誰でも無料で参加できるのだ。まだ仄暗い山の中に朝霧が立ち込め、冷たさ残る空気に自然と背筋が伸びる。太鼓の音と御題目が響き渡り、山内一帯に朝の到来を告げる。久遠寺が最も荘厳な雰囲気に包まれるのがこの時間だ。
重々しい太鼓の音とともに僧侶が列を為してやって来ると、まずは本堂にて読経が始まる。久遠寺の本堂は間口32メートル、奥行51メートル。一度に1,500人もを収容できる圧巻の大きさで、境内に一際存在感を放っている。

写真:身延山久遠寺

天井から睨みをきかせる「墨龍」は戦後を代表する日本画家加山又造によって描かれた。23500枚という途方もない数の金箔に漆黒の墨で浮き上がった龍の姿には誰もが驚嘆の声を上げる。龍が見下ろす荘厳な本堂で僧侶たちと共にお経を唱えるひとときは、きっと特別な体験となるに違いない。

写真:(株)風土

本堂での読経の後には、通常ではお目にかかることの難しい総本山の住職「法主(ほっす)」直々のお言葉を頂くことができる。その後日蓮聖人の神霊を祀る祖師堂、仏殿へと続き、朝勤全てに参加すれば約1時間超。その場に身を置いた者だけが体感できる清らかな気で身体中が満たされていることだろう。
<身延山久遠寺の基本情報>
住所:山梨県南巨摩郡身延町身延3567
電話番号:0556-62-1011

その2 ホテルでも旅館でもない?!宿坊に泊まってみよう

写真:藤井 麻未

早朝の朝勤に参加するには近隣に宿泊する必要がある。もちろんホテルや旅館などもあるのだが、ここでは是非とも宿坊に泊まってみたい。宿坊とは僧侶や参拝者のための宿泊施設のことであるが、通常寺自体に宿泊施設を備えたものをいう。久遠寺の場合も一帯には沢山の宿坊があり、気軽に寺院文化を味わうことができる。

写真:藤井 麻未

西谷にひっそり佇む「岸之坊」は、1450年に開かれた歴史ある寺院。丁寧に整えられた純和室に背筋が伸びる。御住職をはじめ寺族の顔がみえるアットホームな宿坊で、気さくな奥様とおしゃべりするのも楽しい。本堂への斜行エレベーター、日蓮聖人の御廟所などにもアクセスしやすい。

写真:藤井 麻未

宿坊に泊まる醍醐味の1つは、お寺の奥さんが作る手料理が食べられるという点(場合によっては料理人がいることも)。地元の名物を使った精進の献立など、心のこもった料理を頂くことができる。また本山(久遠寺)の朝勤に合わせて朝食の時間を決められるなど、宿坊に泊まっていると寺院参拝がしやすいのも魅力だ。
<岸之坊の基本情報>
住所:山梨県南巨摩郡身延町西谷3591
電話番号:0556-62-0072

その3 お寺生まれの古民家カフェで癒しのひとときを

写真:藤井 麻未

谷川のせせらぎを聞きながら、ふと見回すと辺りはすっかり深山幽谷。そんなひっそりとした風景の中に佇むのが「農カフェZENCHO」だ。飛び石を伝って門を入ると、そこには可愛らしい古民家がある。
元々酒蔵を営む家のものだったという築90年以上の日本家屋。現在母屋は一棟貸しの宿「迎賓館えびす屋」に、かつて女中たちの住まう建物だった部分がカフェとなり、宿坊「覚林坊」の女将が代表を務めている。

写真:藤井 麻未

カフェの内部は可能な限りかつての内装を活かし、古い天井の梁などにも歴史が感じられる。店内のインテリア、食器などには当時の古いものや山梨の作家が手掛けたものなどを利用し、温かみのあるレトロな雰囲気が漂っている。

写真:藤井 麻未

カフェのコンセプトは「ローカルガストロノミー」。シェフ自ら地元の食材を吟味し、美味しく身体に優しいメニューを提供している。山梨名物ほうとうをアレンジしたパスタ、人気の身延カヌレやロータルトなど地元の魅力溢れるものばかりだ。独自にブレンドした珈琲など自家製ドリンクもオススメ。お寺がプロデュースした「寺(じ)ビール」はメディアでも話題だ。また山梨の廃棄フルーツを使ったフルーツビールは、カクテル風に楽しめると女性にも人気を博している。
<農カフェZENCHOの基本情報>
住所:山梨県南巨摩郡身延町身延3955
電話番号:0556-64-8081

その4 門前町の個性派老舗を訪ねてみよう

写真:藤井 麻未

巨大な総門を潜り、しばらくすると三門に向かって静かな門前町が伸びている。ぜひここで立ち寄ってみたい個性派老舗をご紹介しよう。
まずは、久遠寺の若手僧侶なども度々訪れるというカレー喫茶「園林(おんりん)」。ノスタルジックな店構えに心惹かれ、中に入るとそこは古き良き昔ながらの喫茶店。静かに音楽が流れ、ダンディーなマスターと美しい女将さんが迎えてくれる。

写真:藤井 麻未

創業38年という老舗の園林では「オリジナル園林カレー」が大人気。県外からもお客が訪れるという。仏教=インド=カレーという発想から、門前町の喫茶店でカレーを出そうと思ったというマスター。かつてインドのムンバイを訪れた際、現地で食べたダールカレーの美味しさに衝撃を受け、以来独学でカレーを研究。東京、横浜から関西方面に至るまで有名カレー店は全て廻ったという。
お店で食べるカレーは日本の「カレーライス」的な要素もありつつ、ほのかにインドカレーのスパイス感もある。溶け込んだ玉葱のコクと甘み、粗みじん切り玉葱の粒感が絶妙だ。トッピングのマンゴーアチャールは、若いマンゴーを使った漬物のようにサクサクとした食感。酸味とピリリとする香辛料がマッチして、カレーに混ぜるとまた新たな境地を味わうことができる。珈琲はマスターが昔修学旅行で訪れた京都で出逢ったというイノダコーヒー。京都の名店の味をここで味わえるのも魅力的だ。
<園林の基本情報>
住所:南巨摩郡身延町身延3722
電話番号:0556-62-0046

写真:藤井 麻未

門前町でお土産や名物を探すなら、歴史ある老舗「みのや数珠仏具店」がおすすめ。かつて当地に居住していた者が日蓮聖人に蓑と笠を奉ったことから、聖人より「みのや」という屋号を賜ったのがルーツだという。
ここでは山梨の定番土産をはじめ身延蕎麦や地元の漬物などまで手に入る。特に注目したいのが数珠の品揃え。数珠仏具店というだけあって、珊瑚や紫水晶など絶妙なパステルカラー、男性好みの渋めの色味など素材や色によって実に様々なバリエーションがある。百貨店や街中の仏具店などで購入するよりもお手頃価格で手に入るので、自分好みのマイ数珠を探してみてはいかがだろうか。
<みのや数珠仏具店の基本情報>
住所:山梨県南巨摩郡身延町身延3703
電話番号:0556-62-0312

その5 世界が熱狂する現代アートを鑑賞

写真:身延山久遠寺

久遠寺の本堂地下には、国宝・重要文化財等、身延文庫の貴重な収蔵品を随時展示する宝物館がある。その宝物館に、2021年5月より新たな見所が加わった。2020年「24時間テレビ」のチャリTシャツのデザインを手掛けたことでも有名な現代アーティスト小松美羽の作品だ。

写真:身延山久遠寺

有田焼の立体作品「天地の守護獣」が大英博物館に収蔵、第76回ヴェネツィア国際映画祭VR部門にノミネートされるなど、小松美羽は国内外で絶大な注目を浴びている。主に神獣をモチーフとして独特のタッチで描かれる作品からは魂迸る不思議な力強さを感じる。
宝物館で見られるのは、2021年4月に久遠寺で描かれたライブペイント作品とその衣装だ。龍をテーマとして祈りを込め描かれた力作は久遠寺を訪れた者にしか見ることができない。一般ではなかなかお目にかかれない価値ある作品を、ぜひ鑑賞しに訪れてはいかがだろうか。

ここでしかできない体験を

日蓮宗の総本山であり、日本仏教三大霊山の1つにも数えられる身延山久遠寺。今回は、境内や門前町を中心にここでしかできない魅力的な体験をご紹介した。山深く美しい自然、神聖な空気、訪れるだけで内面から浄化されるような神秘的な聖地で、ぜひ唯一無二のひとときを過ごしてみてはいかがだろうか。
2021年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
身延山久遠寺公式サイト
https://www.kuonji.jp/
小松美羽公式サイト
https://miwa-komatsu.jp/

【LINEトラベルjp・ナビゲーター】
藤井 麻未

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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