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救われるのは蘇民将来の子孫!?京都「八坂神社」疫病封じの御利益

2021-06-09

京都の東山・祇園界隈に来られた方は誰もが、四条通りの突き当たりに鎮座する八坂神社の朱色の楼門を目にされることでしょう。
疫病退散の御利益があるという妖怪アマビエが一時話題になりましたが、京都の八坂神社の主祭神であり荒ぶる神として知られるスサノオノミコトと、摂社の疫神社にお祀りされる「蘇民将来」も、実は疫病退散の御利益で知られています。近くにお越しの際は、疫病封じを願って是非お参りしてみましょう!

八坂神社は、疫病退散の御利益で知られる神社

写真:小々石 曲允子

四条通の東詰、東大路通に突き当たる三叉路の正面に鎮座する八坂神社。全国に数千ある八坂神社またその関連社の総本社で、地元の人からは「祇園さん」の呼び名で親しまれる京都祇園のランドマーク的存在でもあります。
創祀については諸説ありますが、一説では656年に高麗から来た使節・伊利之(いりし)が新羅国の牛頭山に座した牛頭天王(ごずてんのう)を、この界隈に祀ったことに始まるとされています。
八坂神社の主祭神はスサノオノミコトですが、牛頭天王と同神と見なされています。
八坂神社の祭事である祇園祭が本来は疫病退散を祈念してのものである事からもわかるように、疫病封じの霊験があらたかな神社で、9世紀に京都で疫病が大流行した際、朝廷が八坂神社に勅使を派遣し祈願をすると流行が治まったと云われています。

写真:小々石 曲允子

なお、大通りに面して目立つ西楼門が正門と思われがちですが、実は石鳥居のある南楼門が八坂神社の正門です。少し高い目線から境内を一望できますので、一度は南側の正門から入って参拝されることをお勧めしますよ。
次からは、疫病退散を祈願するにあたって必須の、スサノオノミコトと蘇民将来を祀った御社をご紹介していきましょう。

スサノオノミコトが祀られた御本殿と悪王子社で祈る

写真:小々石 曲允子

まずは、主祭神・スサノオノミコトを奉斎する御本殿への参拝から。
神話では、スサノオノミコトが黄泉の国にいる母神イザナミノミコトに会いたいと泣き喚き大暴れしたことで、山々がうねり海は荒れて疫病が蔓延したと伝えられています。その後も様々な乱暴を働いたために遂には高天原から追放され、出雲の地に。そこからは一転してヤマタノオロチ退治等の英雄的なエピソードが綴られています。
このように、スサノオノミコトは英雄神的な側面がありながらも、一般的には「荒ぶる神」として知られています。お怒りになると災いを生み、まさに厄病神となる。だからお怒りにならないよう手厚くお祀りしてそれを封じるという神祀りが古来行われ、それが逆に疫病退散の御神徳へと繋がっているのです。
国宝にも指定された御本殿、まずはこちらでスサノオ神にお参りしましょう。

写真:小々石 曲允子

さて御本殿の他にもう一社、スサノオノミコトにまつわる御社があり、それが境内の東奥に鎮座する「悪王子社」です。
悪王子社はスサノオノミコトの荒魂(あらみたま)をお祀りした御社。悪王子の悪は強力という意味で、荒魂は荒々しくも強力なエネルギーに満ち、顕現力が高い魂。まさにスサノオノミコトの強い御神力により、願いを叶える力が強いとされている御社です。こちらでも、真摯に疫病封じ等の祈願をされると良いでしょう!

「蘇民将来之子孫也」疫神社は疫病除けに御利益が!

写真:小々石 曲允子

八坂神社で疫病退散を願うにあたり、必ずお参りして頂きたいもう御社がもう一社あります。それが蘇民将来命(そみんしょうらいのみこと)をお祀りした摂社の「疫神社」で、文字通り疫病除けの御利益で知られます。
スサノオノミコトは旅の途中で一夜の宿を請うた後、貧しくも手厚くもてなしてくれた蘇民将来に正体を明かされ、茅の輪をつけて「蘇民将来の子孫なり」と唱えれば疫病から免れると約束されます。以降、蘇民将来の家はその子孫も疫病から守られ栄えたと云われ、いつしか信仰の対象となりました。
伊勢志摩では民家の軒先に「蘇民将来子孫」の注連飾りがお正月以外の時期も飾られているのをよく見かけますが、この慣習もそこから生まれたもので、同じような伝承と信仰は伊勢志摩以外の幾つかの地域にも伝わっています。

写真:小々石 曲允子

さて、疫神社では例年7月に、鳥居に設けられた大きな茅の輪をくぐって厄を祓う「疫神社夏越祭」が行われます。参拝者にはこの時護符が授けられます。
この茅の輪、2020年からは夏越祭の時期以外でも御本殿近くに設けられることが多く、「蘇民将来の子孫なり」と唱えながら8の字の形にくぐると疫病封じになるということで人気を集めています。
また、八坂神社では古くから木を八角に削り調製した「蘇民将来守」が授与されており、授与所ではストラップ型の八角木守を戴くことができますよ。
疫神社は、西楼門から入ってすぐの場所に鎮座しています。

写真:小々石 曲允子

疫病退散の御利益に注目して、八坂神社をご紹介して参りましたがいかがでしたでしょうか。
蘇民将来命のように他の人を思いやる心を持つ人こそ、強力な御祭神に助けて頂けるのかも。近くにお越しの際はご自身のことはもとより、身近な人、ひいては日本や世界の無事も祈ってみてはどうでしょうか。
八坂神社にはこの他、縁結びの御利益で有名な大国主命、えびすさんとして信仰を集める事代主命、美人祈願で知られる美御前社の宗像三女神など多くの摂末社があります。いわゆる「出雲系」の神様、スサノオ神と縁のある神様が数多くお祀りされているのが特徴です。
なお、御本殿の内々陣の下には水を湛えた「龍穴」があり、こちらが神社のパワーの源泉の一つであるとの話もありますよ。

八坂神社の基本情報

住所:京都府京都市東山区祇園町北側625番地
アクセス:
京阪祇園四条駅より徒歩約5分
阪急河原町駅より徒歩約8分
JR京都駅より市バス206番「祇園」下車すぐ
※疫神社夏越祭については、状況により例年と方式が変更になることがあります
2021年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
八坂神社(外部リンク)
http://www.yasaka-jinja.or.jp

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小々石 曲允子

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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